抜け毛はAGAだけじゃない:円形脱毛症は「ストレスが原因」とは限らない自己免疫の病気。無理なダイエットのあとの抜け毛、梅毒による脱毛も
抜け毛=AGA(男性型脱毛症)と思っていませんか?日本皮膚科学会によると、円形脱毛症は、免疫が自分の毛包を攻撃する自己免疫の病気で、「ストレスが原因」という考え方は見直されています。大きな手術や重い感染症、過激なダイエットのあとに抜け毛が増える「休止期脱毛」や、甲状腺の病気、梅毒による脱毛もあります。抜け毛の種類と、受診の目安をまとめました。

プレ男頭に10円玉くらいのハゲができてた…。ストレスのせいかな?それともAGA?

メル美丸く抜けるのは「円形脱毛症」かも。AGAとはちがうのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」の薄毛シリーズ、今回はAGA以外の抜け毛の話です。日本皮膚科学会の一般向けQ&Aをもとにまとめました。AGAについては、AGAの治療薬の記事を見てください。
円形脱毛症:免疫が毛を攻撃する病気
- 円形脱毛症は、毛をつくる毛包のまわりに炎症が起き、リンパ球が毛包を攻撃する「自己免疫反応」で毛が抜ける病気です
- 頭に1つだけ丸く抜けることもあれば、いくつもできる、眉毛・まつげ・ひげ・体毛だけが抜ける、頭全体や全身の毛が抜ける、などさまざまです
- 一生に一度だけのこともあれば、何度も再発することもあります。家族で発症することも珍しくなく、アトピーの体質、甲状腺の病気、膠原病との関連もいわれています
「ストレスが原因」は見直されている
- 精神的なストレスのあとに始まる人もいますが、多くの人は、ストレスと直接の関係なく始まっています
- 患者の4分の1は15歳以下で発症し、ストレスがあまりないはずの赤ちゃんや幼児にも重い人がいます
- ストレスは、原因というより、きっかけのひとつと考えられていて、ウイルス感染症、体の疲れ、出産などがきっかけと考えられる人も多いとされています

プレ男ストレスだけのせいじゃないんだ。
受診の目安と治療
- 小さな脱毛は自然によくなる人も多いですが、何度も再発する、だんだん増える・広がるときは、早めに皮膚科へ。急に頭全体が抜けてきたときは、早めのしっかりした治療が効くことがあります
- ガイドラインですすめられている代表的な治療は、ステロイドの局所注射、局所免疫療法、ステロイドの塗り薬などです。急に広がる場合は、入院してステロイドの点滴を行うこともあります
ほかにもある「抜け毛」の原因
学会は、「毛は内臓の状態を映す鏡」として、ほかの病気に関係する脱毛もあげています。
- 休止期脱毛:大きな手術、重い感染症、妊娠、過激なダイエットなどのあとに、毛の生えかわりが影響を受けて抜け毛が増える
- ホルモン・ミネラル:甲状腺機能低下症、副腎の病気、亜鉛の不足など
- 膠原病:エリテマトーデスなど
- 感染症:毛にカビ(白癬菌)が感染するケルスス禿瘡、そして梅毒にともなう脱毛(梅毒)
- エリテマトーデスやケルスス禿瘡は、治療が遅れると、皮ふが硬くなって永久に毛が生えなくなることがあり、早期の診断と治療が大切です

メル美無理なダイエットや、梅毒でも毛が抜けることがあるんだ…。
抜け毛を防ぐ生活
- 髪に負担のかかる髪型や、極端に多いカラーリングはなるべくさける
- 自分に合ったシャンプーを使い、頭皮が乾きすぎたり、あぶらっぽくなったりしない頻度で洗う
- バランスのよい食事、無理をせず休む、規則正しい生活。ダイエットは無理のない範囲で(メタボの基準と3%減量)
- 抜け毛が気になったら、自己判断せず皮膚科へ

抜け毛の原因は、AGAだけではありません。円形脱毛症や休止期脱毛、ほかの病気にともなう脱毛もあるので、気になったら皮膚科で相談しましょう。
まとめ
- 円形脱毛症は、自己免疫で毛が抜ける病気。ストレスが原因とは限らない(患者の4分の1は15歳以下で発症)
- 再発する・広がる・急に全体が抜けるときは早めに皮膚科へ
- 休止期脱毛(手術・重い感染症・妊娠・過激なダイエットのあと)、甲状腺の病気、梅毒などでも抜ける
- 抜け毛の原因はさまざま。自己判断せず受診を
参考文献
- 公益社団法人日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A 脱毛症. https://qa.dermatol.or.jp/qa11/index.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。