東京ガスの強みとは:都市ガスと電力の販売、ガス導管のネットワーク、北米シェールガスなどの海外、不動産。2026年3月期は営業利益1,976億円(+48.5%)、特別利益もあり純利益2,268億円(3倍)。自己株式の取得に2,001億円
東京ガスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日)で分析しました。売上高2兆8,347億円(+7.5%)、営業利益1,976億円(+48.5%)、経常利益1,937億円(+70.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,268億円(+205.8%)、ROE13.2%。純利益には、固定資産売却益487億円、投資有価証券売却益119億円、為替換算調整勘定取崩益680億円などの特別利益が含まれます。セグメント利益はエネルギー・ソリューション1,502億円、海外738億円(北米シェールガスの販売単価上昇)、都市ビジネス97億円(パークハイアット東京のリニューアル費用)、ネットワーク41億円。株主資本等変動計算書では自己株式の取得が2,001億円。年間配当110円、2027年3月期は純利益1,370億円(−39.6%)・年120円の予想。大阪ガスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男東京ガスって、家のガス代を払ってる会社だよね。毎月の料金で、安定して儲かってるのかな

メル美最近は電気も売ってるし、アメリカでガスを掘ってるって聞いたよ
企業分析の連載、31社目は東京ガスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。比較には大阪ガスの「2026年3月期決算 プレゼンテーション資料」(2026年5月8日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、東京ガス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
都市ガスと電力を売り、ガスを届ける導管を持ち、海外(北米のシェールガスなど)や不動産でも稼ぐエネルギー会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆8,347億円 | +7.5% |
| 営業利益 | 1,976億円 | +48.5% |
| 経常利益 | 1,937億円 | +70.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,268億円 | +205.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 13.2% | 前期 4.3% |
| 自己資本比率 | 44.1% | 前期 44.8% |
| 配当 | 年110円(配当性向16.8%) | 前期 80円 |
- 純利益が3倍になったのは、特別利益(固定資産売却益487億円、投資有価証券売却益119億円、為替換算調整勘定取崩益680億円)が大きかったためです。特別損失として減損損失301億円もありました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | 売上高 | セグメント利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー・ソリューション | 都市ガス・電力の販売など | 2兆4,861億円 | 1,502億円 | +285億円 |
| 海外 | 北米シェールガス事業など | 2,414億円 | 738億円 | +510億円 |
| 都市ビジネス | 不動産・ホテル(パークハイアット東京)など | 734億円 | 97億円 | −143億円 |
| ネットワーク | ガス導管(託送) | 3,344億円 | 41億円 | +72億円 |
- 電力の販売量は、小売の件数増と卸の需要増で増えました。都市ガスは、家庭用は低気温で増えたものの、工業用などが減って販売量は減りました
- 海外は、北米シェールガス事業での販売単価の上昇で大きく増益
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 首都圏の顧客基盤
- 会社は、強みとして「顧客基盤」「エネルギーアセット」「オペレーション能力」を挙げ、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3事業の成長に注力するとしています
② 海外の上流事業
- 北米のシェールガス事業などで、海外のセグメント利益は738億円に増えました
③ 株主還元
- 株主資本等変動計算書によると、2026年3月期は自己株式の取得が2,001億円、消却が805億円。期末の発行済株式数は3億8,889万株→3億7,109万株に減りました(→自社株買いのしくみ)
4. 弱み・リスク
① 天候と原料価格
- ガスの需要は気温で大きく動きます
② 特別利益の反動
- 2027年3月期は、純利益1,370億円(−39.6%)の予想です。2026年3月期の特別利益の反動とみられます
③ 中東情勢と米国の政策
- 会社は、中東情勢の物価・経済への影響や、米国の政策動向を注視するとしています(→原油価格を動かすもの)
5. ライバルとの比較
都市ガス大手の大阪ガスと比べます(どちらも2026年3月期)。
| 東京ガス | 大阪ガス | |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆8,347億円(+7.5%) | 2兆303億円(減収) |
| 経常利益 | 1,937億円(+70.5%) | 2,045億円(+148億円) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,268億円 | 1,527億円 |
| ROE | 13.2% | 8.7% |
| 自己資本比率 | 44.1% | 57.0% |
| 海外の稼ぎ頭 | 北米シェールガス | 米国フリーポートLNG、米国上流事業(サビン社) |
- 経常利益は大阪ガスがやや上、純利益とROEは特別利益のある東京ガスが上でした。両社とも米国の事業が利益を押し上げています
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
東京ガスの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| エネルギー・ソリューションのセグメント利益 | 1,502億円 | 決算短信(セグメント別概況) |
| 海外のセグメント利益 | 738億円 | 決算短信 |
| 特別利益・特別損失 | 特別利益1,287億円 | 決算短信(損益計算書) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業利益1,860億円、純利益1,370億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当・自己株式の取得 | 年110円、自己株式の取得2,001億円 | 決算短信 |
- 会社は「26-28年度 中期経営計画」で、セグメント別のROIC管理を導入するとしています。セグメントごとの収益性も見ていきます
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ガス代の会社だと思ってたけど、アメリカのシェールガスや土地の売却でも利益が動くんだね
電力会社は中部電力の強みとはへ。
ほかの都市ガスの会社は大阪ガスの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 東京ガスは、都市ガス・電力、導管、海外(北米シェールガス)、不動産の会社
- 2026年3月期は営業利益1,976億円(+48.5%)、純利益2,268億円(特別利益を含む)
- 海外は北米シェールガスの単価上昇で大幅増益
- 自己株式の取得2,001億円など株主還元を拡大
- 2027年3月期は特別利益の反動もあり純利益1,370億円の予想
参考文献
- 東京ガス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20260428-01.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 大阪ガス. 2026年3月期決算 プレゼンテーション資料(2026年5月8日). https://www.daigasgroup.com/ir/library/earnings/__icsFiles/afieldfile/2026/05/08/20260508_2_1.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。