病気の解説2026年10月10日

梅毒は治っても、またかかる:一度かかっても免疫はできず、パートナーが治療していなければ再感染も。治療後も抗体は陽性のままのことがあるので、再感染を見つけるには「数値(定量)」の検査が必要。パートナーも一緒に検査と治療を

「一度梅毒になったから、もうかからない」——そうではありません。厚生労働省の梅毒Q&Aによると、梅毒が完治しても、新たな感染を予防できるわけではなく、コンドームの使用やパートナーの治療などの対策がとられていなければ、再び梅毒にかかる可能性があります。日本性感染症学会の「梅毒診療の基本知識」は、梅毒にかかったことがある人は、抗体陽性を知っているからと検査を受けないことがあるが、再感染していないか調べるために数値(定量)の検査が必要だとしています。米国CDCは、診断前90日以内に性的接触があったパートナーは、検査が陰性でも治療するようにすすめています。

目次
  1. 治っても、またかかる
  2. パートナーも一緒に検査と治療を
  3. 前にかかった人の検査は「数値」が大事
  4. 治療後の経過をみる
  5. くり返さないために
  6. まとめ

プレ男前に梅毒になって治療したんだ。一度かかったから、もう免疫ができてかからないよね?

メル美はしかみたいに、一度かかったら大丈夫……ってわけじゃないのかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、梅毒の再感染の話です。厚生労働省の「梅毒に関するQ&A」、日本性感染症学会の「梅毒診療の基本知識」、国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き、米国CDCの「性感染症治療ガイドライン2021」をもとにまとめました。梅毒そのものについては梅毒を見てください。

治っても、またかかる

厚生労働省の梅毒Q&Aは、「一度梅毒になったので、もうかからないと考えてよいですか?」という質問に、

と答えています。

プレ男えっ、治っても予防にはならないんだ……!パートナーが治療してなかったら、またうつっちゃうかもしれないんだね。

パートナーも一緒に検査と治療を

パートナーへの伝え方や、治療後のセックスの再開については、性感染症の治療中、セックスはいつから?も見てください。

自分だけ治療しても、パートナーが治療していなければ、またうつしあってしまいます。パートナーと一緒に検査と治療を受けることが、くり返さないためのいちばんの近道です。

前にかかった人の検査は「数値」が大事

梅毒の血液検査には、TP抗体などの検査(トレポネーマ抗体)と、RPRなどの検査(非トレポネーマ抗体)があります(梅毒の血液検査の見方)。

治療後の経過をみる

(更新)国立感染症研究所のIASR(2023年)で、2021年に診断された例を確認しました。届出で過去の治療歴が「なし」と報告されたのは、男女とも約60%(男性3,062/5,261例、女性1,692/2,717例)でした。残りには治療歴「あり」と「不明」がふくまれ、「あり」だけの割合は記事にのっていないため、最新の値とあわせて引き続き確認していません

くり返さないために

まとめ


参考文献

  1. 厚生労働省. 梅毒に関するQ&A(最終更新日:2022年11月22日). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 日本性感染症学会「梅毒診療の基本知識」作成ワーキンググループ. 梅毒診療の基本知識(PDF). https://jssti.jp/pdf/syphilis-medical_basicknowledge.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  3. 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:梅毒(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part2/no20.html (閲覧日:2026年10月10日)
  4. Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1–187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月10日)
  5. 国立感染症研究所. 感染症発生動向調査における近年の梅毒の動向 ―2023年第1週~第39週診断例を中心に―(IASR 44(12), 2023). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/44/526/article/100/index.html (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。