基礎知識2026年10月4日

梅毒の血液検査の見方:「RPR」と「TP抗体」の2種類。TP抗体は治ったあとも陽性のまま残ることが多く、RPRは治療で下がる。組み合わせで「今の感染」「過去の感染」「偽陽性」を見分ける

梅毒の検査結果に書かれた「RPR」「TP抗体(TPLA)」。国立健康危機管理研究機構によると、梅毒の血液検査には、治療で下がる「RPRなど(カルジオリピンに対する抗体)」と、治ったあとも陽性が続きやすい「TP抗体(トレポネーマに対する抗体)」の2種類があり、組み合わせて判断します。RPRは梅毒以外でも陽性になる「生物学的偽陽性」もあります。結果の組み合わせの意味、治療後の下がり方の目安、くり返しの検査で気をつけることをまとめました。

目次
  1. 梅毒の血液検査は2種類
  2. 組み合わせの読み方(おおまかな目安)
  3. 治療のあとは「RPRの下がり方」を見る
  4. 検査を受けるタイミング
  5. 陽性だったら
  6. まとめ

プレ男梅毒の検査結果に「RPR陰性、TP抗体陽性」って書いてあった。陽性なの?陰性なの?

メル美2つあると、どう読めばいいのか迷っちゃうよね。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、梅毒の血液検査の結果の見方の話です。梅毒の検査は2種類の抗体を組み合わせて判断するので、片方だけ見ると誤解しやすいんです。国立健康危機管理研究機構と米国CDCの資料をもとにまとめました。最終的な判断は、検査をした医師に確認してください。

梅毒の血液検査は2種類

RPRなど(非トレポネーマ検査) TP抗体(トレポネーマ検査)
何を見る? カルジオリピンという脂質に対する抗体 梅毒の菌(トレポネーマ)そのものに対する抗体
検査の名前の例 RPR、VDRL、自動化法 TPHA、TPLA、FTA-ABS
感染してから 先に上がる そのあとに上がる
治療すると 下がる(治療の効果を見るのに使う) 少しずつ下がるが、陽性が続くことが多い
弱点 梅毒でなくても陽性になる「生物学的偽陽性」がある 過去にかかったことがあると陽性が残るので、今の感染か過去の感染か区別しにくい

出典:国立健康危機管理研究機構「梅毒とは」、CDC性感染症治療ガイドライン2021

組み合わせの読み方(おおまかな目安)

RPRなど TP抗体 考えられること
陰性 陰性 梅毒ではない。または感染してまだ間もない(抗体が上がる前)
陽性 陽性 今の感染(治療が必要)の可能性が高い。治療ずみの人では、再感染や治療後の値のこともある
陰性 陽性 過去にかかって治ったことが多い。ごく初期の感染や、TP抗体の偽陽性のことも
陽性 陰性 生物学的偽陽性のことが多い。ごく初期の感染(TP抗体が上がる前)のことも

この表は一般的な目安です。症状、時期、過去の治療歴などとあわせて、医師が判断します

プレ男オレの「RPR陰性・TP抗体陽性」は、昔かかって治ったあとのことが多いのか。前に治療したこと、先生に言わないと。

「生物学的偽陽性」って?

TP抗体は「一生陽性」のことが多い

症状がないのにTP抗体が陽性のとき

治療のあとは「RPRの下がり方」を見る

梅毒の検査は、RPRとTP抗体の組み合わせで読みます。治療の効果はRPRの下がり方で見るので、治療後も同じ方法で検査を続けてください。

検査を受けるタイミング

陽性だったら

血液検査がまだ陰性の早い時期に、ただれから菌の遺伝子を調べる方法については、梅毒のPCR検査にまとめています。

前に梅毒にかかったことがある人の再感染の調べ方については、梅毒は治っても、またかかるにまとめています。

検査で弱い陽性がずっと続くときのことは、梅毒の検査で「弱い陽性」がずっと続くにまとめています。

症状がないのに梅毒と言われたときのことは、症状がないのに梅毒(無症候梅毒)にまとめています。

まとめ


参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構. 梅毒とは(病原診断・治療). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/syphilis/detail/index.html (閲覧日:2026年10月4日)
  2. Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Syphilis(Diagnostic Considerations). MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月4日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。