
プレ男冬キャンプで寒いから、テントの中でストーブをつけて寝ようと思うんだ。少しだけなら大丈夫だよね?

メル美それ、一酸化炭素中毒になるんじゃない?キャンプでの事故のニュースを見たことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、キャンプや災害時の一酸化炭素中毒の話です。製品評価技術基盤機構(NITE)の「増加するキャンプ需要〜初心者が守るべき注意点〜」(2021年4月28日)と「製品安全情報マガジン:一酸化炭素中毒の事故」(2023年2月)をもとにまとめました。
一酸化炭素は、色もにおいもない
- 一酸化炭素は、ものが燃えるときに完全燃焼でもわずかに出て、不完全燃焼になると大量に出ます
- 色もにおいもなく、毒性がとても強いので、濃度が低くても危険です
濃度と症状(NITEの資料の表より)
| 空気中の濃度 | 吸っている時間 | 主な影響 |
|---|---|---|
| 100〜200ppm | — | 激しい運動で息苦しい、ときに軽い頭痛 |
| 200〜300ppm | 5〜6時間 | 頭痛、耳鳴り、目の前がちかちかする |
| 300〜600ppm | 4〜5時間 | 激しい頭痛、吐き気、嘔吐、やがて体が動かせなくなる |
| 700〜1,000ppm | 3〜4時間 | 脈が速い、呼吸が増える、やがて意識障害 |
| 1,600〜3,000ppm | 1〜1.5時間 | 呼吸が弱い、心臓の働きの低下、ときに死亡 |
| 5,000〜10,000ppm | 1〜2分 | 反射の低下、呼吸の障害、死亡 |
(NITE「増加するキャンプ需要」別紙の表から一部を抜粋。出典は日本火災学会「火災便覧 第4版」)
- 体が動かせなくなる段階まで進むと、自分で逃げられなくなります
テントの中では、短時間で危険な濃度に
NITEの実験の結果です。
- 2ルームサイズのテントの中でたき火をしたところ、約9分で一酸化炭素の濃度が200ppmを超えました
- ソロキャンプ用テントでフライシートを閉めた状態で、ホワイトガソリン式のポータブルストーブを使ったところ、約15分で200ppmを超えました
- 濃度は火力、燃やしている時間、換気で大きく変わり、もっと悪い条件では、さらに危険になると考えられます
- とくにたき火では、多くの一酸化炭素が出る場合があるので注意が必要です

プレ男たった9分で危険な濃度!寝ている間につけっぱなしにしたら…。
予防のポイント
- テントの中やフライシートの下では、たき火、カートリッジガスこんろ、ポータブルストーブ、燃料式ランタンなどを絶対に使わない。必ず屋外の風通しのよい場所で使う
- テントの外で使っていても、風向きなどによっては、燃えた空気がテントの中にたまることがあります
- 異臭がしたり、少しでも気分が悪くなったりしたら、すぐに換気しましょう
- 炎が赤すぎる、大きく揺らいでいるなどの異常な燃え方は、一酸化炭素が多く出ているサインのことがあります。燃料ノズルなどを点検・掃除し、改善しなければ使うのをやめてメーカーに相談を

一酸化炭素は色もにおいもなく、テントの中では短い時間で危険な濃度になります。テントの中では火を使わず、頭痛や吐き気を感じたら、すぐに換気して外に出ましょう。
- 具合が悪い人がいたら、新鮮な空気の場所に移し、意識がおかしい・呼吸がおかしいときはすぐに救急車(119)を
災害のとき:携帯発電機は屋内・テントで使わない
- 携帯発電機の排ガスには、一酸化炭素などの有害物質がふくまれています。屋内やテントの中など、排ガスがこもる場所では絶対に使わないでください
- 停電のときに携帯発電機を屋内で使い、排ガスがたまって一酸化炭素の濃度が上がったと考えられる事故で、1人が亡くなっています
- 避難生活や車中泊の健康の注意はエコノミークラス症候群、備えはひとり暮らしの防災、食べものは足りてる?の記事もどうぞ

メル美冬キャンプは、暖かい寝袋と服で寒さ対策しよう。ストーブはテントの外でね。
まとめ
- 一酸化炭素は色もにおいもなく、低い濃度でも危険
- テントの中のたき火で約9分、ストーブで約15分で危険な濃度(200ppm)に
- テントの中・フライシートの下では、たき火・こんろ・ストーブ・ランタンを使わない
- 異臭・気分の悪さを感じたら、すぐ換気
- 携帯発電機は、屋内やテントで絶対に使わない
参考文献
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE). 増加するキャンプ需要〜初心者が守るべき注意点〜(2021年4月28日). https://www.nite.go.jp/data/000138996.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE). 製品安全情報マガジン Vol.423「一酸化炭素中毒の事故」(2023年2月28日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2022fy/vol423_230228.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。