
メル美友だちがSLEで治療中なんだけど、「いつか赤ちゃんがほしい。でも薬を飲んでいて大丈夫かな」って悩んでるの。

プレ男持病があると、妊娠のタイミングや薬のことが気になるよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、膠原病(SLE・抗リン脂質抗体症候群・関節リウマチ)があって妊娠を考えたときの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No111 合併症妊娠」の「膠原病(全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、関節リウマチ)」(医師向け)をもとにまとめました。
妊娠の前に相談を
研修ノートによると、
- 妊娠前に産婦人科を受診し、病気と妊娠の合併症との関係や、薬の赤ちゃんへの安全性について情報を得ることがすすめられています
- 病気が活動している時期なら、落ちついた状態(寛解)になってからの妊娠をすすめます
- 妊娠中に使えない薬は、ほかの薬に切りかえます。切りかえられないときは、続けて飲むことの利点とリスクを説明して同意を得ます
妊娠前からできることは「プレコンセプションケア」って?、薬と避妊については飲んでいる薬の説明書に「避妊」と書いてあったらを見てください。

膠原病があるときは、病気が落ちついている時期に、妊娠中に使える薬に切りかえてからの妊娠がすすめられています。自己判断で薬をやめずに、妊娠を考えはじめたら、主治医と産婦人科に相談してください。
SLE(全身性エリテマトーデス)
研修ノートによると、
- 妊娠中に使える薬でコントロールされ、一定期間(6か月以上という報告がある)落ちついた状態が続いていることが望ましいとされています
- 不妊症の頻度は、一般の女性と大きなちがいはありません
- 妊娠中は、妊娠高血圧腎症、早産、赤ちゃんの発育の遅れのリスクが高く、高次の医療機関での管理がすすめられています(妊娠高血圧症候群)
- 25〜65%で、妊娠中から産後にかけて病気が悪くなる可能性があります
- 抗SS-A抗体が陽性の人では、約10%に新生児ループス(生後6か月ごろまでに自然に消える)、約2%に赤ちゃんの先天性房室ブロック(心臓の脈の異常)が起こるとされています
抗リン脂質抗体症候群(APS)
研修ノートによると、
- APSの約半数がSLEを合併しています
- APSがあると、血栓のリスクが上がり、流産・死産、妊娠高血圧腎症などのリスクが高くなります
- APSのある妊婦さんには、妊娠初期から低用量アスピリンとヘパリンによる治療がすすめられています
関節リウマチ
研修ノートによると、
- 妊娠中に使える薬でコントロールされ、落ちついた状態であることが望ましいとされています。とくにメトトレキサートは、流産や赤ちゃんへの影響のため、1か月以上の休薬が必要です
- 妊娠中は50〜80%でよくなる一方、産後3か月以内に39〜90%で再燃するとされ、妊娠中に薬をやめていても、産後に再開が必要になることが多いとされています
- 病気の活動が低い場合は、妊娠合併症のリスクは一般の妊婦さんと変わらないとされています

プレ男リウマチは妊娠中によくなっても、産後にまた悪くなることが多いんだね。産後のことも考えておくと安心だ。
潰瘍性大腸炎・クローン病がある人の妊娠については、潰瘍性大腸炎・クローン病があって妊娠を考えたらにまとめています。
まとめ
- 膠原病があって妊娠を考えたら、妊娠前に産婦人科で相談
- 落ちついた状態(寛解)で、妊娠中に使える薬に切りかえてからの妊娠がすすめられる
- SLEは妊娠中〜産後に25〜65%で悪化の可能性。高次の医療機関で管理
- APSは流産・死産などのリスク。低用量アスピリンとヘパリンで治療
- 関節リウマチは妊娠中によくなっても、産後に再燃しやすい
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No111 合併症妊娠「9.膠原病(全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、関節リウマチ)」. https://www.jaog.or.jp/notes/note20015/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。