
メル美バセドウ病で治療中のいとこが、最近「目が出てきた気がする」「まぶたが腫れてる」って気にしてるの。

プレ男甲状腺の病気なのに、目にも出るんだ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、甲状腺眼症(こうじょうせんがんしょう)の話です。日本眼科学会の病気の解説「甲状腺眼症」(監修:日本眼形成再建外科学会)をもとにまとめました。バセドウ病そのものについてはバセドウ病の記事にまとめています。
どんな病気?
- 「バセドウ病眼症」とも呼ばれる、バセドウ病でみられる目の症状です。ただし、甲状腺の働きが正常や低下しているときにも目に症状が出るため、「甲状腺眼症」という名前が一般的に使われます
- 自己免疫の病気です。体の免疫が自分の「甲状腺刺激ホルモン受容体」を標的にしてしまい、目のまわりで炎症が起こる、脂肪が増える、組織が硬くなるなどが起こります
- 週・月の単位で悪くなり、ピークを過ぎると自然におさまります(早くて半年、長いと数年)。問題は、一部の症状が残ってしまうことで、症状が重いほど残りやすい傾向があります
症状
- 炎症による症状:目の奥の不快感、目を動かすときの痛み、まぶたが赤くむくむ、白目の充血、涙が出る、見えにくい。経過とともにおさまっていきます
- 残りやすい症状:まぶたが腫れる、目を見開いたようになる(眼瞼後退)、目が出る(眼球突出)、目を動かしにくい、ものが二重に見える(複視)
- 最も重いと失明することがあり、緊急の対応が必要です
- 見え方だけでなく、見た目の変化で人目が気になるなど、心理的・社会的な影響も大きな問題です

メル美甲状腺の数値が正常でも、目に出ることがあるんだ。
診断と治療
- 血液検査で甲状腺刺激ホルモン受容体抗体を調べ、MRIで目のまわりの炎症や脂肪・筋肉の変化を評価します
- 治療の第一歩は、甲状腺の働きを正常に保つ(低下させない)ことと、禁煙です
- 症状には大きな個人差があり、おさまるまで経過を見ることも選択肢のひとつです
- 炎症には、ステロイドの大量投与(目のまわりへの注射、または点滴)が基本で、放射線治療も補助的に期待できます。近年はテプロツムマブという生物学的製剤(点滴)も登場し、高い治療効果が示されています
- 炎症がおさまったあとのまぶたの異常、斜視、眼球突出には手術を行います。こうした特殊な手術を行う医療機関は限られます

甲状腺眼症の治療の第一歩は、甲状腺の働きを正常に保つことと、禁煙です。甲状腺の働きが正常なときにも、目に症状が出ることがあります。

プレ男いとこには、目の変化を主治医に伝えてもらおう。たばこを吸ってるなら、やめるのが第一歩なんだね。
まとめ
- 甲状腺眼症はバセドウ病でみられる自己免疫の目の病気。甲状腺の働きが正常でも起こる
- まぶたの腫れ・眼球突出・ものが二重・充血・涙など
- 悪くなったあと半年〜数年でおさまるが、一部の症状は残ることも。最も重いと失明
- 治療の第一歩は甲状腺の管理と禁煙
- ステロイド・生物学的製剤・放射線・手術などの治療がある
参考文献
- 日本眼科学会(監修:日本眼形成再建外科学会). 病気の解説「甲状腺眼症」. https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=30 (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。