
メル美20代の友だちが、だるくて息切れがひどくて、白目が少し黄色っぽいって。鉄剤を飲んでも貧血がよくならないらしいの。

プレ男鉄不足じゃない貧血もあるんだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、自己免疫性溶血性貧血の話です。難病情報センターの「自己免疫性溶血性貧血(AIHA)」(令和7年12月更新、特発性造血障害に関する調査研究班)をもとにまとめました。鉄が足りない貧血は健診の貧血と鉄の記事にまとめています。
どんな病気?
- 自分の赤血球にくっつく自己抗体ができて、赤血球が異常に早く壊される(溶血)ことで起こる貧血です
- 体温くらい(37度)で抗体が強くくっつく温式と、体温より低い温度(とくに4度)で強くくっつく冷式があります
- なぜ自己抗体ができるのかは、まだ明らかではありません。膠原病などほかの自己免疫の病気や、リンパ腫などの悪性腫瘍の人にみられることがあり、マイコプラズマ肺炎の人に冷式がみられることもあります
- 遺伝はしません
どのくらいの人に?
- 患者さんは全国で1,300〜1,700人、1年間に数百人ほどが新たに発症していると推定されています。温式が9割、冷式が1割です
- 子どもから高齢の人まで幅広く起こります。温式は、10〜30歳の若い人(女性が多い)と、50歳以降に増えて70歳代がピークの高齢の人(男女差なし)に多くみられます
症状
- 主な症状は貧血によるもので、だるさ、動悸、息切れ、めまい、頭痛などです
- 軽い黄疸(白目や肌が黄色く見える)や、脾臓のはれがみられることもあります。長く続くと胆石を合併することも知られています
- 急に赤血球が壊れると、赤ワインのような濃い色の尿(ヘモグロビン尿)が出ます
- 冷式の寒冷凝集素症では、寒くなると指先・足先・耳たぶが紫色になったり、痛みが出たりします

プレ男貧血の症状に、白目が黄色っぽい…赤血球が壊されて起こる貧血の特徴に当てはまるんだ。
治療と経過
- 温式:ステロイドが効きます。効果が足りない場合は抗体の薬が使われ、脾臓をとる手術や免疫抑制薬も補助的に行われます。貧血が強いときは輸血をすることもあります
- 冷式:保温が重要な治療です。補体という物質に対する抗体の薬なども使われます
- ほかの病気にともなって起こっているときは、もとの病気の治療でよくなることがあります
- 一部は自然に治りますが、多くは中〜長期間の薬の治療が必要です。治療で病気の勢いが抑えられれば、正常な日常生活が送れます
日常生活の注意
- ステロイドは医師の指示どおりに飲みましょう。自己判断で減らしたりやめたりするのは非常に危険です
- ストレスや感染症で悪くなることがあるので、安定した生活と、手洗い・うがいなどの感染予防を心がけましょう
- 冷式の人は、寒さをさけて保温することが最も有効な予防法です。服や寝具、室温、手足や顔など出ている部分にも気をつけましょう

自己免疫性溶血性貧血は、自分の赤血球を壊す抗体ができて起こる貧血で、だるさや息切れのほか、白目が黄色くなったり、濃い色の尿が出たりすることもあります。治療で病気の勢いが抑えられれば、正常な日常生活が送れます。

メル美白目の色のことも伝えて、貧血の原因をくわしく調べてもらうようにすすめるね。
まとめ
- 自分の赤血球を壊す自己抗体ができて起こる貧血。温式9割・冷式1割
- 10〜30歳の女性と70歳代に多い。全国に約1,300〜1,700人
- だるさ・動悸・息切れ、白目が黄色い、濃い色の尿
- 冷式は寒いと指先・耳たぶが紫色に。保温がいちばんの予防
- 温式はステロイドが効く。自己判断で減らさない。治療で正常な生活に
参考文献
- 難病情報センター. 自己免疫性溶血性貧血(AIHA)(指定難病61)(情報更新日:令和7年12月、特発性造血障害に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/114 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。