症状がないのに梅毒(無症候梅毒):2025年に届け出られた、異性間の感染の女性の約35%は症状がない段階で見つかった。第1期のしこりやただれに気づかないまま進むことも。症状がなくても検査で見つかる
梅毒は、症状がないまま見つかることも少なくありません。厚生労働省の届出基準によると、梅毒は第1期(感染から3〜6週間後のしこりやただれ)、第2期(約3か月後の発疹など)、晩期と進み、感染していても症状がない人もいます。国立健康危機管理研究機構の届出の概要(2026年4月1日現在)をもとに2025年の4つの四半期を合計すると、異性間の感染の女性3,788件のうち約35%(1,322件)が症状のない「無症候」でした。異性間の感染の男性では約13%、男性同士の感染では約33%でした。症状がなくても、血液検査で梅毒が見つかります。

メル美妊婦健診の血液検査で梅毒がわかった人がいるって聞いたの。症状は何もなかったんだって。

プレ男症状がなくても梅毒ってあるの?それって、気づきようがないよね……。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、症状がないのに梅毒と言われるとき(無症候梅毒)の話です。厚生労働省の「感染症法に基づく医師の届出のお願い」の「梅毒」と、国立健康危機管理研究機構の「感染症発生動向調査で届け出られた梅毒の概要(2026年4月1日現在)」をもとにまとめました。梅毒の基本は梅毒ってどんな病気?を見てください。
梅毒の進み方と「無症候」
厚生労働省の届出基準によると、
- 第1期:感染から3〜6週間の潜伏期のあと、感染したところにしこりやただれ、痛みのない足のつけ根のリンパ節の腫れが出ます
- 第2期:感染から3か月ほどで、皮膚や粘膜に梅毒特有の発疹(バラ疹など)が出ます
- 晩期:感染から3年以上たつと、ゴム腫や、心臓・血管、神経、目の症状が出ることがあります
- 感染していても、症状がみられない人もいます
症状がなく、血液検査で一定以上の抗体(カルジオリピンを使う検査で16倍以上など)がある人は「無症状病原体保有者(無症候)」として届け出られます(過去にかかって治った「陳旧性梅毒」とみなされる人はのぞきます)。
女性の約35%は「無症候」で見つかっている
届出の概要の病型の表から、2025年の4つの四半期を合計すると、次のとおりです。
| 感染経路 | 届出 | 第1期 | 第2期 | 無症候 | 晩期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 異性間の女性 | 3,788件 | 24.1% | 40.5% | 34.9% | 0.5% |
| 異性間の男性 | 5,220件 | 61.8% | 23.8% | 13.4% | 1.0% |
| 男性同士 | 1,197件 | 29.8% | 36.0% | 32.6% | 1.6% |
- 異性間の感染の女性では、約35%が症状のない段階で見つかっていて、第1期で見つかったのは約24%でした
- 異性間の感染の男性では、約6割が第1期で見つかっていました

梅毒は、症状がないまま見つかることも少なくありません。症状がなくても、血液検査で見つかります。心当たりがあれば、検査を受けてください。

プレ男女性は、第1期のしこりやただれに気づかないまま進むこともあるのかもしれないね。症状がないから大丈夫、とは言えないんだ。
(更新)女性に限った説明ではありませんが、WHOのファクトシート「Syphilis」(2025年5月29日)では、梅毒の多くの人は症状に気づかず、医療者にも見落とされることがあるとされています。第1期には、痛みのない、ふつう硬いただれ(下疳)が性器や肛門などにできますが、気づかれないことがあるとしています。女性で第1期の発見が少ない理由そのものは、このファクトシートにも書かれておらず、確認していません。
症状がなくても、検査で見つかる
- 梅毒は、血液検査で見つかります。結果の見方は梅毒の血液検査の見方を見てください
- 症状がなくても、パートナーが梅毒と診断されたときなどは、検査を受けてください
- 性風俗の利用歴・従事歴と梅毒の届出の数字は、梅毒の届出と性風俗のデータ(2025年〜2026年第1四半期)を見てください
まとめ
- 梅毒は第1期→第2期→晩期と進み、症状がない人もいる
- 2025年の届出では、異性間の感染の女性の約35%が無症候で見つかった
- 異性間の感染の男性は約6割が第1期で見つかった
- 症状がなくても、血液検査で見つかる
- パートナーが梅毒と診断されたときなどは、症状がなくても検査を
参考文献
- 厚生労働省. 感染症法に基づく医師の届出のお願い「梅毒」. https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-11.html (閲覧日:2026年10月12日)
- 国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所. 感染症発生動向調査で届け出られた梅毒の概要(2026年4月1日現在、PDF)表4 病型の分布:四半期毎. https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idss/target-diseases/syphilis/notification/syphilis2026q1.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- World Health Organization. Syphilis(Fact sheet, 29 May 2025). https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/syphilis (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
