
プレ男30代の同僚が、ときどき朝いちばんの尿がコーラみたいな色になるんだって。昼には薄くなるらしいけど、最近は息切れもするって。

メル美コーラ色の尿って、血が混じっているのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の話です。難病情報センターの「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)」(令和7年12月更新、特発性造血障害に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 赤血球が血管の中で異常に早く壊されて起こる貧血で、早朝のコーラ色の尿(ヘモグロビン尿)が特徴です
- 生まれたあとに、血液細胞の遺伝子に変異が起こり、その結果、赤血球が自分の血液中の補体という成分の攻撃を受けて壊されます(溶血)
- 遺伝子の変異による病気ですが、生まれたあとに起こるので遺伝はしません
- 血液の3種類すべてが減る再生不良性貧血などと密接に関係していて、ときに合併したり、移り変わったりします(再生不良性貧血)
どんな人に多い?
- 受給者証をもつ人は1,121人(令和5年度)です
- 子どもから高齢の人までほぼすべての年齢で起こりますが、とくに20〜60歳代に多く、男女差はありません
症状
- コーラ色の尿が特徴ですが、すべての人に起こるわけではなく、診断のときに経験しているのは全体の約3分の1です
- 顔色が悪い、息切れ、動悸、全身のだるさ、力が入らない、動くと疲れやすいなどの貧血の症状が多くみられます。ただ、ゆっくり進むので、貧血の症状を自覚しにくいことが少なくありません
- 再生不良性貧血のような症状が強いと、感染症にかかりやすくなったり、皮膚の点状の出血や歯を抜いたあとの血が止まりにくいなどの出血の症状が出たりします
- 日本人にはまれですが、血栓症もPNHに特有の症状です。飲みこみにくさ、男性機能の低下、原因不明の腹痛も特徴的な症状といわれています

プレ男朝のコーラ色の尿と息切れ…同僚の症状は、PNHの特徴に当てはまるところがあるんだ。
治療と経過
- 病気を完全に治すには骨髄移植しかありませんが、経過の長い病気なので、重症の人に行われます
- 溶血に対しては、補体の働きを抑える抗体薬や阻害薬が開発され、劇的な抑制効果が示されています。貧血が強ければ輸血も行います。使えるかどうかは血液専門医に相談しましょう
- PNHはゆっくり経過し、多くは少しずつ進みますが、ときに自然に治ることもあります。感染症や血栓症を起こすことがあり、まれに白血病に変わることも知られています
- 新しい薬の登場で、溶血にともなう症状は劇的に改善し、生活の質は大いによくなりました
日常生活の注意
- 感染をきっかけに溶血の発作が起こるので、手洗い、うがい、マスクなどで感染予防を心がけることが重要です

発作性夜間ヘモグロビン尿症は、早朝のコーラ色の尿が特徴ですが、診断時に経験しているのは約3分の1で、貧血もゆっくり進むため気づきにくい病気です。補体の働きを抑える新しい薬で、症状は劇的に改善しています。
- 尿に血がまじるときのほかの原因は血尿、自分の抗体で赤血球が壊される病気は自己免疫性溶血性貧血の記事もどうぞ

メル美朝の尿の色をメモして、血液の病気にくわしいお医者さんに相談するようすすめてみるね。
まとめ
- 赤血球が血管の中で壊される貧血。早朝のコーラ色の尿が特徴
- 20〜60歳代に多く、男女差なし。遺伝はしない
- コーラ色の尿は診断時に約3分の1。貧血はゆっくり進み気づきにくい
- 再生不良性貧血と関係。感染症・出血・血栓症も
- 補体を抑える新しい薬で症状は劇的に改善。手洗い・うがい・マスクで感染予防を
参考文献
- 難病情報センター. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)(指定難病62)(情報更新日:令和7年12月、特発性造血障害に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/3783 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。