
プレ男子どものころに治ったと思ってたアトピーが、就職してから首やひじに出てきたんだ。ステロイドはこわいって聞くから、ちょっとだけ塗ってる。

メル美ちょっとだけ塗るのって、効いてるのかな?正しい塗り方があるのかも。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、大人のアトピー性皮膚炎の話です。日本皮膚科学会の「皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎」をもとにまとめました。
どんな病気?
- かゆみをともない、慢性的に続く皮膚炎(湿疹)です
- 根本には、皮膚の乾燥とバリア機能の異常があり、そこにさまざまな刺激やアレルギー反応が加わって起こると考えられています
- 慢性の病気ですが、適切な治療をきちんと受ければ、いずれ治ったのと同じような状態になることが期待されます
治療の目標
- 症状がないか、あっても軽く、日常生活に支障がなく、薬もあまり必要ない
- 軽い症状は続いても、急に悪くなることはまれで、悪くなっても長引かない
こうした状態を保つことで、病気を苦にせず楽に生活できることをめざします。
ステロイドの塗り薬:こわがりすぎない
- ステロイドの塗り薬は、強さで5段階に分けられています。必要以上に強いものを使わず、皮膚の症状の重さに合った薬を選ぶことが大切です
- 漫然と使い続けると、皮膚の副作用(ステロイドによるニキビ、皮膚の感染症など)が起こることがあります
- 一方で、こわがってきちんと塗らないと、炎症を十分に抑えられず、かえって使う期間や量が増えてしまいます。飲み薬の全身の副作用と混同したり、急にやめたことによる悪化を副作用と思いこんだりする誤解もあります
- 疑問や不安があるときは、皮膚科の医師とよく話しあい、納得してから使いましょう

プレ男こわがって少なく塗ってると、かえって長引くこともあるんだ…。
塗る量の目安
- 原則は1日2回(朝と、夜の入浴後)、適量を塗ります
- 人差し指の先から第1関節までチューブから出した量(約0.5g)が、大人の手のひら2枚分(体の表面のおよそ2%)の適量です。軟膏とクリームのちがいや塗る順番は塗り薬の使い方の記事もどうぞ
やめるときは少しずつ
- 炎症がおさまっても、急にやめるとすぐに悪化することがあります。症状を見ながら、弱い薬に切りかえ、塗る回数を減らしていくように、慎重に減らします
- くり返し悪化する場合は、よくなったあとも保湿に加えて、炎症を抑える塗り薬を定期的(週2回など)に塗ってよい状態を保つ「プロアクティブ療法」が考えられます

ステロイドの塗り薬は、人差し指の先から第1関節まで出した量で、大人の手のひら2枚分が目安です。よくなっても急にやめず、医師と相談しながら少しずつ減らしましょう。
塗り薬でよくならないときは:注射薬・飲み薬も
- 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」では、塗り薬を正しく使ってもよくならない中等症以上の人には、塗り薬に加えて、生物学的製剤の注射(デュピルマブ、ネモリズマブ、トラロキヌマブ)、JAK阻害薬の飲み薬(バリシチニブ、ウパダシチニブ、アブロシチニブ)、シクロスポリンの飲み薬、紫外線療法などをあわせて使うことを検討するとしています
- こうした炎症にかかわる物質をねらって抑える薬(分子標的薬)が使えるようになり、塗り薬だけでは難しかった人でも、症状をよくコントロールできるようになってきました
- たとえばデュピルマブは、2018年に使えるようになった注射薬で、ガイドラインによると、かゆみや皮疹、睡眠をふくむ生活の質を改善し、効果が長く続き、重大な副作用も少ないとされています。主な副作用は結膜炎と注射した場所の反応です。いまは生後6か月以上の子どもにも使えます
- どの薬も「既存の治療で効果が不十分」な人が対象で、国の「最適使用推進ガイドライン」にそって、使える施設や患者が決められています。使うときも、塗り薬を続けるのが原則です。皮膚科の医師とよく相談しましょう

メル美塗り薬でよくならなくても、注射や飲み薬の選択肢があるんだね。
スキンケアと悪化因子
- アトピー性皮膚炎は皮膚のバリアがもともと弱いので、炎症を抑えてもスキンケアをおこたるとぶり返します
- 入浴・シャワーで清潔にし、刺激の少ない石けんで軽く洗う。保湿剤の中から使い心地のよいものを選んで、1日2回塗ります
- 悪化因子として、汗、空気の乾燥、皮膚にふれるさまざまな物質、ストレスなどがあります。大人では、ダニやハウスダストなどが関係していることもあります(検査の結果だけで判断せず、実際に悪化するかを確かめる必要があります)
大人のアトピーとストレス
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思春期以降も続く大人のアトピー性皮膚炎では、家庭や職場の人間関係、忙しさなどのストレスが悪化に関係していることがしばしばあります
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イライラしたときについかいてしまい、それがクセになっていることが、治らない大きな原因になることもあります。医師との話しあいの中で、そうした状態に気づくだけでも、よくなるきっかけになります

メル美こわがって少しだけじゃなくて、皮膚科で量と減らし方をちゃんと聞いてみようね。
まとめ
- アトピー性皮膚炎の土台は皮膚の乾燥とバリアの弱さ。適切な治療で治ったのと同じような状態をめざせる
- ステロイドは症状に合った強さを。こわがって少なく塗るとかえって長引く
- 目安は人差し指の先〜第1関節(約0.5g)で手のひら2枚分、1日2回
- 急にやめず、少しずつ。くり返すならプロアクティブ療法
- 塗り薬でよくならない中等症以上には、デュピルマブなどの注射薬やJAK阻害薬も
- 保湿を1日2回。汗・乾燥・ストレス・かきグセに注意
参考文献
- 日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(Q2・Q5・Q8〜Q11・Q14・Q24・Q29・Q30). https://www.dermatol.or.jp/qa/qa1/index.html (閲覧日:2026年10月6日)
- 日本皮膚科学会, 日本アレルギー学会. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024. 日皮会誌 134(11): 2741-2843, 2024. https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/ADGL2024.pdf (閲覧日:2026年10月7日)
- 日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎 Q27(デュピルマブ). https://www.dermatol.or.jp/qa/qa1/q27.html (閲覧日:2026年10月7日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。