世界の神話Mythos

Bestiary

フェンリル北欧神話の巨大な狼。鉄の鎖を2度ちぎり、最後は「ネコの足音・女のひげ・山の根」でできた細いひもで縛られた。その代わりに神テュールは右手を失い、世界の終わりラグナロクでオーディンをのみこむ

2026年10月4日

雪の野で、足をしばられた大きな黒い狼が、かぶとの戦士の手にかみついている挿絵
ジョン・バウエル「テュールとフェンリル」1911年(ヴィクトル・リュードベリ『われらの父祖の神々の物語』の挿絵)。ウィキメディア・コモンズ(パブリックドメイン)
目次
  1. プロフィール
  2. 神々に育てられた狼
  3. 鉄の鎖を、2度ちぎる
  4. 「この世にない6つのもの」でできたひも
  5. テュールの右手
  6. 剣のさるぐつわ
  7. ラグナロク:オーディンをのみこむ
  8. まとめ

プレ男「フェンリル」って、ゲームでは最強クラスの狼だよね。もとは北欧神話なんだっけ。

メル美神さまたちが、ふしぎな材料のひもで縛った話があるんだって。

こんにちは、Dr. Taro です。 世界の幻獣、今回は北欧神話のフェンリル(フェンリス狼)です。アイスランドのスノッリ・ストゥルルソン(英訳の解説によると1178年生まれ)の『散文のエッダ』の英訳(R.B.アンダーソン訳『The Younger Edda』、1879年)を、プロジェクト・グーテンベルクで読みました。

プロフィール

名前 フェンリル(英訳では Fenris-wolf)
父 いたずらとうその神ロキ
母 巨人の国ヨトゥンヘイムの女巨人アングルボザ(英訳では Angerboda)
きょうだい 世界をとりまくミズガルズの大蛇ヨルムンガンド、冥界の女王ヘル
ラグナロクでは 主神オーディンをのみこむ
出典 『散文のエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」34・35・55・56節(アンダーソン訳の節番号)

雪の野で、足をしばられた大きな黒い狼が、かぶとの戦士の手にかみついている挿絵

ジョン・バウエル「テュールとフェンリル」1911年(ヴィクトル・リュードベリ『われらの父祖の神々の物語』の挿絵)。ウィキメディア・コモンズ(パブリックドメイン)

神々に育てられた狼

鉄の鎖を、2度ちぎる

プレ男鉄の鎖が2本ともダメ…。神さまたち、どうするんだろう。

「この世にない6つのもの」でできたひも

メル美だから、ネコの足音は聞こえないし、女の人にはひげがないんだ、っていう説明になってるのか!

テュールの右手

剣のさるぐつわ

ラグナロク:オーディンをのみこむ

『散文のエッダ』によると、ひもグレイプニルは、ネコの足音、女のひげ、山の根、クマの腱、魚の息、鳥のつばの6つでつくられました。

まとめ


参考文献

  1. Snorri Sturluson. The Younger Edda; also called Snorre’s Edda, or The Prose Edda(英訳:Rasmus B. Anderson、1879年). Gylfaginning 34, 35, 55, 56. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/18947 (閲覧日:2026年10月4日)
  2. John Bauer, Tyr and Fenrir, 1911(for Our Fathers’ Godsaga by Viktor Rydberg). Wikimedia Commons(パブリックドメイン). https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Tyr_and_Fenrir-John_Bauer.jpg (閲覧日:2026年10月6日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Next Stars次に読む

  1. IX世界の幻獣ケルベロス冥界の番犬は「犬の頭が3つ、しっぽは竜、背中にはヘビの頭がびっしり」。ヘラクレス最後の功業は、武器を使わず素手でつかまえて地上に連れ出すこと
  2. IX世界の幻獣テュポンギリシャ神話「最強の怪物」。頭は星にとどき、手からは100の竜の頭、太ももから下は大蛇。神々はエジプトへ逃げ、ゼウスも一度は手足の腱を切られた。最後はエトナ山の下じきに
  3. Iギリシャ神話ヘラクレス生後8か月でヘビ2匹を素手でしめた最強の英雄。女神ヘラのねたみで正気を失い、つぐないの「12の功業」へ。ライオン、ヒュドラ、ケルベロス——全リスト