
プレ男健診の結果で「γ-GTP 120」に印がついてた。飲み会が多いからかな…。でも、どこも痛くないんだよね。

メル美肝臓って、悪くなっても症状が出にくいって聞くよ。数字の意味を調べよう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、健診の肝機能検査(AST・ALT・γ-GT)の見方です。厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」の「肝機能検査に関するフィードバック文例集」と、e-ヘルスネットの「γ-GT」「アルコールと肝臓病」をもとにまとめました。
3つの検査項目
- AST(GOT)、ALT(GPT):肝臓などの細胞にある酵素で、細胞が傷むと血液に出て値が上がります
- γ-GT(γ-GTP):肝臓の解毒にかかわる酵素で、血液中のγ-GTのほとんどは肝臓からのものです。お酒やある種の薬による肝臓の障害、胆汁の流れが悪くなるときに上がります
健診の判定(特定健診)
| 判定 | AST | ALT | γ-GT | 対応 |
|---|---|---|---|---|
| 基準範囲内 | 〜30 | 〜30 | 〜50 | 今後も健診を |
| 保健指導判定値を超える | 31〜50 | 31〜50 | 51〜100 | 生活習慣の改善を |
| 受診勧奨判定値を超える | 51〜 | 51〜 | 101〜 | 医療機関の受診を |
(単位はU/L。厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」より)
- AST・ALT・γ-GTのどれかが受診勧奨判定値以上なら、健診の結果を持って医療機関を受診しましょう

プレ男γ-GTPは101からが「受診を」なんだ。120だから、病院に行かないと。
数字のパターンから考えられること
プログラムの文例では、次のように説明されています。
- γ-GTが高く、飲酒習慣がある(AST・ALTも少し上がっていることがある):アルコール性肝障害の疑い。1日の飲酒量が多いほど、高血圧・脳出血・がんなどにかかりやすくなり、男性40g/日以上、女性20g/日以上で脳梗塞や心筋梗塞にかかる確率が高くなるので、減酒がすすめられます
- ALTが高く(ALT>AST)、飲酒量が少ない(γ-GTも少し上がっていることがある):お酒によらない脂肪肝(NAFLD)の疑い。多くは肥満が原因で、糖尿病・高血圧・脂質異常症をともないます。糖分や脂質のとりすぎを控え、適度な運動を(「脂肪肝ですね」と言われたら)
- 生活習慣以外の原因として、ウイルス性肝炎、薬による肝障害、自己免疫性肝炎などもあります(肝炎ウイルス検査)
γ-GTは、肝臓だけの問題ではない
- プログラムが紹介する文献の検討では、γ-GTの上昇は、将来の脳・心血管の病気や糖尿病の発症と関係していることが、飲酒習慣の有無にかかわらず、複数の研究で確認されています
- ALTの上昇と糖尿病の発症との関係も報告されています
肝臓は「沈黙の臓器」
- e-ヘルスネットによると、肝臓は「沈黙の臓器」で、症状が出たときには重くなっている可能性もあり、早期発見が大切です
- お酒をよく飲む人は、症状がなくても定期的に血液検査を受けましょう
- お酒の量は、1日あたり日本酒1合、ビールなら中びん1本程度までに控えることが大切とされています
- 医師から減酒や断酒をすすめられても難しいときは、アルコール問題の専門医に早めに相談することもすすめられています
- 「少しなら体にいい」は本当か、はお酒は「百薬の長」ではなかったの記事もどうぞ

健診のγ-GTやALTの値は、症状のない肝臓からの大切なサインです。受診勧奨判定値を超えていたら、健診の結果を持って医療機関を受診しましょう。

メル美健診の結果を持って受診して、飲み会も少し減らそうね。
まとめ
- 基準範囲はAST・ALT 30以下、γ-GT 50以下
- AST・ALT 31〜50、γ-GT 51〜100は生活習慣の改善を、AST・ALT 51以上、γ-GT 101以上は受診を
- γ-GT高値+飲酒習慣はアルコール性肝障害、ALT高値+飲酒が少ないはお酒によらない脂肪肝の疑い
- γ-GTの上昇は、将来の脳・心血管の病気や糖尿病とも関係
- 肝臓は沈黙の臓器。お酒をよく飲む人は定期的に血液検査を
参考文献
- 厚生労働省 健康・生活衛生局. 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)(令和6年4月). 肝機能検査に関するフィードバック文例集. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001231390.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. γ-GT(2024年11月13日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-076.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. アルコールと肝臓病(2022年12月26日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-01-002.html (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。