HIVで血小板が減ることがある(HIV関連血小板減少性紫斑病):免疫が比較的保たれている時期に起こることが多く、血小板がかなり減っても出血の症状が少ないことも。多くは抗HIV療法で数か月かけてよくなる
HIVに関連して、血を止める働きをもつ血小板が減ることがあります。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2022年)によると、HIV関連血小板減少性紫斑病(HIV-ITP)は、CD4数が比較的保たれた時期(300〜600)に、血小板だけが減る形で起こることが多く、数か月から年単位でゆっくり減るため、かなり減っていても出血の症状が少ないことがあります。ほかの原因を除いて診断します。血小板が3万以上で出血がなければ、抗HIV療法で多くがよくなりますが、回復には数か月かかります。

プレ男HIVで治療を始める前の知り合いが、「血小板が少ない」って言われたんだって。HIVと血小板って関係あるの?

メル美血小板って、血を止める働きをするものだよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVに関連して血小板が減る病気の話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の「HIV関連血小板減少性紫斑病(HIV-ITP)」(2022年9月29日更新)をもとにまとめました。
なぜ血小板が減るの?
ACCの手引きによると、
- HIV関連血小板減少性紫斑病(HIV-ITP)は、HIVの感染で骨髄で血小板がつくられにくくなることに、血小板に対する抗体で血小板がこわされることが加わって起こると考えられています
- HIVのたんぱく質と血小板が、免疫のうえで似ている部分があり、そのことが関係していると考えられています
どんな特徴がある?
ACCの手引きによると、
- ほかのHIV関連の病気とくらべて、CD4数が比較的保たれている時期(300〜600)に、血小板だけが減る形で起こることが多いとされています
- 数か月から年単位でゆっくり減るためか、診断のときに血小板が1万前後までかなり減っていても、出血の症状(点状の出血、皮下出血など)が少ないか、まったくないことが多いとされています
- HIVが進んだ時期に起こることもあり、そのときはほかの血球も減っていることが多いので、見のがさないよう血球の数の動きに注意が必要です
- まれに、抗HIV療法を始めたあとの免疫再構築症候群として起こることもあります
CD4数ごとに起こりやすい病気については、HIVの「CD4数」でわかることを見てください。

血小板がかなり減っていても、症状がないことがあります。HIVの治療中や治療を始める前は、血液検査の結果を主治医と一緒に確認しましょう。あざができやすい、出血が止まりにくいときは、すぐに伝えてください。
診断
ACCの手引きによると、
- ほかの感染症、がん、薬の影響など、血小板が減るほかの原因を除いてはじめて、HIV-ITPと診断できます
- 血小板に対する抗体の検査は、多くの患者さんで上がりますが、診断にはあまり役に立たないとされています
治療
ACCの手引きによると、
- 血小板が約3万以上で出血がない、抗HIV療法を受けていない人では、抗HIV療法そのものが治療になり、多くの人でよくなります。ただし、血小板の回復には数か月かかります
- 血小板が3万以下の人や、出血している人では、急いで血小板を増やすために、ステロイドや免疫グロブリン製剤などを使うことがあります。免疫グロブリン製剤の効果は一時的(3週間ほど)で、抗HIV療法で血小板が回復するまでのつなぎと考えられています
治療の始め方については、HIVの治療はいつ始める?を見てください。
まとめ
- HIVに関連して、血小板が減ることがある(HIV-ITP)
- CD4数が比較的保たれた時期に、血小板だけが減ることが多い
- かなり減っても出血の症状が少ないことがある
- ほかの原因を除いて診断する
- 多くは抗HIV療法で数か月かけて回復。重いときはステロイドや免疫グロブリンも
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:HIV関連血小板減少性紫斑病(HIV-ITP)(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part2/no38.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
