
メル美友だちが、海に行ったあと顔に赤い発疹が出て、熱もあって、指の関節も痛いって。最近は髪もよく抜けるらしいの。

プレ男日焼けにしては、症状がいろいろありすぎるね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、全身性エリテマトーデス(SLE)の話です。難病情報センターの「全身性エリテマトーデス(SLE)」(令和7年11月更新、自己免疫疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 免疫が自分の体を攻撃して、全身にさまざまな炎症を起こす病気です。原因はまだわかっていません
- 発熱、全身のだるさなどの症状と、関節、皮膚、そして腎臓、肺、中枢神経などの内臓の症状が、一度に、または経過とともに起こります
- 患者さんのほぼ全員(98〜99%)が、血液中に抗核抗体という自己抗体をもっています
どんな人に多い?
- 日本全国に約6〜10万人の患者さんがいると考えられています(2023年に難病の申請をしている人は66,307人)
- 男女比は約1対9で、圧倒的に女性に多く、とくに20〜40歳の女性に多いとされています。最近は発症年齢がやや高くなっています
- 一卵性双生児でも両方がなるのは25〜60%程度で、いわゆる遺伝病ではありません
症状
| 種類 | 主な症状 |
|---|---|
| 全身 | 発熱、だるさ、疲れやすさ、食欲不振 |
| 関節 | 手や指がはれて痛む。日によって場所が変わることも |
| 皮膚 | 頬の蝶が羽を広げた形の赤い発疹(蝶型紅斑)、丸いディスコイド疹 |
| 日光過敏症 | 強い紫外線を浴びたあとに、赤い発疹、水ぶくれ、発熱。病気の始まりのことも少なくない |
| 口内炎 | 口の奥や上あごの、痛みのない口内炎(気づかないことが多い) |
| 脱毛 | 枕につく髪が急に増える、部分的に抜ける |
| 臓器 | 腎臓(ループス腎炎)、神経・精神、心臓、肺、血液の異常など。命にかかわることもある |
- 症状の組み合わせは人によってちがい、内臓の症状がまったくない軽いタイプもあります

プレ男日光のあとの発疹、熱、関節の痛み、脱毛…全部SLEの症状にあるんだ。
悪くなるきっかけ
- 紫外線(海水浴、日光浴、スキーなど)、かぜなどのウイルス感染、けが、外科手術、妊娠・出産、ある種の薬などが知られています
治療
- 免疫を抑える薬を使います。中心はステロイド(グルココルチコイド)で、重さによって量がちがい、少しずつ減らして少ない量を長く続けることが多いです
- ステロイドの副作用(感染症、骨粗しょう症、糖尿病、脂質異常症など)を少なくするため、免疫抑制薬を組み合わせて、ステロイドの量をできるだけ減らすことが大切とされています
- 近年は、ヒドロキシクロロキンや、生物学的製剤などが使えるようになり、ステロイドを減らした治療が可能になってきています
- 免疫を抑える薬を使うので、感染症の対策が重要です。妊娠を考えるときは、使っている薬によって事前の中止が必要なこともあるので、主治医に相談しましょう
経過
- 関節や皮膚の症状だけの人は、薬でコントロールしやすく、ふつうに近い生活が期待できます。腎臓や神経などの臓器の障害がある場合は、多くの薬を長く使うこともあります
- ステロイドがなかった1950年代には発症から5年生存する人は50%ほどでしたが、現在は95%以上に改善しています。何十年もこの病気と付き合っている人も増えていて、生活習慣病の対策も必要です

SLEは20〜40歳の女性に多い病気で、頬の蝶の形の発疹や日光過敏症、関節の痛みなどが出ます。治療の進歩で、1950年代に50%ほどだった5年生存率は、現在95%以上に改善しています。
- SLEと妊娠は自己免疫の病気と妊娠、関節の病気は関節リウマチの記事もどうぞ

メル美日焼けだと思わずに、早めに病院で血液検査をしてもらうようにすすめてみる。
まとめ
- SLEは免疫が自分の体を攻撃し、全身にさまざまな症状が出る病気
- 日本に約6〜10万人、男女比1対9、20〜40歳の女性に多い
- 蝶型紅斑・日光過敏症・痛みのない口内炎・脱毛・関節の痛み・発熱
- 紫外線・感染・妊娠出産などで悪くなる
- ステロイド+免疫抑制薬・生物学的製剤。5年生存率は95%以上に
参考文献
- 難病情報センター. 全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)(情報更新日:令和7年11月、自己免疫疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/53 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。