
メル美最近、ちゃんと食べてるのに体重が減って、ドキドキするし、汗もすごいの。生理も遅れてる…。ストレスかな。

プレ男食べてるのにやせるって、ちょっと心配だよ。一度病院で調べてもらおう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、バセドウ病の話です。日本内分泌学会の一般向け情報をもとにまとめました。
どんな病気?
- 甲状腺ホルモンは、全身の臓器に働いて代謝をつかさどる大切なホルモンです。甲状腺はのどぼとけのすぐ下にあります
- バセドウ病は、この甲状腺ホルモンが出すぎる病気(甲状腺機能亢進症)の代表です
- 人口1,000人あたり0.2〜3.2人と報告され、20〜30代の若い女性に多く、男女比は1対3〜5くらいとされます
原因
- 自己免疫の病気の一つです。甲状腺を刺激する受容体に対する抗体が体の中で作られ、甲状腺を刺激し続けることで、ホルモンが出すぎてしまいます
- なりやすい体質は遺伝し、家族にバセドウ病の人がいると、一般の人の20〜40倍くらいなりやすいとされます。ただし、環境の要因が加わってはじめて発病します
症状
- 動悸、体重が減る、指のふるえ、暑がり、汗かき
- 疲れやすい、軟便・下痢、筋力の低下、イライラ・落ち着きのなさ
- 女性では生理が止まることがあります
- 甲状腺が全体に大きく腫れる、目がとび出る・目が完全に閉じないなどの目の症状が出ることも
- 炭水化物の多い食事や運動のあとに、手足が突然動かなくなる発作が起こることもあります

メル美動悸や汗、イライラって、ストレスのせいだと思いこんじゃいそう。
どこで、どんな検査?
- 気になる症状があれば、まずは内科で相談を。甲状腺をくわしくみるのは内分泌内科や甲状腺の専門外来です。日本甲状腺学会のサイトでは、地域ごとの認定専門医や認定専門医施設を探せます
- 診断では、血液検査で次のようなものを調べます(日本甲状腺学会のガイドライン)
- 甲状腺ホルモン(遊離T4・遊離T3)が高い
- 甲状腺をはたらかせる指令のホルモン(TSH)が低い
- バセドウ病の原因になる自己抗体(TRAbまたはTSAb)が陽性
- 必要に応じて、甲状腺の検査(放射性ヨウ素などの取りこみ、シンチグラフィ)も行われます
治療は3つ
| 治療 | 特徴 |
|---|---|
| 薬(抗甲状腺薬) | 外来で始められ、多くは第1選択。副作用の可能性や、やめたあとの再発が多いのが欠点。2年以上続けてもやめる目途が立たなければ、ほかの治療を検討 |
| 放射性ヨウ素内用療法 | 安全で効果が確実。甲状腺の腫れも小さくなる。実施できる施設が限られる、目の症状が悪化することがある、子ども・妊娠中・授乳中はできない |
| 手術(甲状腺をとる) | 最も早く確実。入院が必要、傷あとが残る、合併症のリスクがある |
- 放射性ヨウ素や手術のあとは、甲状腺ホルモンの薬を飲み続けることが必要になる場合があります
- 治療をしないと、長い目で見て心房細動や心不全、骨折などのリスクが高くなるため、いずれかの治療が必要です
日常で気をつけること
- ストレスで悪化・再発することがあるので、なるべく避けて、規則正しい生活を
- ホルモンが高い時期に大けがや手術を受けると、甲状腺クリーゼという危険な状態になることがあります。手術などは、なるべくホルモンが正常になってから
- たばこを吸うと、薬が効きにくく、目の症状も悪化しやすいので、禁煙しましょう(禁煙のタイムライン)

食べているのにやせる、動悸や汗、手のふるえが続くときは、バセドウ病のこともあります。20〜30代の女性に多い病気なので、気になったら受診しましょう。
まとめ
- バセドウ病は甲状腺ホルモンが出すぎる病気。20〜30代の女性に多い
- 動悸・体重減少・ふるえ・暑がり・汗、生理が止まる、首の腫れ・目の症状
- 治療は薬・放射性ヨウ素・手術の3つ
- 放っておくと心房細動・骨折などのリスク。禁煙と規則正しい生活を
参考文献
- 一般社団法人日本内分泌学会. バセドウ病(一般の皆様へ)(2019年11月4日更新). https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=40 (閲覧日:2026年9月29日)
- 日本甲状腺学会. 甲状腺疾患診断ガイドライン2024(バセドウ病の診断ガイドライン、2024年11月21日改定). https://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html (閲覧日:2026年9月30日)
- 日本甲状腺学会. 認定専門医名簿/認定専門医施設名簿. https://www.japanthyroid.jp/public/specialist/map.html https://www.japanthyroid.jp/public/facilities/map.html (閲覧日:2026年9月30日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。