大人の教養An Evening of Culture

第六幕Act VI — The Archive

稲荷山古墳の金錯銘鉄剣発掘から10年後、さびをとる作業中に金の文字が浮かびあがった。表と裏に115文字。「ワカタケル大王」に仕えた「ヲワケ」の一族の自慢を刻んだ、現存最古の日本の文章

No.1382026年10月22日

埼玉県行田市の埼玉古墳群・稲荷山古墳から出土した国宝「金錯銘鉄剣」。埼玉県立さきたま史跡の博物館によると、全長73.5cm、剣身の表に57文字、裏に58文字、あわせて115文字の銘文が金象嵌で刻まれています。古墳は1968年(昭和43年)に発掘されましたが、文字が見つかったのは10年後の1978年、保存処理の作業中でした。銘文には「辛亥の年」と「ワカタケル大王」、剣を作らせた「ヲワケ」の先祖が代々護衛の長をつとめてきたことが書かれています。文化庁は「現存最古の日本の文章といえる」と評価しています。博物館の解説・教材と、文化遺産オンラインの解説で紹介します。

目次
  1. プロフィール
  2. 10年後の大発見(博物館と報告書より)
  3. 何が書いてある?(博物館の教材より)
  4. なぜそんなに大事なの?
  5. 見に行くなら(2026年10月22日に確認した博物館の公式サイトより)
  6. まとめ

プレ男歴史の教科書の「ワカタケル大王」って、埼玉で見つかった剣に書いてあったんだよね?

メル美そう。しかも、ほり出してから10年たって、さびの下から金の文字が見つかったんだって。

今回は、埼玉県・稲荷山古墳から出土した国宝「金錯銘鉄剣」(きんさくめいてっけん)です。所蔵・展示している埼玉県立さきたま史跡の博物館の解説ページと教材「鉄剣銘文穴埋めチャレンジ」、文化庁の文化遺産オンライン、埼玉県教育委員会の報告書『稲荷山古墳』(1985年)で確かめました。

プロフィール

項目 内容
名前 金錯銘鉄剣(「金錯」は金の象嵌のこと)
長さ 全長73.5cm
文字 剣身の表に57文字、裏に58文字、あわせて115文字。金象嵌
出土 埼玉県行田市、埼玉古墳群の稲荷山古墳。後円部の頂上の埋葬施設の一つ「礫槨(れきかく)」から
国宝 1981年に重要文化財、1983年に国宝(ほかの副葬品とともに「武蔵埼玉稲荷山古墳出土品」として)
持ち主 国(文化庁)
展示 埼玉県立さきたま史跡の博物館の国宝展示室

10年後の大発見(博物館と報告書より)

プレ男10年も、すごい文字が書いてあることに、だれも気づいてなかったんだ!

何が書いてある?(博物館の教材より)

博物館の教材は、銘文の内容を、こんなふうにやさしく言いかえています。

辛亥の年の7月に記します。わたくしヲワケの臣(ヲワケコ)の先祖は代々、護衛隊のリーダーを務めてきました。わたくしはワカタケル大王に仕え、天下を治めるのを助けました。そこで、このすばらしい剣に、これまでの功績を刻んで記念とします。

銘文の中の大切なことばは、次のとおりです(読み方・意味は博物館の教材より)。

ことば 読み方 意味
辛亥 しんがい 銘文が記された年。古墳時代にはまだ年号がなく、十干と十二支を組み合わせて年を表した。もっとも有力な説では西暦471年
乎獲居臣 をわけこ/をわけのしん 鉄剣を作らせた人の名前。「ヲワケの臣」「ヲワケコ」などと読む説がある
杖刀人 じょうとうじん 身分の高い人の護衛をする役職と考えられている。「杖刀人首」は「護衛隊の隊長」
獲加多支鹵大王 わかたけ(き)る(ろ)だいおう 『古事記』や『日本書紀』に記された雄略天皇のことだと考えられている
左治天下 てんか(を)さじ 天下(世の中)を治めるのを助ける

メル美「うちの一族は代々すごいんです」って、1500年以上前の人が剣に刻んだ自己紹介みたいだね。

なぜそんなに大事なの?

見に行くなら(2026年10月22日に確認した博物館の公式サイトより)

さきたま史跡の博物館によると、金錯銘鉄剣の115文字は、発掘から10年後の1978年に、保存処理の作業中に見つかりました。

まとめ


参考文献

  1. 埼玉県立さきたま史跡の博物館. 金錯銘鉄剣. https://sakitama-muse.spec.ed.jp/%E9%87%91%E9%8C%AF%E9%8A%98%E9%89%84%E5%89%A3 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 埼玉県立さきたま史跡の博物館. 鉄剣銘文穴埋めチャレンジ(ワークシート・こたえ). https://sakitama-muse.spec.ed.jp/anaume_challenge (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 埼玉県立さきたま史跡の博物館. 稲荷山古墳. https://sakitama-muse.spec.ed.jp/%E5%9F%BC%E7%8E%89%E5%8F%A4%E5%A2%B3%E7%BE%A4%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E7%A8%B2%E8%8D%B7%E5%B1%B1%E5%8F%A4%E5%A2%B3 (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 埼玉県立さきたま史跡の博物館. 国宝展示室. https://sakitama-muse.spec.ed.jp/exhibition/kokuhou (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 埼玉県立さきたま史跡の博物館. 埼玉古墳群紹介. https://sakitama-muse.spec.ed.jp/%E5%9F%BC%E7%8E%89%E5%8F%A4%E5%A2%B3%E7%BE%A4%E7%B4%B9%E4%BB%8B (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 文化庁. 文化遺産オンライン「武蔵埼玉稲荷山古墳出土品」. https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/159795 (閲覧日:2026年10月22日)
  7. 埼玉県. 令和8年度企画展「ヲワケの生きた時代―5世紀の北武蔵―」. https://www.pref.saitama.lg.jp/g2210/library-info/20261003.html (閲覧日:2026年10月22日)
  8. 埼玉県教育委員会. 史跡埼玉古墳群保存修理事業報告書『稲荷山古墳』(1985年). 全国文化財総覧. https://sitereports.nabunken.go.jp/130922 (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。