
プレ男外回りでゲリラ豪雨。乾いたら、ズボンのピシッとした折り目が消えてた…。

メル美雨で折り目が消えちゃうの?どうしてだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 スーツのズボンのセンタープリーツ(折り目)は、きちんと感を出してくれます。今回は、折り目ができるしくみと、消えてしまう理由を、東京都クリーニング生活衛生同業組合の「プリーツ(折り目)のメカニズムとは」をもとにまとめました。
雨でぬれると、折り目がリセットされる
- ウールは、もともと水に弱い繊維といわれています
- 雨がウールの生地にしみこむと、折り目の形が一度リセットされます
- 本当は、乾く前に折り目をととのえて、そのまま完全に乾かせば折り目は残るのですが、外出中にそれをするのはむずかしい、とされています
アイロンの折り目は「水素結合」でできている
折り目のつけ方は、おもに3つあります。
- プレス(熱)仕上げだけ
- シロセット加工
- リントラク加工
プレス(熱)仕上げのしくみ
- ウールや綿の分子の一部は、酸素原子と水素原子のあいだで「水素結合」という結びつきをしています
- 水素結合は、水の中では切れてしまい、乾くとまた結びつきます
- この性質を利用して、一度わざと水分で結びつきを切り、アイロンの熱で水分を飛ばしながら、また結びつく力で折り目をつけます。わざとシワをつけるイメージです
- 家でアイロンをかけてもすぐ折り目があまくなる理由のひとつは、アイロンをかける前に与える水分の量だと考えられています
どれくらいの水分が必要?
繊維には、気温20度・湿度65%のときに吸う水分の量を公式に決めた「公定水分率」があります。
| 繊維 | 公定水分率 |
|---|---|
| ウール(羊毛) | 15% |
| 綿 | 8.5% |
| ポリエステル | 0.4% |
この公定水分率より多い水分を与えることで、水素結合による折り目の効果が得られる、とされています。

プレ男水でほどけて、乾くと結びつく。だから雨で消えて、アイロンでつけられるのか。
雨にぬれても戻る「シロセット加工」
- シロセット加工は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で開発された技術で、髪にパーマをかける原理を使ったウール製品の加工です
- 水の影響を受けにくい「シスチン結合」という結びつきでも折り目の形を保つので、ぬれて水素結合が切れても、形が残ります
- ウール100%や、ウールを多く含む製品に向いています
- 雨にぬれて折り目があまくなっても、たっぷり霧を吹いてハンガーにつるしておくだけで、折り目が戻るとされています
- ドライクリーニングや水洗いのあとも長持ちし、効果はワンシーズン続くとされています
樹脂をぬる「リントラク加工」
- ザ・ウールマーク・カンパニーが開発した、専用の樹脂を生地の裏にぬる加工です
- ほとんどの繊維に使え、効果はワンシーズン続くとされています
- 薄地のもの、モヘヤなどかたい繊維、透けやすいものには向きません

アイロンでつけた折り目は、水でほどける結びつきでできているので、雨や汗でぬれると消えてしまいます。シロセット加工なら、ぬれても霧を吹いてつるすと戻るとされています。
加工していない折り目は、自然にあまくなる
- プレスでつけた折り目は、雨だけでなく、汗などの水分、イスに座ること、歩いて生地が張ることでも、自然にあまくなります
- 売られているスラックスの折り目も、プレスによるものが多く、いつも新品のときの状態を保つのはむずかしい、とされています
- 自分でアイロンをかけて戻すこともできますが、二重線にせずきれいに仕上げるには技術が必要です
- クリーニング店の多くは加工のサービスもしているので、できるか聞いてみるのもよい、とされています。組合は、外回りの多い人には、スーツのズボンにシロセット加工をしておくと便利、としています
雨のしずくによる輪ジミは雨のしずくでスラックスに輪ジミ、スーツのテカリや型くずれはスーツにリュック、シャツのシワのしくみはスーツやシャツのシワはなぜできる?へ。

プレ男外回りが多いから、次のクリーニングで加工できるか聞いてみるよ。

メル美座ったり歩いたりするだけでも、折り目はあまくなっていくんだね。
まとめ
- アイロンの折り目は、水でほどけて乾くと結びつく「水素結合」を利用したもの
- だから雨・汗でぬれると消え、座る・歩くでも自然にあまくなる
- シロセット加工は、ぬれても霧を吹いてつるすと戻るとされる(ウール向き、効果はワンシーズン)
- クリーニング店で加工を頼めるか聞いてみる
参考文献
- 東京都クリーニング生活衛生同業組合. プリーツ(折り目)のメカニズムとは. https://www.tokyo929.or.jp/column/color_process/post_79.php (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。