予防2026年9月25日

細菌性腟症の予防—乳酸菌(腟に入れるタイプ・飲むタイプ)で再発を防ぐ

細菌性腟症は、治療してもくり返しやすい病気です。腟の善玉菌である乳酸菌を補うことで、再発を減らせるという研究があります。腟に入れるタイプと飲むタイプのエビデンス、注意点、ふだんの予防をまとめました。

目次
  1. なぜ乳酸菌なの?
  2. 腟に入れる乳酸菌
  3. 飲む乳酸菌
  4. 乳酸菌のサプリは、細菌性腟症を減らしてくれる可能性がある
  5. 注意すること
  6. ふだんからできること
  7. まとめ

メル美細菌性腟症って、くり返さないようにする方法はあるのかな?

こんにちは、Dr. Taro です。 細菌性腟症は、治療してもくり返しやすい病気です。今回は、腟の善玉菌である乳酸菌を補って、再発を防ぐ方法についてお話しします。 細菌性腟症そのものについては、細菌性腟症のページをご覧ください。

なぜ乳酸菌なの?

腟の中は、乳酸菌がほとんどを占めているのがよい状態

健康な腟の中では、乳酸菌(善玉菌)が、腟の菌のほとんどを占めています。乳酸菌は乳酸をつくって、腟の中を酸性に保ち、ほかの菌が増えるのを防いでいます。乳酸菌がほぼ100%近くを占めている状態が、腟にとっていちばん調子のよい状態と考えられています。

米国の女性396人の腟の菌を調べた研究では、腟の菌のタイプは5つに分かれ、そのうち4つは乳酸菌が大部分を占めるタイプでした。残りの1つは、乳酸菌が少なく、酸素を嫌う菌(嫌気性菌)が多いタイプで、細菌性腟症の診断に使われる検査の点数が高いこととも関係していました。

細菌性腟症は、腟の中の乳酸菌(善玉菌)が減って、ほかの菌が増えた状態です。 抗菌薬で原因の菌を減らしても、乳酸菌が戻らないと、また同じ状態になりやすくなります。そこで、乳酸菌を補って、腟の中の環境を整えることで、再発を防ごうという考え方です。

腟に入れる乳酸菌

腟に入れる乳酸菌で、再発が減った(米国の試験、228人):治療後12週間以内に細菌性腟症が再発した割合は、偽薬45%、乳酸菌(腟に入れる)30%。治療(メトロニダゾール腟ジェル)のあとに、乳酸菌を11週間使用

米国で行われた試験(2020年)では、細菌性腟症の治療のあとに、腟に入れる乳酸菌(ラクトバチルス・クリスパタス)を11週間使った人は、偽薬の人に比べて、12週間以内の再発が45%から30%に減りました。24週間の時点でも、再発は少ないままでした。

さらに、これまでの試験をまとめた2026年の分析(ネットワークメタ解析)でも、腟に入れる乳酸菌は、長い目で見た再発の予防に効果が認められた唯一の方法でした(再発が約4分の1少ない)。

飲む乳酸菌

同じ分析では、飲む乳酸菌も、治療直後の再発を減らす効果がみられました(ただし、根拠の確かさは低め)。とくに、もともと再発のリスクが低い人では、長い目で見た再発も減らしていました。

乳酸菌のサプリは、細菌性腟症を減らしてくれる可能性がある

こうした研究から、乳酸菌のサプリで腟の乳酸菌を補うことが、細菌性腟症の再発を減らしてくれる可能性があると考えられています。このサイトでは、細菌性腟症をくり返す人に、乳酸菌のサプリを提案しています。

注意すること

医療機関によっては、腟に入れるタイプと飲むタイプの両方の乳酸菌の製品を扱っているところもあります。使うかどうか、どのタイプを選ぶかは、医師と相談してみてください。

乳酸菌は、腟の中の環境を整えるサポート役です。くり返して困っている人は、医師に相談してみてくださいね。

ふだんからできること

まとめ


参考文献

  1. Cohen CR, et al. Randomized Trial of Lactin-V to Prevent Recurrence of Bacterial Vaginosis. N Engl J Med. 2020;382:1906-1915. https://doi.org/10.1056/NEJMoa1915254 (閲覧日:2026年9月25日)
  2. Gardella B, et al. Rethinking Prevention of Recurrent Bacterial Vaginosis: A Comparative Effectiveness Network Meta-Analysis. J Low Genit Tract Dis. 2026. https://doi.org/10.1097/LGT.0000000000000966 (閲覧日:2026年9月25日)
  3. Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Bacterial Vaginosis. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/bv.htm (閲覧日:2026年9月25日)
  4. Ravel J, et al. Vaginal microbiome of reproductive-age women. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011;108 Suppl 1:4680-4687. https://doi.org/10.1073/pnas.1002611107 (閲覧日:2026年9月25日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。