
メル美後輩が、ダイエットとランニングをがんばってたら、半年くらい生理が来てないんだって。「来ないほうがラク」って笑ってたけど…。

プレ男生理が止まるって、体からのサインじゃないのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、体重が減ったり、運動をがんばったりして生理が止まることの話です。日本産科婦人科学会が2024年に作った説明資料をもとにまとめました。日本の若い女性の「やせ」のデータは、20〜30代女性のやせの記事にあります。
体の中で、なにが起きている?
- ふだんは、脳から卵巣へ「卵子を育てて、女性ホルモンを出しなさい」という指示が出ています
- ところが体重が十分でないと、脳は生理や妊娠が起きないようにするため、卵巣への指示をお休みします。そのため生理が止まります
- 学会は、これを「命に関わるかもしれない」と脳が判断した状態と説明しています
やせていなくても止まる:運動とエネルギー不足
- 食事でとるエネルギーから、運動で使うエネルギーを引いたものを「利用可能エネルギー」といいます
- これが足りないと、やせていなくても、女性ホルモンを出させるホルモンが減り、生理不順や無生理になることがあります。初経が来ないこともあります
- 利用可能エネルギー不足、生理が止まること、骨粗しょう症は、女性アスリートの「三主徴」と呼ばれ、長距離走などの持久系や、新体操などの審美系の競技で多くみられます
- 国際オリンピック委員会は、スポーツでのエネルギー不足(REDs)に警鐘を鳴らしていて、女性では無月経がそのサインになります

メル美やせてなくても、食べる量より運動が多いと止まることがあるんだ。
部活やスポーツと生理(プール、試合と生理が重なるとき)については、部活・スポーツと生理の記事にまとめています。
生理が止まる以外に起きること
女性ホルモンが少ない状態が続くと、
- 寒がりになる、便秘になる、髪が抜けやすくなる
- 不妊症になる、妊娠しても赤ちゃんが小さくなる
- 骨が弱くなり、骨折しやすくなる(骨粗しょう症)
骨は「10代」が勝負
- 骨の量を増やせるのは成長期の思春期。その後は横ばいで、更年期以降は急に減ります
- 思春期に十分な骨の量をたくわえられないと、骨粗しょう症になる時期が早まるおそれがあります
- 10代に必要なのは、適切な栄養と運動、そして女性ホルモンです
将来の妊娠・出産にも
- 妊娠前のやせは、早産、低出生体重児(2,500g未満)・胎児発育不全、妊娠中の貧血などのリスクを高めることがわかっています(早産)
- 学会は、BMI 18.5以上25.0未満を目安に、3食しっかり(主食・主菜・副菜)をとり、妊娠を考える前から体づくりをすることを勧めています
生理を戻すには
- まずは以前の体重にもどすことを考えましょう。スポーツをしている人は、運動量と食事のバランスを見直します
- 脳が「生理を起こしても大丈夫」と判断すると、しばらくして生理も戻る可能性が高いとされています
- 学会は、アスリートでは、ピルなどで出血を起こすのではなく、自分のホルモンの分泌を増やして生理を起こす必要があり、そのためにエネルギー摂取を増やす(とくに炭水化物を中心に)ことを勧めています
- どれくらい食べればよいかは、医師・看護師・栄養士に相談しましょう。骨密度の検査で今の骨の状態を知ることもできます

プレ男「来なくてラク」じゃなくて、体からのSOSなんだね。後輩に、婦人科に行くようにすすめてみよう。
「食べること」が頭から離れないときは
- 「食事がとれない」「体重のことが頭から離れない」「まわりに『やせすぎ』と言われても、もっとやせなきゃと思ってしまう」——そんなときは、摂食障害(摂食症)の可能性があります
- 学会の資料によると、摂食障害には神経性やせ症、神経性過食症などがあり、100人に約3人がなるとされます。低体重が続くと、脳や骨、心臓などに影響が出ることもあります
- 治療には、体の治療と心の治療の両方が必要です。まずは近くの医師に相談してみましょう
- まわりの人は、体型や食べる量を責めないことが大切です

体重が減ったり運動をがんばったりして生理が止まるのは、体からのサインです。骨や将来の妊娠にも関わるので、婦人科に相談しましょう。
まとめ
- 体重が足りないと、脳が卵巣への指示を休ませて生理が止まる
- やせていなくても、運動に対してエネルギーが足りないと止まる
- 続くと骨粗しょう症、不妊、将来の早産・低出生体重児のリスクに
- まず体重と食事をもどす。アスリートはエネルギー摂取を増やす
- 食事や体重が頭から離れないときは、摂食障害の可能性も。医師に相談を
参考文献
- 公益社団法人日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会. 体重減少性無月経および摂食障害に関する資料(2024年11月). https://www.jsog.or.jp/citizen/8648/ (閲覧日:2026年9月29日)
- 同. ① 体重減少性無月経とは. https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/whc202411-1.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- 同. ② 運動による月経不順. https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/whc202411-2.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- 同. ③ 妊娠・出産への影響. https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/whc202411-3.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- 同. ④ 将来への影響. https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/whc202411-4.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- 同. ⑤ 摂食障害(摂食症)とは. https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/whc202411-5.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。