
プレ男健診で「貧血」って書いてあった。立ちくらみもないし、男で貧血ってあんまり聞かないから、放っておいていいよね?

メル美わたしも、昔から「ちょっと貧血ぎみ」って言われてる。疲れやすいのは、そのせいなのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 健診シリーズの続きで、今回は貧血の話です。厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」の質問票の解説と、e-ヘルスネットの「鉄」(2025年12月更新)、「若い女性の「やせ」と健康・栄養問題」(2025年6月更新)をもとにまとめました。
「貧血」と「立ちくらみ」は別もの
- 貧血は、ヘモグロビン(血色素)などが減ったり異常があったりして、血液が酸素を運ぶ力が落ちた状態です。検査では、赤血球数・ヘモグロビン値・ヘマトクリット値を見ます
- いわゆる「脳貧血」(急に立ち上がったときなどの立ちくらみ)は、自律神経の反射によるもので、ここでいう貧血とは別のものです
- 体の鉄が足りずに貧血になると、筋肉への酸素が減り、筋力の低下や疲れやすさ、だるさ、爪の変形などが起こります
健診で貧血を調べる理由
- 特定健診では、貧血検査は「詳細な健診」の1つで、貧血といわれたことがある人や、診察で貧血が疑われる人に、医師の判断で行います
- 国内の研究では、地域の健診受診者約6万人を5年間追跡したところ、貧血(ヘモグロビン 男性13.0g/dL未満、女性12.0g/dL未満)は、死亡のリスクが高いことと関連していました。ただし、健診のときに隠れていた病気(血液の病気やがん)が影響している可能性もあるとされています
- 長い目で見ると、貧血をともなう慢性腎臓病(CKD)は、心臓や血管の病気で亡くなるリスクの上昇と関連していました(健診の尿たんぱくとeGFR)

プレ男貧血の裏に、病気が隠れていることもあるんだ…。
貧血の原因
- いちばん多いのは鉄欠乏性貧血で、ふつうは何年も続いていることが多く、鉄やたんぱく質を適量とる食事の指導が必要なことがあります
- 貧血の背景に、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることがあります
- 急に出てきた貧血は、血液の病気や、大腸がんなどの消化管のがんが原因のこともあります

急に出てきた貧血は、血液の病気や大腸がんなど消化管のがんが原因のこともあります。健診で貧血を指摘されたら、とくに男性は放っておかず、医療機関で原因を調べてもらいましょう。
- 大腸がん検診(便潜血検査)についてはがん検診の受け方の記事もどうぞ
鉄のとり方
- 大人の体には約3〜4gの鉄があり、約70%は赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンに、残りは肝臓や骨髄にたくわえられています
- 鉄は、レバー、赤身の肉・魚、小松菜やほうれん草などに多く含まれます
- 肉や魚の「ヘム鉄」は、野菜などの「非ヘム鉄」より吸収がよく、ヘム鉄と一緒にとると非ヘム鉄の吸収もよくなります。動物性たんぱく質やビタミンC(果物など)と一緒にとると吸収しやすくなります
- 月経のある女性は、18〜29歳で1日10.0mg、30〜49歳で10.5mgとると不足のリスクが少ないと考えられていますが、多くの女性で足りていないと指摘されています
- 無理なダイエットや偏った食事は、鉄不足のリスクを高めます
- ふつうの食事で、鉄をとりすぎることはほとんどありません

メル美赤身のお肉や魚に、果物もプラスしよう。プレ男くんは、まず病院で原因を調べてもらってね。
まとめ
- 貧血はヘモグロビンなどが減って酸素を運ぶ力が落ちた状態。立ちくらみ(脳貧血)とは別
- 多いのは鉄欠乏性貧血。子宮筋腫・子宮内膜症が隠れていることも
- 急な貧血は、血液の病気や消化管のがんが原因のことも
- 貧血(男性13.0・女性12.0g/dL未満)は死亡リスクの上昇と関連(国内の研究)
- 鉄は赤身の肉・魚・レバー・青菜から。ビタミンCと一緒に
参考文献
- 厚生労働省. 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版).「詳細な健診」の対象者、標準的な質問票 質問7(貧血)の解説. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001231390.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. 鉄(最終更新日:2025年12月1日). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-022.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. 若い女性の「やせ」と健康・栄養問題(最終更新日:2025年6月16日). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-006.html (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。