
メル美友だちが、街で「モデルやらない?」って声をかけられたんだって。あとで聞いたら、アダルトビデオの話だったらしくて…。

プレ男もし契約しちゃってたら、もうやめられないのかな?男が出るときも同じ?
こんにちは、Dr. Taro です。 「プレイヤーの法律」、今回はAV出演被害防止・救済法です。この記事は一般的な解説です。実際に困っているときは、下の相談先や弁護士に相談してください。
どんな法律?
- 正式な名前はとても長く、「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」です
- 2022年6月にできました。AV(法律では「性行為映像制作物」)への出演で、心と体、私生活に、取り返しのつかない被害が生じるおそれがあることから、被害を防ぎ、出演者を救うための法律です
- 内閣府によると、出演者の性別・年齢を問わず守られます
法律で決まっている主なルール
| ルール | 内容(条文) |
|---|---|
| 契約前の説明 | 事業者は、契約書の案と説明書面を渡して、わかりやすく説明しなければならない。映像で本人が特定される可能性があることも説明する(第5条) |
| 撮影まで1か月 | 撮影は、契約書と説明書面を受け取った日から1か月たつまでできない(第7条) |
| 撮影中でも断れる | 契約で決まっている内容でも、出演者は撮影の全部または一部を断れる。それで損害が出ても、賠償しなくてよい(第7条) |
| 公開前に確認 | 事業者は、公開する映像を、出演者が確認する機会を与えなければならない(第8条) |
| 公開まで4か月 | 公開は、すべての撮影が終わった日から4か月たつまでできない(第9条) |
| 違約金は無効 | 「やめたら違約金」のような出演者の損害賠償額や違約金を決める条項は無効(第10条) |
| 公開後1年は無条件で解除 | 公開から1年間は、理由がなくても、書面やメールなどで契約を解除できる。事業者は、解除による損害賠償を請求できない(第13条) |
| 公開の差し止め | 契約なしに公開されたときや、契約を取り消し・解除したときは、公開の差し止めを求められる(第15条) |

メル美撮影の途中でも断れるし、公開されたあとでも1年間は解除できるんだ!
法律ができた直後の契約は、解除できる期間が長い(附則第3条)
この法律は2022年6月22日に公布され、その翌日から施行されました。附則第3条では、施行からしばらくのあいだに結ばれた契約について、第13条の「公開から1年」が次のように延ばされています。
| 契約(申し込み)の時期 | 解除できる期間 |
|---|---|
| 施行から2年のあいだ(目安:2024年6月22日ごろまで) | 公開から「1年」ではなく「2年」 |
| その次の1年のあいだ(目安:2025年6月22日ごろまで) | 公開から1年たち、かつ施行から4年6か月(目安:2026年12月22日ごろ)がたつまでは解除できる |
| それ以降 | ふつうどおり、公開から1年 |
- 表の日付は、条文の「施行の日から起算して〜」をもとにした目安です。自分の契約が当てはまるかは、相談窓口や弁護士に確認してください
- 事業者がうそを言ったり、おどしたりして解除をさまたげた場合は、解除できることを書いた書面を受け取った日から1年、という特例もあります(第13条)
事業者への罰則
- 解除をさまたげるために、うそを言ったり、おどして困らせたりしたとき:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(またはその両方)(第20条)
- 説明書面や契約書を渡さなかった・うその内容だったとき:6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(またはその両方)(第21条)
「こんな声かけ」には気をつけて
- 「モデル」「グラビア」「簡単に稼げる」などと声をかけられ、あとからAVの話になる、という相談があります。その場でサインしない、身分証を渡さない、ひとりで事務所に行かないことが大切です
- 「やめたら違約金」「親や学校にばらす」と言われても、法律では違約金の条項は無効で、おどすことは処罰の対象です。あわてず、相談しましょう

プレ男男でも女でも、困ったらひとりで悩まずに相談すればいいんだね。
相談先
内閣府男女共同参画局が紹介している主な相談先です。
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター:#8891(最寄りのセンターにつながります)。AVの出演契約についても相談できます
- 性犯罪被害相談電話(警察):#8103
- 警察相談専用電話:#9110
- 法テラス(日本司法支援センター):犯罪被害者支援ダイヤル、法律の相談
- 画像や動画がネットに広まってしまったときは、リベンジポルノ防止法の記事の相談先も参考にしてください

この法律では、撮影中でも断れ、公開から1年間は理由がなくても契約を解除できます。困ったら、#8891に相談してください。
まとめ
- AV出演被害防止・救済法(2022年6月)は、性別・年齢を問わず出演者を守る
- 契約から撮影まで1か月、撮影から公開まで4か月、公開前に映像を確認できる
- 撮影中でも断れる。違約金の条項は無効。公開から1年は無条件で解除できる
- 解除をさまたげるうそ・おどしは3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
- 相談は #8891(ワンストップ支援センター)など
参考文献
- 性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律(令和4年法律第78号). e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/504AC1000000078 (閲覧日:2026年9月29日)
- 内閣府男女共同参画局. AV出演被害問題について. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/index.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 内閣府男女共同参画局. 相談窓口. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/consultation.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。