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マジ男うちの親は職場結婚なんだ。昔は社内で出会うのがふつうだったって言うけど、ぼくの職場ではそんな話、ほとんど聞かないなあ。

デア子わたしも、職場には出会いがないから困ってるの。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、職場の出会いの減少と、結婚の減少の関係を調べた研究です。国立社会保障・人口問題研究所(当時)の岩澤美帆さんと三田房美さんの論文「職縁結婚の盛衰と未婚化の進展」(『日本労働研究雑誌』No.535、2005年、労働政策研究・研修機構)の原文をもとにまとめました。2005年の論文で、データは2002年までのものです。
どんな研究?
- 国の「出生動向基本調査」の夫婦の調査(妻が50歳未満の夫婦、各回約8,000組)で、夫妻が出会ったきっかけを使いました。1982年の第8回から2002年の第12回までの5回分の、初婚どうしの夫婦です
- 出会いのきっかけを、「見合い(親せき・上役の紹介をふくむ)」「結婚相談所」をまとめて見合い結婚、それ以外を恋愛結婚としました。恋愛結婚のうち「職場や仕事で」は職縁結婚、「友人・きょうだいを通じて」は友縁結婚、「学校で」は学縁結婚と呼んでいます
- そのうえで、毎年の「未婚女性1人あたりの初婚の発生率」(対未婚者初婚率)を、出会い方ごとに分けて、何がどれだけ低下に効いたかを計算しました
わかったこと(1):出会い方の主役が入れかわった
- 1950年代までに結婚した夫婦の主流はお見合いでした
- 見合い結婚は減り続け、1970年代に入ると「職場や仕事で」がトップになりました。その後しばらく、職縁結婚は3組に1組の割合を保ちました
- 2000年以降の結婚では、「友人・きょうだいを通じて」が職縁結婚を抑えて最も多くなりました。「学校で」も増え、約1割を占めていました
わかったこと(2):未婚の人が結婚する確率が下がった
- 1970年代には、20代後半の未婚女性の4人に1人が毎年結婚していました。それが、論文の時点では10人に1人という計算になっていました
- 20代の初婚率が下がりはじめた当初は30代の初婚率が上がっていましたが、20代の低下を埋めるほどではなく、1993年をピークに下がりはじめていました
わかったこと(3):低下の大部分は「お見合い」と「職場」の減少
| 未婚女性1,000人あたりの初婚(全年齢) | 論文の説明 |
|---|---|
| 見合い結婚 | 1960年代は約30件。その後下がり続け、論文の時点では約3件 |
| 恋愛結婚 | 1960年代前半は35件、1970年代前半に56件まで上がったあと下がり、1980年代後半以降は40件前後 |
- 1972〜2002年の30年間の初婚率の低下(−0.042)のうち、約5割(−0.024)がお見合い結婚の減少、4割近く(−0.015)が職縁結婚の減少で説明できました
- 言いかえると、学校・友人・街中や旅先などで出会う結婚の、未婚者に対する発生確率は、40年間ほとんど変わっていませんでした
- 1970年代の「結婚ブーム」は、職縁結婚の増加が大きく支えていました

マジ男減ったのは、お見合いと職場の出会いの分だったんだ。
なぜ職場の出会いが減ったのか(論文の考察)
- 高度成長期の企業は、従業員の結婚に気を配るゆとりがあり、若い従業員が多く、社内のクラブや旅行なども盛んでした。論文は、当時の職縁結婚は、本人の意識では自由な恋愛結婚でも、「企業によって身元保証された男女が、帰属意識の強い集団の中で相手を見つける」という意味で、拡張した見合い結婚だったと解釈できる面もある、と書いています
- その後、企業にそのゆとりはなくなり、職場への帰属意識も薄れました。一方で、20代後半の男女の7割近くが週40時間以上働いており(就業している人では男性の9割、女性の8割)、職場が出会いの場の役割を失いつつあるのに、かわりの出会いの場を求める時間的なゆとりがない、と指摘しています
- 結婚したい気持ちがあるのに、20代後半以上の未婚者が独身でいる理由として「適当な相手にめぐりあえない」を最も多くあげる背景には、個人の意識や価値観を超えた、社会全体の構造の変化の影響も大きいと思われる、と書いています
- 大企業の事務職や官公庁で働く男女は、これまでお見合いや職縁結婚の機会に恵まれていたぶん、ほかの出会いの機会が相対的に少なく、出会いの減少の影響をより受けると予測しています

この研究では、30年間の初婚率の低下の大部分が、お見合いと職場の出会いによる結婚の減少で説明できました。「出会いがない」と感じるのは、個人の努力不足だけではなく、社会のしくみの変化も大きい、というのが論文の見方です。
研究の限界
- 2005年の論文で、データは2002年まで。マッチングアプリが広まる前です
- 調べたのは、結婚した夫婦の出会いのきっかけです。独身の人どうしの出会いのうち、結婚に至らなかったものはふくまれていません。論文も、独身者をふくめた分析を今後の課題としています
- 初婚率は、女性について計算した値です
いまにつなげると
- 論文は、企業がかつての「仲人」の役割を取りもどすのはおそらく無理で、むしろ結婚したあとの仕事と家庭の両立を支えることが期待されている、と書いています。そして、職場に代わる出会いの場として「友人・きょうだいを通じて」がわずかに増えている、と指摘していました
- 最近の夫婦の出会い方は最近の夫婦はどこで出会った?、2024年の調査で「毎日顔を合わせる独身の異性」の多さと結婚の関係を見た研究は結婚した人と独身の人、何がちがう?、職場の人を好きになったときのマナーは職場の人を好きになったらもどうぞ

デア子職場に出会いがないのは、わたしのせいじゃなかったんだ。じゃあ、職場の外に出会いの場をつくってみる。

マジ男残業を減らして、出会いに使える時間を確保するところからだね。
まとめ
- 国の出生動向基本調査の夫婦の出会いのきっかけを使って、初婚率の低下を分析した研究(2005年)
- 1970年代には「職場や仕事で」の出会いがトップ、2000年以降は「友人・きょうだいを通じて」が最多に
- 1972〜2002年の初婚率の低下の約5割がお見合い結婚、4割近くが職縁結婚の減少で説明できた
- 学校・友人・街中などでの出会いによる結婚の確率は、40年間ほとんど変わっていなかった
参考文献
- 岩澤美帆, 三田房美. 職縁結婚の盛衰と未婚化の進展. 日本労働研究雑誌. 2005;(535):16-28. 労働政策研究・研修機構. https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2005/01/pdf/016-028.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
