
プレ男同僚が、2週間ずっと夕方になると40℃近い熱が出て、朝には下がるんだって。熱が出るとピンクの発疹が出て、関節も痛いらしい。かぜ薬も効かないって。

メル美2週間も?ふつうのかぜじゃなさそうだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、高熱をくり返す「成人発症スチル病」の話です。難病情報センターの「成人発症スチル病」(令和7年11月更新、自己免疫疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 子どもの「スチル病(全身型若年性特発性関節炎)」によく似た症状が、16歳以上の大人に起こる病気です。1971年に初めて報告された、比較的新しい病気です
- 膠原病のなかまに入りますが、リウマチ因子や抗核抗体などの自己抗体は陰性です
- 原因は不明ですが、白血球の一部(単球・マクロファージ)が過剰にはたらいて、炎症を起こす物質を大量につくり、強い炎症が起きていると推定されています
特徴的な3つの症状
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 高熱(間欠熱) | 午前中は平熱で、夕方から夜に39〜40℃に達する |
| 発疹 | かゆみのない、移動するうすいピンク色の発疹。熱とともに出て、熱が下がると消えることが多い |
| 関節 | いくつもの関節が痛む、はれて熱っぽい |
- ほかに、のどの痛み、リンパ節のはれ、肝臓や脾臓のはれ、薬にアレルギーが起きやすくなることもあります
- 血液検査では、炎症の値(CRP)の上昇、白血球の増加、肝機能の異常がみられ、血清フェリチンが著しく高くなるのが特徴です

プレ男朝は平熱で夕方に高熱、熱と一緒に出るピンクの発疹…同僚の症状は、この病気の特徴に当てはまるんだ。
診断
- 分類基準の大項目(39℃以上の熱が1週間以上、関節痛が2週間以上、典型的な発疹、白血球の増加)と小項目(のどの痛み、リンパ節や脾臓のはれ、肝機能の異常、リウマチ因子と抗核抗体が陰性)のうち、大項目2つ以上を含む5つ以上が当てはまり、感染症(敗血症など)、悪性腫瘍(悪性リンパ腫など)、ほかの膠原病を除外できたときに診断します
どんな人に多い?
- 2011年の調査では、全国に約4,760人(人口10万人あたり3.7人)と推定されています
- 男女比は1対1.3で女性にやや多く、平均発症年齢は46.5歳でした。70歳以上でも起こります。家族歴のある人はほとんどいません
注意したい合併症
- 胸膜炎、心膜炎、間質性肺炎など
- マクロファージ活性化症候群(血球貪食症候群):頻度は高くないものの、命にかかわる重い合併症で、成人発症スチル病の10〜15%程度に起こることがあります。フェリチンがきわめて高い値になります
治療と経過
- 炎症を抑える治療が基本で、ふつうはステロイドを使って病気がおさまる(寛解)ように治療します。早く減らしすぎると再び悪くなることがあるので、慎重に減らします
- 効果が足りないときは、ステロイドの大量点滴や、生物学的製剤などを使います
- 経過は、一時的に起こって治療でおさまるタイプ(30〜40%)、熱がくり返すタイプ(30〜40%)、関節炎が続くタイプ(20〜30%)に分かれます
- 感染症で発症したり悪くなったりする可能性があるので、手洗い、体調の維持、バランスのよい食事を心がけましょう。ワクチンは、使っている薬によって主治医に確認が必要です
- 成人発症スチル病は、内科系のリウマチ専門医が診療します

成人発症スチル病は、午前中は平熱で夕方から39〜40℃の高熱が出る、熱とともにかゆみのない発疹が出る、関節が痛む、といった症状が特徴です。内科系のリウマチ専門医が診療します。
- 関節の病気は関節リウマチ、SLEは全身性エリテマトーデスの記事もどうぞ

メル美高い熱が続くなら、まずは早めに病院で血液検査をしてもらうように伝えてあげてね。
まとめ
- 16歳以上に起こる。朝は平熱、夕方から39〜40℃の高熱
- 熱と一緒に出て消える、かゆくないピンクの発疹、関節の痛み、のどの痛み
- リウマチ因子・抗核抗体は陰性。フェリチンが著しく高い
- 全国に約4,760人、平均発症46.5歳
- 命にかかわる合併症もある。治療はステロイドが基本、リウマチ専門医へ
参考文献
- 難病情報センター. 成人発症スチル病(指定難病54)(情報更新日:令和7年11月、自己免疫疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/132 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。