
メル美最近、すねに赤い点々がたくさん出て、歯みがきで歯ぐきから血が出るの。生理もいつもより多くて止まりにくい気がする。

プレ男出血しやすくなるのって、何かの病気のサインなのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、免疫性血小板減少症(ITP)の話です。難病情報センターの「免疫性血小板減少症」(令和8年1月更新、血液凝固異常症等に関する研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- ほかに血小板が減る原因となる病気や薬がないのに、血小板が減って出血しやすくなる病気です。以前は「特発性血小板減少性紫斑病」と呼ばれていました
- 血小板に対する自己抗体ができ、脾臓で血小板が壊されるために減ると推定されています
- 血小板が10万/μL未満に減ったときに、この病気が疑われます
- 6か月以内に回復する急性型は子どもに多く、6か月以上続く慢性型は大人に多い傾向があります
どんな人に多い?
- 患者さんは約2万人で、毎年約3,000人が新たにかかると考えられています
- 20〜40歳代の女性に発症のピークがあり、この年代では女性が男性の約3倍です。60〜80歳にもピークがあり、高齢の人では男女差はありません
- 遺伝する病気ではありません
症状
血小板は出血を止めるための大切な細胞なので、減ると出血しやすく、止まりにくくなります。
- 皮膚の点状・斑状の出血
- 歯ぐきからの出血、口の中の出血
- 鼻血
- 便に血がまじる、黒い便
- 尿に血がまじり紅茶のような色になる
- 生理の出血が多い・止まりにくい
- 重いと脳出血
※どの症状も、この病気だけに出るものではありません

プレ男点々のあざ、歯ぐきの出血、生理が止まりにくい…メル美の症状は、血小板が減ったときの症状にも当てはまるんだ。
治療
- ピロリ菌が陽性なら、まず除菌を行います。除菌で半数以上の人で血小板が増えることがわかっています
- 除菌の効果がない人やピロリ菌が陰性の人は、血小板の数と出血の症状によって、治療するかどうかを決めます
- 治療の目標は、血小板を正常に戻すことではなく、危険な出血を防ぎ、生活の質を上げることです
- 血小板が3万/μL以上で出血が軽ければ、治療せずに様子をみます
- 2万/μL以下は治療の対象、2〜3万/μLは出血のリスクに応じて判断します
- 治療の第一選択はステロイドです。効かないときなどは、血小板をつくるのを促す薬、自己抗体をつくるリンパ球を減らす薬、脾臓をとる手術などから、年齢やライフスタイルを考えて選びます
- 重い出血があるときや、手術・出産のときには、免疫グロブリンの大量点滴や血小板輸血を行うことがあります
経過
- 子どもの多くは急性型で、6〜12か月以内に自然に回復することが多いです
- 大人の多くは慢性型で、ステロイドで治るのは20%程度です。脾臓をとる手術で約60%は薬をやめても血小板が保てるようになります。長く治療を続けることも少なくありません
日常生活の注意
- かぜなどのウイルス感染やワクチンをきっかけに出血が悪くなることがあるので、出血が増えたら主治医に連絡しましょう
- 痛み止めや熱さましには血小板の働きを弱める成分が入っているものが多いので、使ってよいか主治医に確認しましょう
- 血小板の数だけでなく、皮膚の点状の出血が増えていないか、口の中に血のかたまりができていないかを、自分でも観察しましょう

免疫性血小板減少症は、20〜40歳代の女性に多い病気で、ピロリ菌が陽性なら除菌で半数以上の人の血小板が増えます。痛み止めや熱さましには血小板の働きを弱めるものが多いので、使ってよいか主治医に確認しましょう。
- ぶつけていないのに出る紫斑のほかの原因は紫斑と血管炎、HIVにともなうものはHIVで血小板が減ることがあるの記事もどうぞ

メル美血液検査で血小板の数を調べてもらうね。痛み止めを飲む前にも相談しよう。
まとめ
- 血小板が自己抗体で壊され、出血しやすくなる病気
- 20〜40歳代の女性と60〜80歳に多い。約2万人
- 点状のあざ・歯ぐきの出血・鼻血・黒い便・生理が止まりにくい
- ピロリ菌陽性なら除菌で半数以上が改善。第一選択はステロイド
- 痛み止め・熱さましは主治医に確認してから
参考文献
- 難病情報センター. 免疫性血小板減少症(指定難病63)(情報更新日:令和8年1月、血液凝固異常症等に関する研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/157 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。