病気の解説2026年10月10日

梅毒のPCR検査:血液検査がまだ陰性の早い時期でも、しこりやただれから菌の遺伝子を見つけられることがある。ただし実施できる場所は限られ保険外(2026年現在)。受診前に塗り薬や抗菌薬を使うと見つからなくなるので、そのまま受診を

梅毒の診断は血液検査が基本ですが、感染してすぐは血液検査が陰性のことがあります。国立健康危機管理研究機構のIASRの報告(2023年12月)によると、しこりやただれ(皮膚・粘膜の病変)をぬぐって梅毒の菌の遺伝子を調べる「PCR検査」で、血液検査がどちらも陰性の第1期梅毒が見つかった例が、PCR陽性の第1期梅毒の25%ありました。ただし、PCR検査は一部の研究機関で試験的に行われているだけで保険がきかず、陰性でも梅毒でないとは言えません。受診前に塗り薬や抗菌薬を使うと、典型的な病変でもほぼ見つからなくなります。

目次
  1. 梅毒の診断は、血液検査が基本
  2. PCR検査とは
  3. 血液検査が陰性の、早い梅毒が見つかることも
  4. PCRが陰性でも、梅毒でないとは言えない
  5. 受診の前に、薬を塗ったり飲んだりしない
  6. まとめ

プレ男陰部に痛くないただれができたんだ。梅毒が心配で血液検査を受けたら「陰性」だったけど、本当に大丈夫なのかな。

メル美うつってすぐだと、血液検査では見つからないことがあるって聞いたよ。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、梅毒のPCR検査の話です。国立健康危機管理研究機構のIASR「実臨床における梅毒PCR法について」(2023年12月、2024年1月一部改訂)をもとにまとめました。梅毒の血液検査については、梅毒の血液検査の見方を見てください。

梅毒の診断は、血液検査が基本

IASRの報告によると、

PCR検査とは

血液検査が陰性の、早い梅毒が見つかることも

ある医療機関と国立感染症研究所の共同研究(2012〜2018年、梅毒が疑われ病変から検体をとった257人)では、

メル美血液検査が陰性でも、早い梅毒のことがあるんだね。だから、しばらくしてからもう一度血液検査をするのが大事なんだ。

PCRが陰性でも、梅毒でないとは言えない

報告によると、

受診の前に、薬を塗ったり飲んだりしない

陰部や口のただれに、自己判断で塗り薬を塗ったり、手持ちの抗菌薬を飲んだりすると、梅毒の診断がむずかしくなります。気になるただれがあるときは、そのまま受診してください。

まとめ


参考文献

  1. 井戸田一朗, 加藤康幸. 実臨床における梅毒PCR法について. IASR 44: 193-194, 2023(2023年12月25日公開、2024年1月4日一部改訂). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol44/526/526r04.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 余田敬子. 口腔・咽頭梅毒の臨床像と診断のピットフォール. IASR 44: 192-193, 2023. https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol44/526/526r03.html (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。