
メル美大国主って、出雲の神さまだよね。「因幡の白うさぎ」の話にも出てくる。

プレ男うさぎを助けたやさしい神さま、ってことしか知らないなあ。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話のキャラクター、今回は大国主(大國主の命)です。青空文庫の『古事記』(武田祐吉訳)の「大國主の命」の章を読んでみました。
プロフィール
| 名前 | 大國主の命(おおくにぬしのみこと)。スサノオからは「アシハラシコヲ」、ほかに「ヤチホコの神」とも |
| 家系 | スサノオとクシナダ姫の子孫 |
| 立場 | たくさんの兄弟の末っ子。兄たちの荷物持ち |
| 性格 | やさしく、困っている者を助ける。何度も命をねらわれる |
| 妻 | 因幡のヤガミ姫、スサノオの娘スセリ姫(正妻) ほか |
1. 因幡の白兎
- 大国主の兄たちは、みんな因幡のヤガミ姫と結婚したいと思って、そろって因幡へ出かけます。大国主は袋を背負わされ、お供としてついて行きました
- ケタの岬に、皮をはがれて裸になった兎がたおれていました。兄たちは「海水を浴びて、風に当たって、高い山の上で寝ていればいい」と、うその治し方を教えます
- その通りにした兎は、海水がかわくと皮がすっかりひび割れて、痛くて泣いていました
- 最後にやってきた大国主がわけを聞くと、兎はこう話します
- 隠岐の島から渡りたかったけれど方法がなく、海の鰐(わに)に「どちらの一族が多いか比べよう。島から岬まで並んでくれたら、上を走って数えるから」とだました
- 並んだ鰐の上を渡り、地面に降りる直前に「だまされたな」と言ったとたん、いちばん端の鰐につかまって、皮をはがれた
- 大国主は「急いで河口に行って、真水で体を洗い、蒲(がま)の花粉をしきつめて、その上を転がりなさい。きっと元の肌に戻る」と教えました。兎がその通りにすると、元の体に戻りました。これが「因幡の白兎」で、今では兎神と呼ばれているといいます
- 兎は喜んで言いました。「あの兄さんたちは、ヤガミ姫を得られないでしょう。袋を背負っていても、姫を得るのはあなたです」

メル美兄さんたちはうその治し方、大国主は正しい手当て。やさしさの差が、はっきり出てるね。

八島岳亭の摺物(1819年ごろ)。メトロポリタン美術館の作品名は「Prince Okuni (?) and a Hare」(大国主?と兎)で、美術館も「?」をつけています。パブリックドメイン
2. 兄たちに、2度殺される
- 兎の言った通り、ヤガミ姫は兄たちに「あなたたちの言うことは聞きません。大国主と結婚します」と答えました
- 怒った兄たちは、大国主を殺そうとします
- 1回目:「山から赤い猪を追い下ろすから、下でつかまえろ」と言って、猪に似た大きな石を火で焼いて転がし落とし、大国主は焼けついて死んでしまいました。母の神が天に上ってお願いし、赤貝姫と蛤貝姫が遣わされて、生き返りました
- 2回目:大きな木を切ってくさびを打ち、そのすきまに大国主を入れてから、くさびを抜いて打ち殺しました。母の神が泣きながらさがし出し、木を割って生き返らせました
- 母の神は「ここにいたら、いつか兄たちに殺されてしまう」と、スサノオのいる国へ行くよう言いました
3. スサノオの試練
- スサノオの娘スセリ姫は、大国主をひと目見て「とても立派な神さまが来ました」と父に伝えます。スサノオは「これはアシハラシコヲだ」と、次々に試練を与えました
- 蛇の部屋に寝かされる → スセリ姫が蛇よけの布(領巾)をわたし、「蛇が食おうとしたら3回ふって払いなさい」
- ムカデと蜂の部屋 → またスセリ姫が、ムカデと蜂よけの布をわたす
- 野原に射こんだ矢を取りに行かされ、まわりから火をつけられる → ネズミが来て「内はほらほら、外はすぶすぶ」(中は空洞、入口はせまい)と教え、穴にかくれて火をやりすごす。ネズミは矢をくわえて持ってきてくれました
- スサノオの頭のシラミを取れ → 頭にはムカデがいっぱい。スセリ姫からもらったムクの実と赤土をかんで吐き出すと、スサノオは「ムカデをかみ殺している」と感心して、眠ってしまいました

プレ男「内はほらほら、外はすぶすぶ」!ネズミ、いい仕事するなあ。
4. 大脱出と「大国主となれ」
- 大国主は、眠ったスサノオの髪を部屋のたる木に結びつけ、入口を大岩でふさいで、スセリ姫を背負い、スサノオの大刀・弓矢・琴を持って逃げ出しました
- 琴が木にふれて鳴り、スサノオは目をさましますが、たる木に結ばれた髪をほどいているあいだに、二人は遠くへ逃げました
- 黄泉比良坂まで追ってきたスサノオは、遠くから呼びかけます。「その大刀と弓矢で兄たちを追いはらい、自分で大国主となって、わたしの娘スセリ姫を正妻にし、立派な宮殿を建てて住め、こいつめ」
- 大国主はその通りに兄たちを追いはらい、国づくりを始めました

『古事記』の大国主は、兄たちの荷物持ちだった末っ子です。白兎を助けたやさしさ、助けてくれる人に恵まれたこと、そして試練をのりこえて、最後は国の主になりました。
まとめ
- 大国主は、スサノオの子孫で、たくさんの兄弟の末っ子。兄たちの荷物持ちだった
- 因幡の白兎に、真水で洗って蒲の花粉という正しい手当てを教えた。兎は「ヤガミ姫を得るのはあなた」と予言
- 怒った兄たちに2度殺され、2度とも母の神のおかげで生き返る
- スサノオの試練(蛇・ムカデと蜂・火・頭のムカデ)を、スセリ姫とネズミに助けられてのりこえる
- スサノオに「大国主となれ」と言われ、国づくりへ
- スサノオはスサノオの記事もどうぞ
参考文献
- 稗田阿礼・太安万侶(武田祐吉訳). 古事記(現代語訳)(底本:古事記、角川文庫、1956年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001518/card51732.html (閲覧日:2026年10月1日)
- The Metropolitan Museum of Art. Yashima Gakutei, Prince Okuni (?) and a Hare(probably 1819)(Open Access). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/54520 (閲覧日:2026年10月2日)
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