
メル美おばあちゃんが家の中でつまずいて転んだの。骨折はしなかったけど、心配で…。

プレ男バランス感覚って、年をとると落ちるのかな。鍛えられるものなの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、バランス能力とそのトレーニングの話です。厚生労働省の「e-ヘルスネット」の記事「バランス運動の効果と実際」(早稲田大学・宮地元彦教授、順天堂大学・谷本道哉先任准教授)をもとにまとめました。
バランス能力とは
- 止まっているときや動いているときに姿勢を保ち、くずれた姿勢からすばやく立て直す能力のことです
- スポーツ選手にとっては体をコントロールする大切な力、高齢者にとってはしっかり「立つ」「歩く」ための大切な力で、転倒の予防にも重要です
バランスは、3つの情報+脳+筋肉
- 姿勢を保つには、次の情報をもとに脳が処理し、出された指令を筋肉が実行しています
- 目からの情報
- 筋肉・腱・関節や、足の裏などからの感覚
- 耳の奥(前庭・三半規管)からの情報
- バランス能力をかんたんに調べる方法として、目をあけた片足立ち・目を閉じた片足立ちがよく使われます。文部科学省の新体力テストでも、65〜79歳向けに目をあけた片足立ちが採用されています

プレ男目、足の裏、耳の奥…。バランスって、全身の総合力なんだ。
バランストレーニングの効果
- バランスボールに座ったり、バランスディスクの上に立ったりして、不安定な足場の上で姿勢を保つトレーニングがよく行われています
- こうしたトレーニングでバランス能力が実際に向上することは、いくつかの研究で証明されています
- ただし、転倒などの事故のリスクがあるので、行うときは十分に注意が必要です
- 不安定な足場はふだんの動きとかけ離れているため、こうした方法に否定的な見方もあります
高齢者では「筋力」が大きなカギ
- 若い人は、姿勢を保つのに十分な筋力があるので、筋力はあまり問題になりません
- いっぽう、年をとって筋力が大きく落ちた高齢者では、筋力がバランス能力を左右する大きな要素になっていると考えられます
- 高齢者では、筋トレでバランス能力がよくなったという研究報告が多数あり、転倒の回数が減ったという報告もあります
- ただし、筋トレだけでは十分な効果が得られないとする文献のまとめもあり、筋トレとバランストレーニングをあわせて行うことで、より確実に効果が得られると考えられます

高齢者では、筋力がバランス能力を左右する大きな要素と考えられています。筋トレにバランストレーニングをあわせて行うと、より確実な効果が期待できます。

メル美おばあちゃんには、まず椅子スクワットで足の筋肉から始めてもらおうかな。
- 足腰の鍛え方は椅子スクワットで足腰を鍛える、転んだときの骨折が心配なら骨粗しょう症の記事もどうぞ
まとめ
- バランス能力は姿勢を保ち、立て直す力。転倒予防にも大切
- 目・足の裏などの感覚・耳の奥の情報を脳が処理し、筋肉が実行
- バランストレーニングでバランス能力は向上する。ただし転倒に注意
- 高齢者は筋力が大きなカギ。筋トレ+バランストレーニングで、より確実に
参考文献
- 宮地元彦, 谷本道哉. バランス運動の効果と実際. 厚生労働省 e-ヘルスネット. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-04-009.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。