目次

プレ男土偶って、遮光器土偶みたいな、ちょっとこわれたものが多いイメージなんだけど。

メル美長野の「縄文のビーナス」は、完全な形で、穴にそっと寝かせてあったんだって。
今回は、長野県茅野市の尖石縄文考古館にある国宝の土偶、「縄文のビーナス」と「仮面の女神」です。茅野市尖石縄文考古館の公式ページ(茅野市のサイト)で確かめました。2つの愛称は登録商標で、茅野市が使用許可の案内をしています。
縄文のビーナスのプロフィール(茅野市より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出土した遺跡 | 茅野市米沢埴原田の棚畑遺跡 |
| 出土日 | 1986年(昭和61年)9月8日 |
| 時代 | 縄文時代中期(今から約4000〜5000年前) |
| 大きさ | 高さ27cm、重さ2.14kg |
| 国宝 | 1995年(平成7年)6月15日。縄文時代の遺跡から見つかったものとして初めての国宝 |
| 所蔵 | 茅野市尖石縄文考古館 |
工業団地の工事から(茅野市より)
- 棚畑遺跡は、工業団地の造成にともなって1986年に発掘された、茅野市でも最大規模の遺跡です。縄文時代の前期から江戸時代までのくらしのあとが見つかりました
- とくに縄文時代中期については、住居のあとが150軒以上、完全に復元できた縄文土器が600点にもなります
- 縄文時代の集落は、お祭りなどに使う広場を中心に、家が輪のように並んでいました。縄文のビーナスは、その広場の中の「土坑」とよばれる小さな穴(第500号土坑)に、横たわるように埋められていました

プレ男工場をつくる工事のおかげで、国宝が見つかったんだ!
どんな姿?(茅野市より)
- 頭:てっぺんが平らで、円形の渦巻きの文様があります。帽子をかぶった姿とも、髪型とも言われます。文様があるのはこの頭だけです
- 顔:ハート形のお面をかぶったような形。切れ長のつりあがった目、とがった鼻に針でさしたような小さな穴、小さなおちょぼ口は、八ヶ岳のふもとの縄文時代中期の土偶に特有の顔です。耳には、イヤリングをつけたのかと思われる小さな穴もあります
- からだ:腕は左右に広げられ、手は省略されています。胸は小さくつまみ出したようにつけてあるだけですが、その下のお腹とお尻は大きく張り出していて、妊娠した女性のようすをよく表しています
- つくり:骨組みになる部分を組み立て、粘土のかたまりを肉づけするようにていねいにつくっています。表面はよくみがかれて光沢があり、粘土には雲母がまじって金色に輝いています
なぜ完全な形なの?(茅野市より)
- 焼きが一部あまく、右足には表面がはがれ落ちたところがありましたが、ふつうに見られるこわされた土偶とはちがい、完全な形で埋められたことは明らかです
- 茅野市はもちろん、日本で見つかった土偶のほとんどはこわれています。縄文のビーナスは寝かせるように安置されていて、こわす意図はまったく感じられません。ほかの土偶とは、あつかわれ方がちがっていたのかもしれない、と茅野市は説明しています

メル美5000年近く、穴の中でそっと眠っていたんだね。
もう1体の国宝「仮面の女神」(茅野市より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出土した遺跡 | 茅野市湖東の中ッ原遺跡 |
| 出土日 | 2000年(平成12年)8月23日 |
| 時代 | 今から約4000年前、縄文時代後期前半 |
| 大きさ | 高さ34cm、重さ2.7kg |
| 国宝 | 2014年(平成26年)8月21日 |
- 顔に逆三角形の仮面をつけたような姿で、「仮面土偶」とよばれるタイプです。体には、渦巻きや同心円、たすきをかけたような文様があります
- 土器と同じように粘土のひもを積みあげてつくってあり、中が空洞の「中空土偶」です。似た土偶は長野県辰野町や山梨県韮崎市でも出ていますが、どちらも20cmほどで、この土偶がいかに大きいかがわかります
- お墓と考えられる穴が集まる場所で、穴の中に横たわるように埋められていました。右足がこわれて胴体から外れていましたが、割れたときのかけらが胴体の割れ口にはまりこんでいたこと、足を90度以上回さないと胴体とつながらないことなどから、わざと足を外して埋めたと考えられています
- 近くの穴から出た、遺体の顔にかぶせたとみられる土器のうち8点も「附(つけたり)」として国宝になっていて、土偶と土器の9点で1つの国宝です
見に行くなら(茅野市尖石縄文考古館、2026年10月1日更新のページより)
- 2体は、尖石縄文考古館(長野県茅野市豊平4734-132)の常設展示室Bに展示されています。展示ケースの中には、ぐるりと全方向から見られるものもあり、出土したときの写真やCTスキャンの画像も見られます
- いまは、縄文のビーナスは実物、仮面の女神はレプリカを展示しています。仮面の女神は、十日町市博物館の特別展(2026年10月10日〜11月23日)に貸し出されています。考古館で仮面の女神の実物を確実に見るなら、2026年12月以降に、と案内しています
- 仮面の女神が見つかった場所は、中ッ原縄文公園に、そのままの形で保存展示されています(穴は本物、土偶はレプリカ)

茅野市によると、縄文のビーナスは日本の土偶のほとんどがこわれているのとちがい、完全な形で寝かせて埋められていて、1995年に縄文時代の遺跡の出土品で初めて国宝になりました。
まとめ
- 「縄文のビーナス」は1986年、工業団地の工事にともなう棚畑遺跡の発掘で、集落の広場の穴から出土
- 高さ27cm・2.14kg、約4000〜5000年前。ハート形の顔、妊婦のような姿、雲母で金色に輝く
- 完全な形で寝かせて埋められていた。1995年、縄文の遺物で初めての国宝
- 「仮面の女神」は2000年に中ッ原遺跡で出土。高さ34cm、右足をわざと外して埋められていた。2014年に国宝
- どちらも茅野市尖石縄文考古館に(仮面の女神は、2026年11月23日まで十日町市博物館の特別展に貸し出し中)
- 古代のふしぎな遺物はネブラの天文盤、日本の出土品は金印や稲荷山古墳の金錯銘鉄剣もどうぞ
参考文献
- 茅野市尖石縄文考古館. 国宝「土偶」(縄文のビーナス). https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/1755.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 茅野市尖石縄文考古館. 国宝「土偶」(仮面の女神). https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/1754.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 茅野市尖石縄文考古館. 常設展示室B 国宝. https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/1757.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 茅野市尖石縄文考古館. 尖石縄文考古館所蔵資料の貸出情報(2026年10月1日更新). https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/1793.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。