【テクノロジー解説】青色LEDってなに?赤と緑はあったのに、青だけが30年できなかった。青ができて白い照明が生まれ、電球の約20倍の明るさ効率。赤﨑勇・天野浩・中村修二の3氏が2014年ノーベル物理学賞
いまの部屋の照明、スマホの画面、信号機。身のまわりのLEDの白い光は、青色LEDの発明から生まれました。2014年のノーベル物理学賞は、1990年代初めに明るい青色LEDをつくった赤﨑勇博士・天野浩博士・中村修二博士に贈られました。赤と緑のLEDは50年近く前からありましたが、白い光をつくるのに必要な青は30年間だれも実現できませんでした。ノーベル賞の発表によると、LED照明の効率は1ワットあたり300ルーメンをこえ、電球(16)の約20倍、蛍光灯(約70)の4倍以上。寿命は最大10万時間です。しくみと物語をやさしく解説します。

プレ男部屋の照明をLEDにしたら、電気代が下がった気がする。でもなんで「青色」LEDがノーベル賞なの?照明は白いのに。

メル美たしか日本人の3人がとったんだよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 「テクノロジー解説」、今回は青色LEDです。2014年ノーベル物理学賞の公式発表と、一般向け解説をもとにまとめました。
「青」がなければ、白い光はつくれない
- LED(発光ダイオード)は、何層もの半導体でできていて、電気を直接、光(光子)に変える部品です
- 赤と緑のLEDは50年近く前からあり、デジタル時計や電卓、家電の電源ランプなどに使われてきました(赤は1950年代の終わりに発明)
- でも、白い光をつくるには、赤・緑・青の3色が必要です。青だけは、研究者や企業が大きな努力をしても、30年間実現できませんでした

プレ男だから「青」がノーベル賞なのか!最後のピースだったんだ。
3人の挑戦:「窒化ガリウム」を信じて
- 3人が選んだ材料は窒化ガリウム。青い光に向いているとは考えられていましたが、質のよい結晶をつくれず、電気を流すのに必要な「p型」の層もつくれず、ほかの人たちはあきらめていました
- 名古屋大学の赤﨑勇博士と、当時大学院生だった天野浩博士は、1986年、サファイアの基板に窒化アルミニウムの層をのせ、その上に質の高い窒化ガリウムの結晶を育てることに初めて成功しました
- 1980年代の終わりには、p型の層をつくることにも成功。1992年に、明るい青い光を出すダイオードを発表しました
- 徳島の小さな会社にいた中村修二博士は、1988年に開発を始め、低い温度で薄い層を育ててから、高い温度で次の層を育てる独自の方法で結晶をつくり、加熱するという簡単で安い方法でp型の層をつくりました(1992年)
- 1990年代、2つのグループはそれぞれ青色LEDをさらに改良していきました
LEDの白い光はどうつくる?
ノーベル賞の解説によると、白いLED照明のつくり方は2つあります。
- 青い光で蛍光体を光らせて、赤や緑の光を出させ、まぜて白にする
- 赤・緑・青の3つのLEDをならべ、目の中で白にまぜる
電球や蛍光灯とくらべると
| 明るさの効率(1ワットあたりのルーメン) | 寿命の目安 | |
|---|---|---|
| LED | 300をこえる(記録) | 最大10万時間 |
| 蛍光灯 | 70近く | 約1万時間 |
| 電球(白熱電球) | 16 | 約1,000時間 |
- 電球やハロゲンランプは、電流でフィラメントを熱して光らせるので、電気の多くが熱になります。LED は電気を直接光にするので効率がよいのです
- 世界の電力消費の約4分の1は照明に使われているため、LED は地球の資源の節約に役立つとされています
- 蛍光灯とちがって水銀をふくみません
- 電気の送電網が届かない15億人以上の人も、安い太陽光発電で LED 照明を使えるようになると期待されています
- 青色LEDを発展させた紫外線LEDで、汚れた水を殺菌することもできます

赤と緑はあったのに、青だけが30年できなかった。その青色LEDを日本の3人が実現し、白いLED照明が生まれました。電球の約20倍の効率で、寿命も長い照明が、世界中に広がっています。
家の照明もLEDへ
蛍光ランプは2027年末までに製造・輸出入が終わります。家の蛍光灯をLEDに替えるときの注意は、蛍光灯は2027年末で製造終了。LEDにするなら「器具ごと」が安心へ。

プレ男部屋の白い光の中に、青色LEDが入ってるのか。みんながあきらめた材料を信じつづけたのが、かっこいい。

メル美電気のない地域の人の暮らしも変えられるって、すごいね。
大きさだけで光の色を変える、テレビの画面のナノの粒は、「量子ドット」ってなに?へ。
まとめ
- 白い光には赤・緑・青が必要。青色LEDは30年間だれもつくれなかった
- 赤﨑勇・天野浩(名古屋大学)と中村修二が、窒化ガリウムで1990年代初めに実現。2014年ノーベル物理学賞
- LED照明は1ワットあたり300ルーメン超(電球16、蛍光灯約70)、寿命最大10万時間
- 照明は世界の電力の約4分の1。LEDは省エネ、水銀なし
- 紫外線LEDで水の殺菌も
参考文献
- The Royal Swedish Academy of Sciences. Press release: The Nobel Prize in Physics 2014. NobelPrize.org. https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2014/press-release/ (閲覧日:2026年10月5日)
- The Royal Swedish Academy of Sciences. The Nobel Prize in Physics 2014 — Popular information. NobelPrize.org. https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2014/popular-information/ (閲覧日:2026年10月5日)
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