
プレ男戦場で敵と出会ったのに、たたかわずに友だちになったの?

メル美おじいさんたちどうしが、むかし客と主人として仲よくしていたって、わかったんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はギリシャ神話のグラウコスとディオメデスです。ホメロス『イリアス』第6巻119〜236行(A.T.マレー英訳、ペルセウス・デジタル・ライブラリー)を読みました。同じ第6巻で妻子と別れる英雄はヘクトルへ。グラウコスの祖父ベレロポンがたおした怪物はキマイラへ。
プロフィール
| グラウコス | ディオメデス | |
|---|---|---|
| どちら側 | トロイア方(リュキアの戦士) | ギリシャ方 |
| 父 | ヒッポロコス | テュデウス |
| 祖父 | ベレロポン | オイネウス |
| 祖父どうし | オイネウスは、館でベレロポンを20日もてなし、おくりものをかわした | |
| かわしたもの(祖父) | ベレロポンは金の両杯(ふたつ口の杯) | オイネウスは赤くかがやく帯 |
1. 「人の世代は、木の葉のよう」
- 戦場のまんなかで、ヒッポロコスの子グラウコスと、テュデウスの子ディオメデスが、たたかおうとして向かいあいました
- ディオメデスが先にたずねました。「いったいだれだ。これまで戦場で見たことがない。もし天からおりてきた神なら、わたしは神とはたたかわない」
- グラウコスは答えました。「テュデウスの子よ、なぜわたしの家系をたずねるのか。木の葉の世代のように、人の世代もそういうものだ。木の葉は、風が地面にまきちらすものもあるが、春になると、森はまた新しい葉を生みだす。人も、ある世代が生まれ、ある世代が去っていく」

メル美戦場のまんなかで、こんなに静かなことばが出てくるなんて…。
2. ベレロポンの孫
- それでもグラウコスは、家系を名のりました。アルゴスのエピュレの町に、とてもかしこいシシュポスがいて、その子がグラウコス(祖先)、その子がベレロポンでした
- ベレロポンは、リュキアの王にむかえられて王女と結婚し、王の名誉の半分と、果樹園と畑の土地をあたえられました。ベレロポンの子のひとりが、グラウコスの父ヒッポロコスでした
- 「父はわたしをトロイアへ送りだし、いつもいちばん勇ましく、すぐれた者であれ、先祖の名をはずかしめるな、ときびしく言いつけた」
3. 槍を地面に
- これを聞いたディオメデスは、よろこびました。そして、槍を地面につきたてて、やさしいことばで言いました
- 「それなら、あなたはむかしから、わたしの家の友だ。わたしの祖父オイネウスは、むかし、館でベレロポンを20日もてなし、ふたりはたがいに友情のおくりものをかわした。オイネウスは赤くかがやく帯を、ベレロポンは金の両杯を。その杯は、わたしが出てくるとき、館にのこしてきた」
- 「だから、アルゴスのまんなかでは、わたしがあなたの客友であり、リュキアでは、あなたがわたしの客友だ。たがいの槍は、戦いの中でもさけよう」
4. よろいのとりかえ
- 「そして、よろいをとりかえよう。ここにいる者たちにも、わたしたちが父祖の代からの友だと知ってもらうために」
- ふたりは戦車からとびおり、手をにぎりあって、ちかいをかわしました
- ホメロスは、こう書きそえています。「このとき、クロノスの子ゼウスは、グラウコスの心をうばった。ディオメデスと、金のよろいを青銅のよろいととりかえたのだ。牛100頭のねうちのものを、牛9頭のねうちのものと」

プレ男牛100頭ぶんの金のよろいと、牛9頭ぶんの青銅のよろい! ホメロスも「ゼウスに心をうばわれた」って書くほどの、大損だね。

『イリアス』第6巻では、グラウコスは「木の葉の世代のように、人の世代もそういうものだ」と語り、ディオメデスは祖父どうしの友情を知って、槍を地面につきたてました。
まとめ
- 戦場で、トロイア方のグラウコスと、ギリシャ方のディオメデスが向かいあった
- グラウコスは「人の世代は、木の葉のようなもの」と語り、祖父ベレロポンにはじまる家系を名のった
- ディオメデスの祖父オイネウスは、むかしベレロポンを20日もてなし、おくりものをかわした仲だった
- ふたりは槍を地面につきたて、手をにぎり、よろいをとりかえた。金のよろいと青銅のよろいだった
- 同じ第6巻のヘクトル、ベレロポンがたおしたキマイラ、トロイア戦争の英雄アキレウスもどうぞ
参考文献
- Homer. The Iliad(英訳:A. T. Murray、1924年), 6.119–236. Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0134:book=6:card=119 (閲覧日:2026年10月12日)
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