
プレ男知り合いのお父さんがALSと診断されたって聞いたんだ。どんな病気なのか、ちゃんと知っておきたくて。

メル美名前は聞いたことがあるけど、くわしくは知らないな。一緒に調べよう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の話です。難病情報センターの「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」(令和7年12月更新、神経変性疾患領域の研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 手足・のど・舌の筋肉や、呼吸に必要な筋肉が、だんだんやせて力がなくなっていく病気です
- 筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かす神経(運動ニューロン)が主に傷みます。そのため、脳からの「動かせ」という命令が筋肉に伝わらなくなります
- 一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓の働きなどは、ふつう保たれます
どのくらいの人に?
- 1年間に新たにかかる人は、人口10万人あたり平均2.2人です。受給者証をもつ人は9,727人(令和5年度)です
- 男性が女性の1.3〜1.5倍とやや多く、60〜70代に最も多くみられます。まれにもっと若い世代でも起こります
- 原因はまだ十分にはわかっていません。約95%は遺伝しません。約5%は家族内で起こる家族性ALSです
症状
- 多くは、手指の使いにくさや、ひじから先の筋肉がやせて力が弱くなることで始まります
- 話しにくい、飲みこみにくい、足の筋肉がやせる、足先が上がりにくい、足がつっぱって歩きにくい、などで始まることもあります
- 体のいろいろなところで、筋肉のぴくつきや筋肉のけいれんが起こります
- どこから始まっても、やがて呼吸の筋肉を含めて全身の筋肉に広がり、体を動かすことが難しくなります
- 進んでも、ふつうは視力や聴力、体の感覚は保たれ、目を動かす筋肉や排尿・排便の筋肉の症状は早い時期には出にくいことが知られています
治療と支援
- 進行を遅らせる薬:いくつかの薬が使われています。遺伝子の変化がある一部の人に使われる薬もあります
- 栄養:ALSでは体重が減ると病状が悪くなることがわかっていて、体重を保つための高カロリーの栄養療法が大切です
- リハビリ:筋肉や関節の痛みには、早くからリハビリを始めることがとても大切です
- 呼吸の補助:マスクを使う方法と、気管切開をして人工呼吸器を使う方法があります。人工呼吸器を使っていても、基本的には在宅での生活になり、訪問看護や訪問診療などの支援が受けられます。停電に備えた準備も必要です
- 食事:やわらかく水気の多いものを少しずつ、あごを引いて飲みこむなどの工夫をします。口からの栄養が足りないときは、胃ろうなどで補います。呼吸の機能が落ちてからの胃ろうの手術は危険がともなうので、早めに主治医と相談することがすすめられています
- コミュニケーション:話しにくさや手の力の低下が進む前に、文字盤や、体や目のわずかな動きで使える意思伝達装置など、新しい伝え方を早めに身につけることが大切です
経過
- 進行性の病気で、やがて自力で呼吸することが難しくなります。人工呼吸器を使わない場合、発症から亡くなるまでの期間はおおよそ2〜5年ですが、10年以上ゆっくり進む人もいれば、1年ほどで呼吸不全になる人もいて、個人差が大きい病気です
- そのため、一人ひとりに合わせた柔軟な対応が必要とされています

ALSは、筋肉を動かす神経が傷み、全身の筋肉がしだいにやせて力が入らなくなる病気です。体重を保つ栄養、早めのリハビリ、コミュニケーション手段の準備など、早くから主治医と相談して備えることが大切です。
相談先
- リハビリや在宅療養、介護の支援については、主治医、地域の保健師、介護保険のケアマネジャー、都道府県の難病相談支援センターなどに相談できます

メル美体の感覚や聞く力はふつう保たれるんだね。話しにくくなっても伝えられる方法があることも、知っておきたい。
まとめ
- 筋肉を動かす神経が傷み、手足・のど・呼吸の筋肉がやせて力がなくなる
- 感覚・視力・聴力・内臓の働きはふつう保たれる
- 60〜70代に多く、約95%は遺伝しない
- 始まりは手指の使いにくさ・話しにくさ・飲みこみにくさなど
- 栄養・リハビリ・呼吸の補助・胃ろう・意思伝達装置など、早めに相談して備える
参考文献
- 難病情報センター. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)(指定難病2)(情報更新日:令和7年12月、神経変性疾患領域における医療水準と患者QOLの向上を目指した基盤研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/52 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。