
プレ男健診で「尿たんぱく 1+」って書いてあった。疲れてただけかなと思ってるんだけど…。

メル美腎臓の病気って、症状が出にくいって聞くよ。ちゃんと調べたほうがいいんじゃない?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、健診の尿たんぱく・eGFRと慢性腎臓病(CKD)の話です。厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」の「尿蛋白に関するフィードバック文例集」「尿蛋白及び血清クレアチニンに関するフィードバック文例集」をもとにまとめました。
慢性腎臓病(CKD)とは
- 腎臓に障害があるか、腎臓の働きの低下が3か月以上続いている状態です
- ふつう、尿たんぱく陽性などの尿検査の異常、またはeGFR(血液のクレアチニンから計算する腎臓の働き)が60未満の状態が3か月以上続くことで診断します
- 原因の代表は、糖尿病、慢性糸球体腎炎、高血圧です
- 重くなると、透析が必要な末期腎不全に進んだり、脳卒中や心臓病の危険が高くなったりします
- CKDの人は、そうでない人にくらべて、透析が必要になりやすさが10倍以上、脳卒中・心臓病の発症やそれによる死亡の危険が2倍以上とされています。ただし、適切な治療で減らすことができます
- 自覚症状が乏しいので、健診で早く見つけることが大切です
eGFRの見方
- eGFRは、血清クレアチニンと年齢・性別から計算します。低いほど腎臓の働きが落ちています
- 健康な人はおよそ100なので、eGFRの数字は「健康な人にくらべた腎臓の働きの%」と考えるとわかりやすいとされています

プレ男eGFRが60なら、腎臓の働きが健康な人の6割くらいってことなんだ。
健診の判定
尿たんぱくとeGFRの両方がある場合(プログラムの表をもとに作成)
| 尿たんぱく(−) | 尿たんぱく(±) | 尿たんぱく(1+以上) | |
|---|---|---|---|
| eGFR 60以上 | 今後も健診を | 生活習慣の改善を | 医療機関の受診を |
| eGFR 45以上60未満 | 生活習慣の改善を | 生活習慣の改善を | 医療機関の受診を |
| eGFR 45未満 | すぐに医療機関の受診を | すぐに医療機関の受診を | すぐに医療機関の受診を |
(eGFRの単位はmL/分/1.73m²)
- 尿たんぱくだけのときは、陽性(1+/2+/3+)なら医療機関の受診を、弱陽性(±)なら生活習慣の改善を、とされています
- 尿たんぱくは、多いほどCKDが悪くなる可能性が高くなります
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症などがある人は、尿たんぱく±やeGFR 45〜60未満でも、医療機関で詳しい検査を受けましょう
- 40歳未満でeGFRが45〜60未満なら、同年代より腎臓の働きが落ちている可能性があるので、医療機関を受診しましょう
慢性腎臓病の危険因子
- 肥満、メタボリックシンドローム、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症
- 治療中、または治療が必要な高尿酸血症(尿酸値が高い)
- 慢性腎臓病の家族歴、過去の健診での尿たんぱく陽性、65歳以上
- これらは血管に負担をかけて動脈硬化を進めるため、多くの血管が集まっている腎臓も傷みます
予防と、悪くしないためにできること
- 悪化に関係する生活習慣は、食塩のとりすぎ、喫煙、不規則な生活などです
- 減塩(高血圧と塩分)、禁煙、適正なエネルギーの食事と運動で、適正な体重を
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある人は、しっかり治療しましょう(糖尿病の基本)
- そして、来年も健診を受けて、推移を確かめましょう

慢性腎臓病は自覚症状が乏しいので、健診の尿たんぱくやeGFRが大切なサインです。尿たんぱくが陽性、またはeGFRが45未満なら、健診の結果を持って医療機関を受診しましょう。
- 尿に血がまじる(尿潜血)ときはおしっこが赤い・尿潜血の記事もどうぞ

メル美1+なら受診だね。ラーメンのスープを飲みほすのも、少し控えようか。
まとめ
- 慢性腎臓病(CKD)は、尿の異常やeGFR 60未満が3か月以上続く状態。自覚症状が乏しい
- CKDの人は透析が必要になりやすさ10倍以上、脳卒中・心臓病の危険2倍以上。治療で減らせる
- 尿たんぱく1+以上、またはeGFR 45未満は医療機関の受診を
- 尿たんぱく±やeGFR 45〜60未満は生活習慣の改善を(高血圧・糖尿病などがあれば受診を)
- 減塩・禁煙・適正体重、生活習慣病の治療
参考文献
- 厚生労働省 健康・生活衛生局. 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)(令和6年4月). 尿蛋白に関するフィードバック文例集/尿蛋白及び血清クレアチニンに関するフィードバック文例集. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001231390.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。