顔のしみ・深いしわの多くは「光老化」:年齢による老化とはちがう、紫外線による慢性の傷。予防でき、紫外線を防げば少しは戻る可能性も。日焼けサロンの「害のないUVA」は安全とはいえない
日本皮膚科学会の「皮膚科Q&A 日焼け」によると、お年寄りの顔のしみ・しわの多くは、年齢だけで起こったものではなく、紫外線による慢性の傷「光老化」です。日光に当たらない太ももの内側にはない深いしわは、肌の張りを保つ弾性線維が紫外線でこわれて起こります。光老化はその気になれば予防でき、紫外線を防ぐことで多少元に戻る可能性もあります。また、日焼けサロンがうたう「害のないUVAで焼く」は、肌が黒くなること自体が傷の結果で、UVAは肌の深くまで届き細胞を酸化させるため、安全とはいえません。国内でも、やけどやしみ、目の障害などの健康被害が150例以上報告されています。

プレ男夏に向けて日焼けサロンで焼こうと思ってるんだ。「UVAだけだから肌に害がない」って書いてあったし。

メル美わたしは、しみやしわを今から防ぎたいな。年をとったら仕方ないのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 「美容医療」から、光老化と日焼けサロンの話です。日本皮膚科学会の「皮膚科Q&A 日焼け」をもとにまとめました。紫外線の防ぎ方は紫外線と日焼け対策の記事にまとめています。
しみ・しわの多くは「光老化」
- お年寄りの顔にはしみやしわ、いぼのような変化が多くみられますが、これは年をとっただけで起こったものではありません。実際、日光に当たらない太ももの内側などは、色が白くやわらかで、深いしわはありません
- 光老化は、紫外線による慢性の傷です。年齢による老化とは質のちがう変化で、年齢による老化に上乗せされる形で起こります
- 年齢による老化では皮膚が薄く、色も薄くなる方向に向かいますが、光老化では、紫外線への防御反応として、皮膚が厚くごわごわに、色も濃くなり、しみ・しわとして現れます
- 光老化では、肌の張りを保つ弾性線維がこわれます。年をとっただけではこの変化は起こらず、張りがなくなってしわやたるみができます

メル美顔の深いしわは、年齢より紫外線のせいなんだ。太ももの内側とくらべるとわかるね。
予防できる
- 光老化はその気になれば予防可能で、紫外線を防ぐことで多少とも元に戻る可能性もあるとされています
- 色の白い人(赤くなりやすく黒くなりにくい人)は、光老化を起こしやすく、皮膚がんにもなりやすいとされています。日本人の多くは、その中間のタイプです
UVBとUVA
- UVB(波長280〜320nm)は、日焼けを起こす力がUVAの600〜1,000倍強く、細胞のDNAに直接傷をつけます
- UVA(波長320〜400nm)は、作用は弱いものの、皮膚の深い真皮まで届き、活性酸素を介して細胞を酸化させます
- しみ・しわ・皮膚がんなどの光老化はUVBの影響が圧倒的に強いものの、UVAの作用も無視できません
日焼けサロンは「安全」とはいえない
- 日焼けサロンには「害のあるUVBをおさえ、害のないUVAで焼くのでダメージはない」とうたうものがあります
- しかし、肌が黒くなるのは、皮膚に傷が起きた結果メラニンがたくさん作られたためで、ダメージなしに褐色の肌は得られません
- UVAは細胞を酸化させ、深くまで届くため、決して安全とはいえません
- 国内でも、皮膚科医へのアンケートで150例を超える健康被害が見つかりました。主にあてすぎによる水ぶくれ(やけど)ですが、しみや目の障害もありました
- 紫外線の害はすぐには出ず、何十年もたってからしみ・しわ、ときに皮膚がんとして出てきます。日本皮膚科学会のQ&Aは、若いときの見かけのために日焼けサロンを使うことはすすめられないとしています

肌が黒くなるのは、皮膚に傷が起きた結果です。日焼けサロンのUVAも細胞を酸化させ、肌の深くまで届くため、安全とはいえません。

プレ男「害のないUVA」なんてないんだね。日焼けサロンはやめて、日焼け止めにするよ。
まとめ
- 顔のしみ・深いしわの多くは、紫外線による慢性の傷「光老化」
- 光老化は予防でき、紫外線を防げば多少戻る可能性も
- UVBはDNAを傷つけ、UVAは深くまで届いて酸化させる
- 日焼けサロンの「害のないUVA」は安全とはいえない。国内で150例超の健康被害
- 紫外線の害は何十年もたってからしみ・しわ・皮膚がんに
参考文献
- 日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A 日焼け(Q3・Q5・Q6・Q14). https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/index.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。