
プレ男仕事中、つい指をポキポキ鳴らしちゃうんだよね。「関節が太くなるよ」って言われるけど、やめられなくて。

メル美私も子どものころ、「関節炎になるよ」って注意されたなあ。本当なのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 「都市伝説にマジレス」、今回は「指をポキポキ鳴らすと関節炎になる」説です。
そもそも、あの音はなに?
- スイスの医師たちの総説によると、指を鳴らしたときの音は、関節の中に一瞬、気体の空間(すき間)ができることで起こると考えられています
- 骨が折れたり、こすれたりしている音ではありません
研究では、関節炎との関係は見つかっていない
- 米国の研究(2011年)では、50〜89歳で手のX線写真を撮った人を対象に、手の変形性関節症がある人135人とない人80人をくらべました
- 指を鳴らす習慣がある人は全体の20%。関節症の割合は、鳴らす人18.1%、鳴らさない人21.5%で、差はありませんでした
- 何年鳴らしてきたか、1日に何回鳴らすかを考えても、関節症との関係は見られませんでした
- 研究者は、「指を鳴らす習慣は、手の変形性関節症のリスク要因ではないようだ」と結論づけています。この論文によると、それ以前の研究でも関係は示されていません

メル美鳴らす人のほうが、関節症が多いわけじゃなかったんだ!
左手だけ60年、鳴らし続けた医師
- 米国の医師ドナルド・アンガーさんは、左手の指だけを毎日鳴らし、右手は一度も鳴らさないことを60年以上続け、指の関節炎の原因を調べました。1998年に、リウマチの学術誌に「指を鳴らすと関節炎になるのか?」という報告を書いています
- この「研究」は、イグ・ノーベル賞(医学賞)を受賞しました

プレ男自分の手で60年も実験するなんて、根気がすごすぎる…。
ただし、「まったく問題なし」とも言いきれない
- 1990年の研究では、45歳以上の300人を調べ、指を鳴らす習慣がある人(74人)とない人(226人)で、手の関節炎の多さに差はありませんでした
- ただ、指を鳴らす人のほうが、手のはれが多く、握力が弱い傾向があったと報告されています

指を鳴らす習慣と手の関節炎の関係は、研究では見つかっていません。一方で、手のはれや握力の低下との関係を報告した研究もあります。
まとめ
- 指を鳴らす音は、関節の中に一瞬できる気体の空間によると考えられている
- 2011年の研究では、指を鳴らす習慣は手の変形性関節症のリスクではなかった
- 左手だけ60年以上鳴らし続けた医師は、イグ・ノーベル賞を受賞
- ただし、手のはれ・握力の低下との関係を報告した研究もある
参考文献
- Deweber K, Olszewski M, Ortolano R. Knuckle cracking and hand osteoarthritis. J Am Board Fam Med. 2011;24(2):169-174. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21383216/ (閲覧日:2026年9月29日)
- Castellanos J, Axelrod D. Effect of habitual knuckle cracking on hand function. Ann Rheum Dis. 1990;49(5):308-309. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2344210/ (閲覧日:2026年9月29日)
- Unger DL. Does knuckle cracking lead to arthritis of the fingers? Arthritis Rheum. 1998;41(5):949-950. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9588755/ (閲覧日:2026年9月29日)
- Saubade M, et al. « My joints are cracking, is it serious doctor ? » A review about sounds produced by joints. Rev Med Suisse. 2017;13(569):1334-1338. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28699710/ (閲覧日:2026年9月29日)
- Improbable Research. Winners of the Ig Nobel Prize(Medicine Prize: Donald L. Unger). https://improbable.com/ig/winners/ (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。