AGAのオンライン診療、「1年分の薬が勝手に届いた」に注意:国民生活センターが2026年6月に注意喚起。定期購入と解約条件を確認、チャットだけの処方は医師法違反のおそれ
国民生活センターは2026年6月23日、ニキビ・AGA治療・痩身目的などのオンライン診療で、処方薬の定期購入トラブルが目立つと注意を呼びかけました。「1年前に処方されたAGA治療薬をやめるつもりだったのに、問診もなく1年分が届き、返品できなかった」(40歳代男性)という相談も。厚生労働省は2025年8月の通知で、メールやチャットだけの診断・処方は医師法違反のおそれがあるとしています。オンライン診療を受ける前に確かめたいことをまとめました。

プレ男生え際が気になってきて…。スマホだけで診察して薬が届くAGAのサービス、病院に行かなくていいから楽そうなんだよね。

メル美便利そうだけど、ニュースで「薬が勝手に届く」トラブルを見たよ。申し込む前に調べよう。
こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」から、今回はAGA(男性型脱毛症)のオンライン診療の注意点です。国民生活センターの発表「ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意」(2026年6月23日)と、厚生労働省の通知「美容医療に関する取扱いについて」(2025年8月15日)をもとにまとめました。
「1年分の治療薬が届いた」という相談
国民生活センターには、ニキビ治療・AGA治療・痩身目的などのオンライン診療の相談が引き続き多く寄せられていて、とくに処方薬の定期購入のトラブルが目立つとしています。紹介されている相談の例です。
- AGA(40歳代 男性、2025年6月受付):1年前にスマートフォンでAGAのオンライン診療を受け、1年分の治療薬(約7万円)をカードで支払った。効果が思うように出ず、途中で飲むのをやめた。ところが、医師の問診もないのに、突然また1年分が届いた。返品を求めると「1年ごとの定期購入に申し込んでいるので返品できない」。サイトをよく見るとそう書いてあったが、わかりづらかった
- ニキビ(20歳代 女性、2025年9月受付):医師から10分ほどの診療を受け、「薬代は1年分で6万円」と言われ、その場で断りづらく了承した。広告に「薬は都合に合わせ柔軟に」とあったので後でキャンセルできると思ったが、「すでに手配したのでキャンセルできない」。副作用の説明は受けていない
- 痩身(20歳代 女性、2025年5月受付):GLP-1受容体作動薬を処方されたが体に合わず、使わずに残っていたのに、定期購入になっていて次の分が届いた

プレ男問診もないのに、1年分がまた届くことがあるんだ…。
チャットだけの診察・処方は「医師法違反のおそれ」
- 医師は、診察しないで治療や処方をしてはいけないことになっています(医師法第20条)
- 国の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、オンライン診療はリアルタイムの映像と音声を使い、文字・写真・録画動画のやりとりだけで終わらせてはいけないとされています
- 厚生労働省の2025年8月の通知では、メールやチャットだけで、対面と同じくらいの診察をしないまま診断・処方することは、指針に違反し、医師法第20条違反となるおそれがある行為としています
- 医師でないスタッフが治療法を決めることなど、ほかの違法な例は美容クリニックの「カウンセラー」と違法な例にまとめています
- 2025年12月に公布された改正医療法では、オンライン診療が医療法に定義され、手続きのルールなどが整えられました(この部分は2026年4月1日施行)
オンライン診療を受ける前に、確かめたいこと
国民生活センターのアドバイスをもとにまとめます。
- 医師からしっかり説明を受ける:治療の内容、処方される薬、副作用などのリスク、万が一のときの対応
- 定期購入になっていないか:オンライン診療のあとに薬を買うと、定期購入になっているケースが多いとされています。1年分など長期間の処方もあります
- 解約の条件:解約できる場合でも条件がついていることが多いので、とくに長期間の処方は、事前によく確認
- 不安を感じたら、早めに相談:消費者ホットライン 188(いやや!)で、近くの消費生活センターにつながります
- 副作用などが出たら、すぐに医療機関を直接受診する

オンライン診療でも、薬の効果だけでなく副作用の説明を医師から受けることが大切です。申し込む前に、定期購入になっていないか、解約の条件を確かめましょう。
AGAの薬そのものについて
- AGAの治療薬(フィナステリド・デュタステリドの飲み薬、ミノキシジルの塗り薬)の効果や副作用、PSA検査への影響、女性がさわってはいけないことなどは、AGA(男性型脱毛症)の治療薬の記事にまとめています
- 抜け毛の原因はAGAだけではありません。円形脱毛症など、ほかの原因のこともあります(抜け毛はAGAだけじゃない)。診断を受けてから治療を選びましょう

メル美申し込む前に、定期購入と解約の条件の画面をスクリーンショットしておくといいかもね。

プレ男そうする。ビデオ通話でちゃんと診てくれて、副作用も説明してくれるところを選ぶよ。
まとめ
- 国民生活センターは2026年6月、ニキビ・AGA・痩身のオンライン診療で定期購入トラブルが目立つと注意喚起
- 「問診もなく1年分が届き、返品できない」という相談も
- メール・チャットだけの診断・処方は医師法違反のおそれ(2025年8月 厚労省通知)
- 受ける前に、薬・副作用の説明、定期購入か、解約条件を確認
- 困ったら188、副作用が出たら医療機関を直接受診
参考文献
- 独立行政法人国民生活センター. ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意−処方薬の定期購入にかかるトラブルが目立ちます−(2026年6月23日公表). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260623_1.html (閲覧日:2026年10月4日)
- 厚生労働省医政局長. 美容医療に関する取扱いについて(令和7年8月15日 医政発0815第21号). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9325&dataType=1&pageNo=1 (閲覧日:2026年10月4日)
- 厚生労働省医政局. 医療法等の一部を改正する法律の成立について(報告)(令和7年12月8日 第122回社会保障審議会医療部会 資料4). https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001606327.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。