
プレ男人間って、脳の10%しか使ってないんでしょ?残りの90%を目覚めさせたら、オレも天才になれるかも!

メル美よく聞くけど、90%もサボってる臓器って、なんだか変じゃない?
こんにちは、Dr. Taro です。 「都市伝説にマジレス」、今回は「人間は脳の10%しか使っていない」説です。
先生たちも、約半分が信じていた
- 2012年に発表された研究で、脳の学びに関心のあるイギリスとオランダの小・中・高校の先生242人に、脳についての文章が正しいかどうかを聞きました
- 「私たちは脳の10%しか使っていない」を「正しい」と答えた先生は、イギリスで48%、オランダで46%でした
- この研究によると、「脳の10%」は、一般の人のあいだで最も多い脳の誤解だったという、別の調査(2002年、ブラジル)もあります
- OECD(経済協力開発機構)も、この説を、脳についての「神話(ニューロミス)」のひとつとしています

メル美先生でも半分くらいが信じてたんだ!
答え:脳は、ほぼ全部使われている
米国ジョンズ・ホプキンス大学の神経内科医、バリー・ゴードン氏は、米科学誌『Scientific American』でこう答えています。
- 私たちは、脳のほぼすべての部分を使っていて、脳の大部分は、ほとんどいつも活動している
- 脳の画像検査で見ると、24時間のあいだに、脳のほぼすべての場所が活動します。寝ているあいだも、脳の多くの場所は働いています
- コーヒーをカップに注ぐようなかんたんな動作でも、脳のたくさんの場所が連携して働きます
脳は「大食い」の臓器
- 脳は、体重の約3%しかないのに、体のエネルギーの約20%を使っています
- もし脳の90%が使われていないなら、そんなにエネルギーを使う理由がありません。使わない臓器をわざわざ大きく育てて、エネルギーを使い続けるのは、生き物として割に合わないのです

プレ男寝てるときも、脳はちゃんと働いてるのか…。
なぜ「10%」という話が生まれた?
- はっきりした出どころはわかっていません。ゴードン氏によると、心理学者のウィリアム・ジェームズや、アインシュタインの言葉だとされることがありますが、確かではありません
- また、「脳の細胞のうち、神経細胞(ニューロン)は10%だけで、残りの90%はグリア細胞」という話が、神話のもとになったのかもしれない、ともいわれてきました
- ところが、2009年のブラジルの研究で、実際に大人の男性の脳の細胞を数えたところ、神経細胞は約861億個、それ以外の細胞は約846億個で、ほぼ1対1でした。「神経細胞は10%だけ」という話そのものも、正しくなかったのです
- しかも、グリア細胞も、神経細胞を支えたり、守ったりする大切な働きをしています
「眠っている90%を目覚めさせる」商品には注意
- 「脳の眠っている力を目覚めさせる」とうたう教材や商品、セミナーは、この神話を利用していることがあります
- 先の研究でも、先生たちが信じやすかったのは、商品として売られている教育プログラムに関係した神話でした

脳は、体重の約3%なのに、体のエネルギーの約20%を使う働き者です。眠っている90%はありません。
まとめ
- 「脳の10%」は、先生の約半分も信じていた(イギリス48%、オランダ46%)
- でも実際は、脳のほぼすべての部分が使われている。寝ているあいだも働いている
- 脳は体重の約3%で、エネルギーの約20%を使う
- 「神経細胞は10%だけ」という話も誤りで、実際はほぼ1対1
- 陰謀論や神話にひかれる心理については、レプティリアン説の記事もどうぞ
- あわせて読みたい:魂の重さは21グラム?、指ポキポキで関節炎?
参考文献
- Dekker S, Lee NC, Howard-Jones P, Jolles J. Neuromyths in Education: Prevalence and Predictors of Misconceptions among Teachers. Front Psychol. 2012;3:429. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2012.00429 (閲覧日:2026年9月29日)
- Gordon B. Do People Only Use 10 Percent of Their Brains?. Scientific American. https://www.scientificamerican.com/article/do-people-only-use-10-percent-of-their-brains/ (閲覧日:2026年9月29日)
- Azevedo FA, et al. Equal numbers of neuronal and nonneuronal cells make the human brain an isometrically scaled-up primate brain. J Comp Neurol. 2009. https://doi.org/10.1002/cne.21974 (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。