
プレ男ここ半年、朝起きると腰とおしりが痛くてこわばるんだ。でも、体を動かしているとだんだん楽になる。ぎっくり腰とはちがう感じ。

メル美ふつうの腰痛って、休むと楽になるイメージだけど、逆なんだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、休むと悪化し、動くと楽になる腰痛「体軸性脊椎関節炎」の話です。日本リウマチ財団の「リウマチ情報センター 体軸性脊椎関節炎(axSpA)」(令和6年10月更新)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 腰やおしり、背中など体の中心にある関節や、じん帯・腱に炎症が起こり、痛みや骨・関節の変形が起こる、原因不明の病気です
- とくに、骨盤と背骨をつなぐ仙腸関節や、背骨のじん帯の付着部に炎症が起こることが多く、手足の関節や、炎症性腸疾患・乾癬など関節以外の症状が出ることもあります
- 代表的な病気が強直性脊椎炎(AS)で、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患にともなうものなども含まれます
どんな人に多い?
- 男女比は3対1で男性に多く、平均発症年齢は男性約30歳、女性約40歳です
- 日本の有病率は0.01%弱と報告され、強直性脊椎炎は推定5,000〜8,000人とされています
- 強直性脊椎炎では、HLA-B27という遺伝的な要因、じん帯の付着部への物理的なストレス、腸内細菌など、さまざまな要因が関係していることがわかっています
症状(強直性脊椎炎)
- 初めは、背中や腰、おしりの痛みやこわばり、だるさが出ることが多く、運動でよくなり、安静で悪くなるのが特徴の1つです
- 痛みは左右差がなく、両側が痛むような痛みで、続くことが多く、背骨が硬くなります。おしりや腰から、だんだん背中・首へと広がっていきます
- 重いと、背骨がまっすぐになったり、前に曲がったりして、姿勢や動きが制限されます
- 足・股・ひざ・肩などの大きな関節の痛みや、付着部炎、指のはれが起こることもあります

プレ男男性に多くて、30歳くらいで発症して、動くと楽になる腰痛…ぼくの症状に当てはまるところがあるかも。
関節以外の症状
- 急性前部ぶどう膜炎:目のぶどう膜炎が突然起こり、くり返すことが、約4分の1でみられます(ぶどう膜炎)
- 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎):約4%に合併
- 乾癬:約10%に合併し、その場合は関節の症状が重いことが多いとされます(乾癬性関節炎)
- ほかに、心臓や血管の病気、肺の病気、骨粗しょう症・骨折の合併も報告されています
検査
- 医師の診察、血液検査、背骨や仙腸関節のX線検査、MRI検査などがあります
治療
- 目標は、痛みやこわばりなどの症状を抑えること、じん帯の骨化が進んで背骨が固まる(強直)のを防ぐことです
- 禁煙:たばこを吸う人は骨化が進みやすいので、禁煙が重要です
- 運動療法:筋力を保つ・強める、体の柔らかさを保つなどが、症状の緩和や、動きや姿勢を保つことに期待できます。日本脊椎関節炎学会のホームページで、患者さん向けの体操が公開されています
- 薬:第一選択は消炎鎮痛薬で、一般的な腰痛より効果が高く、70〜80%で有効なのが特徴です。効果が足りないときは、生物学的製剤やJAK阻害薬が使われます。ステロイドの飲み薬は効きませんが、関節などへの局所の注射は効果があります

体軸性脊椎関節炎の腰痛は、運動でよくなり安静で悪くなるのが特徴の1つです。放っておくと背骨が固まることもあるので、早期の診断と治療が大切です。たばこは骨化を進めるので禁煙が重要です。
- 一般的な腰痛は腰痛の記事もどうぞ

メル美動くと楽になる腰痛が続くなら、ただの腰痛と決めつけずに医療機関で相談してみよう。
まとめ
- 腰・おしり・背中の関節やじん帯の付着部に炎症が起こる病気
- 男性に多く(3対1)、平均発症は男性約30歳
- 腰痛は運動でよくなり、安静で悪くなる。両側の、続く痛みとこわばり
- ぶどう膜炎(約4分の1)、炎症性腸疾患、乾癬をともなうことも
- 禁煙・運動療法・消炎鎮痛薬。早期の診断と治療が大切
参考文献
- 日本リウマチ財団 リウマチ情報センター. 体軸性脊椎関節炎(axSpA)(情報更新:令和6年10月). https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/illness/as/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。