大阪ガスの強みとは:国内の都市ガスと電力に加え、米国のLNG液化基地や上流事業が稼ぐ。海外エネルギーがセグメント利益の約45%。2026年3月期は経常利益2,045億円(+7.8%)、2027年3月期は減益の予想
大阪ガス(大阪瓦斯)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で分析しました。売上高2兆303億円(−1.9%、原料費調整制度でガス販売単価が低めに)、営業利益1,748億円(+8.8%)、経常利益2,045億円(+7.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,527億円(+13.6%)、ROE8.7%、自己資本比率54.4%。セグメント利益は、海外エネルギー883億円(+22.9%、米国フリーポートLNG液化基地と米国上流事業)、国内エネルギー719億円(−7.2%、姫路天然ガス発電所1号機の運転開始の費用)、ライフ&ビジネスソリューション374億円(+30.2%、都市開発)。ガス供給件数516万件、電力販売量172億kWh。年120円の配当(配当性向30.7%)、2027年3月期は経常利益1,900億円・年130円の予想。東京ガスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美大阪ガスって、家にガスを届けている会社だよね

プレ男決算短信だと、いちばん稼いでいるのはアメリカのLNGなどの事業なんだって。国内のガスより大きいみたい
企業分析の連載、255社目は大阪ガスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。比較には、この連載の東京ガスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、大阪ガス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
都市ガスの製造・供給・販売と電力の「国内エネルギー」、米国のLNG液化基地や上流事業などの「海外エネルギー」、都市開発や材料などの「ライフ&ビジネス ソリューション」の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆303億円 | −1.9% |
| 営業利益 | 1,748億円 | +8.8% |
| 経常利益 | 2,045億円 | +7.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,527億円 | +13.6% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.7% | 前期 8.2% |
| 自己資本比率 | 54.4% | 前期 52.8% |
| 配当 | 年120円(配当性向30.7%) | 前期 95円 |
- 売上高は、原料費調整制度でガスの販売単価が低めに推移して減りました
- 経常利益は、国内エネルギーが減益の一方、米国フリーポート液化基地(LNG)と米国上流事業の増益で増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 海外エネルギー | 米国フリーポートLNGや米国上流事業での増益 | 1,437億円(+12.2%) | 883億円(+22.9%) |
| 国内エネルギー | ガス販売単価の低下、姫路天然ガス発電所1号機の運転開始の費用 | 1兆6,434億円(−5.4%) | 719億円(−7.2%) |
| ライフ&ビジネス ソリューション | 都市開発事業や材料ソリューション事業 | 3,198億円(+13.2%) | 374億円(+30.2%) |
- セグメント利益の合計1,976億円のうち、約45%が海外エネルギー、約36%が国内エネルギーです(計算値)
- 売上高のほとんどは国内エネルギーですが、利益は海外エネルギーがいちばん大きい結果です
| 国内の販売(2026年3月期) | 数字 | 前期比 |
|---|---|---|
| ガス販売量 | 65億6,000万m³ | −1.4% |
| ガス供給件数 | 516万1,000件 | +0.9% |
| 電力販売量 | 172億3,800万kWh | +1.5% |
| 低圧電気供給件数 | 194万6,000件 | +1.3% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 海外エネルギーの伸び
- 米国のLNG液化基地や上流事業で、海外エネルギーの利益は+22.9%でした
② 都市開発などの事業
- 都市開発事業などで、ライフ&ビジネス ソリューションの利益は+30.2%でした
③ 厚い財務と増配
- 自己資本比率は54.4%です。配当は年95円→120円、2027年3月期は年130円の予想です
4. 弱み・リスク
① 国内エネルギーの減益
- 国内エネルギーは、姫路天然ガス発電所の運転開始にともなう費用などで減益でした。2027年3月期も、電力市場取引の減益や発電所の減価償却費の増加を見込んでいます
② 原料価格のタイムラグ
- 原料価格・燃料価格の変動が販売単価に反映されるまでには時間差があり、一時的な増減益の要因になります。2026年3月期は増益の方向に働きました
③ 2027年3月期は減益の予想
- 会社は、2027年3月期の経常利益を1,900億円(−7.1%)と予想しています。中東情勢については、足元のLNG調達や都市ガス・電力の供給に大きな影響はない見込みとしつつ、今後の市況などで影響を受ける可能性があるとしています
5. ライバルとの比較
都市ガスの東京ガスと並べます。どちらも2026年3月期です。
| 大阪ガス | 東京ガス | |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆303億円(−1.9%) | 2兆8,347億円(+7.5%) |
| 営業利益 | 1,748億円(+8.8%) | 1,976億円(+48.5%) |
| 経常利益 | 2,045億円(+7.8%) | 1,937億円(+70.5%) |
| 当期純利益 | 1,527億円(+13.6%) | 2,268億円(+205.8%) |
| ROE | 8.7% | 13.2% |
| 自己資本比率 | 54.4% | 44.1% |
- 東京ガスのくわしい中身は東京ガスの強みとはへ。LNGや原油の国際価格は金・銀・銅・原油の価格はどう動いた?も
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
大阪ガスの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 海外エネルギーのセグメント利益 | 883億円 | 決算短信(セグメント別概況) |
| 国内エネルギーのセグメント利益 | 719億円 | 決算短信(セグメント別概況) |
| ガス販売量・電力販売量 | 65億6,000万m³・172億3,800万kWh | 決算短信(国内販売実績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2兆700億円、経常利益1,900億円、当期純利益1,450億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年120円、2027年3月期予想130円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ガス会社でも、海外のLNGで大きく稼いでいるのね。原料の値段の時間差も覚えておこう
まとめ
- 大阪ガスは、国内のガス・電力と海外エネルギー、都市開発などの会社
- 2026年3月期は経常利益2,045億円(+7.8%)、当期純利益1,527億円
- 利益の約45%が海外エネルギー(米国のLNGと上流事業)
- 国内エネルギーは発電所の運転開始の費用などで減益
- 2027年3月期は経常利益1,900億円(−7.1%)・年130円の予想
参考文献
- 大阪瓦斯. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2026/__icsFiles/afieldfile/2026/05/08/260508_5.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 東京ガス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20260428-01.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。