口内炎をくり返し、陰部にも痛い潰瘍——性病じゃないのに?「ベーチェット病」という病気のことも。目の症状があれば早めに受診を
口内炎が何度もできる。陰嚢や陰唇にも痛いただれができた——性器ヘルペスや梅毒を心配しますが、「ベーチェット病」という全身の炎症の病気のこともあります。難病情報センターによると、ベーチェット病は、口の中のアフタ性潰瘍、陰部の潰瘍、皮ふの症状、目の症状の4つが主な症状で、日本には約2万人の患者がいると推計されています。性感染症との区別と、見逃したくないサインをまとめました。

プレ男昔から口内炎がよくできるんだけど、今度はタマの袋に痛いただれができた…。性病かな?

メル美口と陰部の両方に…。性病以外の病気のこともあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 「性病と間違えやすいもの」、今回はベーチェット病です。性感染症ではありませんが、陰部に痛い潰瘍ができるため、性器ヘルペスなどとまちがわれることがあります。
ベーチェット病ってどんな病気?
難病情報センター(厚生労働省の指定難病の情報)によると、
- 口の中のアフタ性潰瘍(口内炎)、陰部の潰瘍、皮ふの症状、目の症状の4つが主な症状の、慢性で再発をくり返す全身の炎症の病気です
- 日本には約2万人の患者がいると推計され、北海道・東北に多い傾向があります。日本、韓国、中国、中近東、地中海沿岸に多く、「シルクロード病」とも呼ばれます
- 原因はまだわかっていませんが、体質(遺伝的な要因)に、細菌やウイルスなどの環境の要因が加わって、白血球の働きが過剰になり、炎症が起こると考えられています
- 以前は男性に多いといわれましたが、最近は女性がやや多くなっています。ただし、男性のほうが重症化しやすいとされています

メル美口内炎と陰部の潰瘍がセットで出る病気があるんだ…。
主な症状
- 口内炎:唇、ほっぺたの内側、舌、歯ぐきなどに、丸くて境目のはっきりした潰瘍ができます。ほぼ全員(98%)にみられ、最初の症状として最も多く、くり返すのが特徴です
- 陰部の潰瘍:男性では陰嚢、陰茎、亀頭、女性では大陰唇・小陰唇、膣の粘膜に、痛みのある潰瘍ができます。口内炎に似ていますが、深くえぐれて、あとが残ることもあります
- 皮ふの症状:すねや腕に、赤く痛いしこり(結節性紅斑のような発疹)、ニキビに似た発疹など。注射や採血のあとが赤く腫れて膿をもつことも
- 目の症状:目の痛み、充血、まぶしさ、かすみ。発作のように起こり、視力が下がることもあります
- 男性の約1割弱に、睾丸の痛みと腫れ(精巣上体炎)がみられます
性感染症との区別
- 日本皮膚科学会は、陰部の潰瘍を起こす性感染症(梅毒、性器ヘルペスなど)と、性感染症以外の病気としてベーチェット病や帯状疱疹を区別する必要があるとしています
- 学会によると、ベーチェット病では、高い熱に続いて陰部の潰瘍が出るため、性器ヘルペスの初感染とまちがえることがあります。激しい痛みと深い潰瘍が特徴で、大陰唇や陰嚢にできやすいとされています
- 口内炎をくり返すことや、目や皮ふの症状があることが、手がかりになります。ただし、自分で区別することはできません。性感染症の検査もあわせて受けましょう(陰部の潰瘍、帯状疱疹)

プレ男口内炎がくり返すことも、先生に伝えたほうがいいんだね。
目の症状は、早めに
- ベーチェット病では、目の奥(網膜・脈絡膜)の炎症で視力の見通しが悪くなることがあります。治療の進歩で改善していますが、目の痛み・充血・かすみがあれば、早めに眼科・内科へ
- 治療は、症状に合わせて、ステロイドの塗り薬、コルヒチン、目や内臓の病変には免疫をおさえる薬などが使われます
- 日常では、休養と保温、ストレスを減らす、歯みがき・うがい、虫歯や歯肉炎の治療、禁煙が大切とされています

口内炎をくり返し、陰部にも痛い潰瘍ができるときは、ベーチェット病のこともあります。目の症状があれば、とくに早めに受診しましょう。
まとめ
- ベーチェット病は、口内炎・陰部の潰瘍・皮ふ・目の4つが主な症状の全身の炎症の病気。日本に約2万人
- 口内炎はほぼ全員にみられ、くり返す
- 陰部の潰瘍は痛く、深いことも。性器ヘルペスの初感染とまちがわれることがある
- 目の症状は視力に関わるので早めに受診。性感染症の検査もあわせて
参考文献
- 難病情報センター. ベーチェット病(指定難病56). https://www.nanbyou.or.jp/entry/187 (閲覧日:2026年9月29日)
- 公益社団法人日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A 性感染症(Q10 性器に潰瘍をつくる疾患). https://qa.dermatol.or.jp/qa24/q10.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。