
プレ男50代の叔父が、この3か月で、髪を洗うときに腕が上がりにくくなって、箸も使いにくいんだって。足もしびれて、スリッパがすぐ脱げるらしい。

メル美手も足も同時に…神経の病気なのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)の話です。難病情報センターの「慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー」(令和7年11月更新、神経免疫疾患領域の研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 2か月以上にわたって、進行したり再発したりしながら、手足の筋力低下やしびれが起こる、末梢神経(手足の神経)の病気です
- 神経を電線にたとえると、銅線をおおうビニールにあたる髄鞘(ミエリン)が傷つく「脱髄」が特徴です。神経の情報が伝わりにくくなったり、まちがって伝わったりして、力が入りにくい、しびれるといった症状が出ます
- 原因は、自分の免疫が髄鞘を攻撃することだと推定されていますが、くわしいしくみはわかっていません。親から子に遺伝したという報告はありません
ギラン・バレー症候群とのちがい
- 似た症状の病気にギラン・バレー症候群があります。大きなちがいは進む期間の長さです
- ギラン・バレー症候群は4週間以内に症状がピークになり、再発はごくまれです
- CIDPは2か月以上進み、治療後も再発と寛解をくり返したり、慢性に進んだりすることがあります
どんな人に多い?
- 受給者証をもつ人は約5,100人(令和2年度)です
- 男性にやや多い傾向があり、発症年齢は2〜70歳と幅広く、全国調査では平均発症年齢は約54歳でした
症状
- 髪を洗うときに腕が上がらない
- 箸が使いにくい、ボタンのかけ外しがしにくい
- 足がしびれる
- スリッパが脱げやすい、歩きにくい
- 治療でよくなっても再発をくり返すことがあり、障害がたまって手足の筋肉がやせると、杖や車いすが必要になる場合もあります

プレ男腕が上がらない、箸が使いにくい、スリッパが脱げやすい…叔父の症状は、CIDPの症状に当てはまるところがあるんだ。
治療と経過
- ステロイド療法、免疫グロブリン療法、血液浄化療法が行われます。日本では免疫グロブリン療法が第一選択になっていると報告されています
- 多くの人で継続的な治療が必要になります

CIDPは、2か月以上かけて手足の力が落ちたり、しびれたりする末梢神経の病気で、髪を洗うときに腕が上がらない、箸が使いにくい、スリッパが脱げやすいなどの症状が出ます。治療でよくなっても再発することがあり、多くの人で継続的な治療が必要です。

メル美いつから、どこの力が落ちてきたかをメモして、脳神経内科で相談してもらおうね。
まとめ
- 2か月以上かけて手足の筋力低下・しびれが起こる末梢神経の病気
- 神経のカバー(髄鞘)が免疫で傷つく
- ギラン・バレー症候群は4週間以内にピーク、CIDPは2か月以上進み再発も
- 腕が上がらない・箸が使いにくい・スリッパが脱げやすい・歩きにくい
- 治療はステロイド・免疫グロブリン・血液浄化。継続的な治療が必要なことが多い
参考文献
- 難病情報センター. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー(指定難病14)(情報更新日:令和7年11月、神経免疫疾患領域における難病の医療水準と患者のQOL向上に資する研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/4089 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。