
プレ男叔父が、ここ数か月ずっとだるくて食欲がなく、体重も減って、血圧も低いんだって。日焼けしていないのに肌や歯ぐきが黒っぽくなったらしい。

メル美だるさだけなら疲れかなと思うけど、肌の色まで変わるのは気になるね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、アジソン病の話です。難病情報センターの「アジソン病」(令和5年1月更新、副腎ホルモン産生異常に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 腎臓の上にある副腎の皮質からは、コルチゾールなどのホルモンが出ています。アジソン病は、副腎皮質そのものの病変で、これらのホルモンが慢性的に足りなくなる病気です
- 1855年に英国の医師トーマス・アディソンが初めて報告しました
- 原因は、自己免疫によるもの(特発性)、結核などの感染症、がんの副腎への転移などがあります
どのくらいの人に?
- 全国に約1,000人と推定されています
- 原因は、特発性が42.2%、結核性が36.7%、その他が19.3%で、時代とともに特発性の割合が増えています
- 主に大人にみられます。結核性のものは40〜60歳に多く、男性に多いとされます。特発性のものは発症年齢が幅広く、男女差はありません
- 特発性のものは、橋本病などほかの自己免疫の病気を合併することがあります
症状
- 疲れやすい、全身のだるさ、力が入らない、筋力の低下、体重減少、低血圧
- 食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢などの消化器の症状
- 無気力、不安、うつなどの精神の症状
- いずれもこの病気だけに出る症状ではありません
- 色素沈着:皮膚、ひじやひざなどの関節、爪、口の中が黒っぽくなります

プレ男だるさ、体重減少、低血圧に、肌や口の中が黒っぽくなる…叔父の症状に当てはまるところがあるんだ。
治療と経過
- 足りない副腎のホルモンを補充します。副腎の機能の回復は期待できないため、生涯にわたって補充を続ける必要があります
- 適切な補充療法を続ければ、副腎不全の症状もなく良好な一生を過ごすことができ、経過は比較的良好です
- 急に副腎のホルモンが足りなくなる急性副腎不全のときは、すばやいホルモンの補充と、水分・塩分・糖分の補給が必要で、治療が遅れると命にかかわります
日常生活でとくに大切なこと
- 必要なホルモンの量は、体調の変化によって変わることを知っておきましょう
- 治療が軌道に乗ったあとも、発熱などのストレスのときには副腎不全を起こして重い状態になることがあるため、決められた量に薬を増やして飲みます
- ストレスのときに薬を増やさなかったり、飲み忘れたりすると、ショックを起こし、命の危険があります
- ストレス時に薬が飲めない場合は、本人や家族による自己注射が認められています

アジソン病は、足りない副腎のホルモンを生涯にわたって補えば、症状なく良好な一生を過ごすことができます。ただし、発熱などのストレスのときに薬を増やさなかったり、飲み忘れたりすると、ショックを起こして命の危険があります。
- 副腎のホルモンが出すぎる病気はクッシング病、検査で異常がないだるさは体の不調として現れるうつ病の記事もどうぞ

メル美疲れだと思いこまずに、肌の色の変化も伝えて、早めに病院で調べてもらおうね。
まとめ
- 副腎皮質のホルモンが慢性的に足りなくなる病気。全国に約1,000人
- 原因は自己免疫(特発性)42.2%・結核36.7%など
- だるさ・疲れやすさ・体重減少・低血圧・食欲不振・うつ、肌や口の中の色素沈着
- 生涯のホルモン補充で良好に過ごせる
- 発熱などのときの増量・飲み忘れに注意。ショックの危険
参考文献
- 難病情報センター. アジソン病(指定難病83)(情報更新日:令和5年1月、副腎ホルモン産生異常に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/44 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。