
メル美姉の子が高い熱を出して、せきも鼻水もないのに、病院で「おしっこの検査をしましょう」って言われたんだって。

プレ男熱なのに、おしっこ?どういうこと?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子どもの尿路感染(おしっこの通り道の感染)の話です。日本小児泌尿器科学会の一般向け情報をもとにまとめました。
尿路感染ってなに?
- 尿路は、おしっこをつくる腎臓から、尿管→膀胱→尿道→おしっこの出口までの通り道のことです
- 感染のほとんどは、大腸菌などの細菌がおしっこの出口から入り、下から上へさかのぼっていくことで起こります
- 感染した場所によって、膀胱炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)などと呼ばれます
- 細菌による尿路感染は、女の子の3〜5%、男の子の1%に起こるとされています
熱が出たら、腎臓まで達しているサイン
学会によると、尿路感染の基本は次の3つです。
| 種類 | 熱 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 腎盂腎炎 | 出る | 高い熱、腹痛、吐き気・嘔吐、ぐったり |
| 膀胱炎 | 出ない | おしっこが近い、痛い、出しにくい |
| 無症候性細菌尿 | 出ない | 症状はないが、尿に細菌や白血球が見つかる(ほぼ女の子) |
- 発熱は、感染が腎臓に達していることを示します。膀胱炎だけでは熱は出ません
- 新生児や乳児では、黄疸、ミルクの飲みが悪い(哺乳不良)、体重が減るなどが、見つかるきっかけになることもあります
- 腎臓に細菌が感染すると、腎瘢痕(じんはんこん)という腎臓の傷が残ることがあるため、早く見つけて治療することが大切です

プレ男かぜっぽくないのに熱が高いときは、おしっこの感染も考えるんだね。
男の子の「亀頭包皮炎」
- 男の子では、おちんちんと、それをおおう包皮のあいだに細菌が感染する亀頭包皮炎もあります
- 赤くはれる、うみが出る、痛いなどの症状がありますが、熱は出ません(子どもの包茎)
検査
- 症状と、尿検査(白血球・赤血球・細菌)で診断します。尿の培養検査は、合う抗生物質を選ぶために欠かせません
- 自分でおしっこができる子は、中間尿(出始めを捨てて、途中の尿をとる)で検査できます
- おむつの子は、ビニールの袋で尿をとると検査の精度が下がるため、細い管(カテーテル)で尿をとったり、お腹から直接注射器で尿をとったりすることもあります
- 腎盂腎炎では、血液検査の炎症の値(CRP)も参考にします
- 尿路感染を起こした子ども(亀頭包皮炎をのぞく)には、腎臓と尿路の超音波検査が勧められています。尿の通り道の形に原因がないかを調べるためです
- 同じ学会によると、熱の出る尿路感染(腎盂腎炎)を起こした子どもの30〜50%に、膀胱にたまったおしっこが腎臓のほうへ逆流する膀胱尿管逆流が見つかります。成長とともに自然に消えることも多い病気ですが、腎臓を守るため、排尿・排便の管理や感染の予防が大切です
治療
- 膀胱炎:抗生物質を1週間〜10日間。外来で治療します。おしっこやうんちの習慣の見直しも大切です
- 腎盂腎炎:入院して点滴の抗生物質で治療を始めます。熱が下がったら飲み薬に切り替え、熱が上がらなければ外来へ。一般に合計2週間の抗生物質で治療を終えます
- 亀頭包皮炎:抗生物質で治療し、清潔を保ちます
いちばん大切なのは「再発を防ぐ」こと
- 尿路感染で大切なのは、再発を防ぐことです。とくに、尿の通り道の形や働きに原因があるときは重要です
- 一度尿路感染になった子が、かぜ症状のない熱を出したときは、再発を考えて尿検査をすることが大切です
- 受診のときは、「前に尿路感染になったことがある」と医師に伝えて、尿検査をしてもらいましょう

尿路感染で熱が出ているときは、感染が腎臓に達しています。一度かかった子がかぜ症状のない熱を出したら、受診のときに尿路感染の経験を伝えて、尿検査をしてもらいましょう。
夜間や休日に、受診したほうがいいか迷うときは、子ども医療電話相談 #8000 も使えます(#8000)。

メル美「前に尿路感染になった」って、ちゃんと伝えるように姉に言っておくね。
- おしっこの悩みでは小学生のおねしょ(夜尿症)の記事もどうぞ
まとめ
- 細菌による尿路感染は女の子の3〜5%、男の子の1%
- 熱が出たら腎臓(腎盂腎炎)まで達しているサイン。膀胱炎だけでは熱は出ない
- 赤ちゃんは黄疸・ミルクの飲みが悪い・体重が減るがきっかけになることも
- 尿検査・培養・超音波で調べ、抗生物質で治療。腎盂腎炎は入院して点滴から
- 大切なのは再発を防ぐこと。かぜ症状のない熱では尿検査を
参考文献
- 一般社団法人日本小児泌尿器科学会. 小児の尿路感染(小児泌尿器科の主な疾患). https://www.jspu.jp/ippan_014.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 一般社団法人日本小児泌尿器科学会. 膀胱尿管逆流(小児泌尿器科の主な疾患). https://www.jspu.jp/ippan_024.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。