
プレ男祖父が、テレビを見ているときに片手がふるえていて、歩き出しの一歩がなかなか出ないんだ。

メル美年のせいだけじゃないかもしれないね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、パーキンソン病の話です。難病情報センターの「パーキンソン病」(令和7年12月更新、神経変性疾患領域の研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- ふるえ(振戦)、動作が遅くなる(動作緩慢)、筋肉がこわばる(筋強剛)、バランスが悪く転びやすい(姿勢保持障害)を主な症状とする病気です
- 50歳以上に多く、まれに40歳以下で起こることもあります(若年性パーキンソン病)
- 脳の中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が減って起こります。細胞の中にアルファ-シヌクレインというたんぱく質がたまることが原因と考えられています
- 遺伝はしませんが、若くして発症した人の一部では、家族に同じ病気の人がいることがあります
どのくらいの人に?
- 10万人に100〜180人(1,000人に1〜1.8人)、65歳以上では100人に約1人です
- 高齢化などにともない世界的に急増していて、「パーキンソンパンデミック」と呼ばれ、警鐘が鳴らされています
症状
運動の症状
- ふるえ:力を入れていないとき(いすに座って手をひざに置いているとき、歩いているときなど)に起こり、動かすと小さくなります
- 動作が遅くなる:動きが遅くなり、細かい動作がしにくくなります。最初の一歩が踏み出しにくい「すくみ」が起こることもあります
- 筋肉のこわばり:自分ではあまり感じませんが、ほかの人が手足を動かすと抵抗を感じます
- 転びやすい:病気が始まって数年してから起こります
運動以外の症状
- 便秘、頻尿、汗、疲れやすさ、においがわかりにくくなる、立ちくらみ、気分が晴れない(うつ)、興味や意欲が薄れるなどが起こることもあります

プレ男じっとしているときのふるえと、最初の一歩が出にくい「すくみ」…祖父の症状は、パーキンソン病の特徴に当てはまるところがあるんだ。
治療
- 治療の基本は薬です。減ったドパミンを補うために、脳でドパミンに変わるL-ドパ(レボドパ)を飲みます。ドパミンの受け皿に直接はたらく薬や、L-ドパの効果を強める薬などもあります
- 薬の効いている時間が短くなったり、ふるえが強かったりする場合には、脳に電極を入れて刺激する手術や、ポンプで薬を持続的に入れる治療もあります
- 体を動かすことも治療になります。はげしい運動ではなく、散歩やストレッチを毎日続けて体力を高めることが重要です。散歩は1日8,000歩を目安に、体調に合わせて計画しましょう
- 姿勢が前かがみや斜めになりやすいので、鏡を見て姿勢をよくしましょう。転びやすいので、つまずくものを片付け、早めに手すりをつけます
- 気持ちを明るく保つことも大切です。小さな楽しみをつくって、毎日を工夫して過ごしましょう
経過
- 治療薬の研究開発が進み、現在のパーキンソン病の平均寿命は全体の平均とほとんど変わらないと考えられています
- 転倒による骨折や、ほかの病気を起こさないことがとても大事です。飲みこみが悪くなって肺炎を起こしたり、便秘から腸閉塞を起こしたりすることもあります。食事はよくかんでゆっくり、排便は週2回以上あるように体調を保ちましょう

パーキンソン病は、じっとしているときのふるえ、動きが遅くなる、筋肉のこわばり、転びやすさが主な症状です。薬に加えて、散歩やストレッチを毎日続けることも治療になります。
- iPS細胞を使った治療の研究はiPS細胞の治療はいまどこまで来た?、においの低下はにおいがわからないの記事もどうぞ

メル美年のせいと決めつけないで、早めにお医者さんに相談してもらおうね。家の中の段差も片付けておこう。
まとめ
- ふるえ・動作が遅い・こわばり・転びやすいが主な症状
- 50歳以上に多く、65歳以上の100人に約1人
- ドパミン神経細胞が減って起こる
- 便秘・におい・立ちくらみ・気分の落ちこみなども
- 治療はL-ドパなどの薬と毎日の散歩・ストレッチ。平均寿命は全体とほとんど変わらない
参考文献
- 難病情報センター. パーキンソン病(指定難病6)(情報更新日:令和7年12月、神経変性疾患領域における医療水準と患者QOLの向上を目指した基盤研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/169 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。