
メル美ユニコーンって、角のある白い馬だよね。かわいくて大好き!

プレ男ローマ時代の本だと、ちょっとちがう姿だったらしいよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 世界の幻獣、今回はユニコーン(一角獣)です。古代ローマのプリニウス『博物誌』(1世紀)の英訳(J.ボストック、H.T.ライリー訳、1855年)を、Perseusデジタル図書館で読みました。
プロフィール(プリニウスの「モノケロス」)
| 名前 | モノケロス(「1本の角」という意味。英訳の注では「一角獣、ユニコーン」) |
| すみか | インド |
| 姿 | 頭はシカ、足はゾウ、しっぽはイノシシ、ほかの体は馬に似ている |
| 角 | 額のまん中から突き出た黒い角が1本。長さは2キュビット |
| 声 | 低くうなるような声 |
| 性質 | とても獰猛。「生きたままつかまえることはできない、といわれる」 |
| 出典 | プリニウス『博物誌』8巻31章 |

プレ男足はゾウで、しっぽはイノシシ!?角も白じゃなくて黒なんだ。
- 2キュビットは、ひじから指先までの長さ(1キュビット)の2つぶんです
- 同じ章でプリニウスは、インドには「ひづめが割れていない、1本角の牛」もいる、とも書いています
「1本角の動物」は、ほかにも
- プリニウスは『博物誌』11巻106章で、角のある動物のほとんどはひづめが割れている、と書いたうえで、「インドのロバは1本角」「オリュクスは1本角で、ひづめが割れている」と記しています
- 19世紀の英訳の注には、博物学者キュヴィエの意見として、「1本角の四本足の動物で確実に知られているのはサイだけ」という説明がついています。モノケロスの話が、なにか実在の動物の話から生まれたのかどうかは、ここでは断定しません

メル美ローマ時代の人にとっては、遠いインドの「うわさの動物」だったんだね。
白いユニコーンの名作「一角獣のタペストリー」

「庭で休むユニコーン」(一角獣のタペストリーより)1495〜1505年。下絵はフランス、織りは南ネーデルラント。羊毛・絹・銀・金の糸。メトロポリタン美術館所蔵(クロイスターズ、パブリックドメイン)
- メトロポリタン美術館の分館クロイスターズ(ニューヨーク)には、1495〜1505年ごろの「一角獣のタペストリー」があります。美術館のデータベースにある題名は次のとおりです
- 狩人たちが森に入る
- ユニコーンが水を清める
- ユニコーンが川を渡る
- ユニコーンが身を守る
- ユニコーンが乙女に身をゆだねる(断片)
- 狩人たちが城に帰る
- 庭で休むユニコーン
- 上の「庭で休むユニコーン」は、高さ368cm、幅251.5cm。羊毛と絹に、銀と金の糸も織りこまれています

プリニウス『博物誌』のモノケロスは、頭がシカ、足がゾウ、しっぽがイノシシで、額のまん中から黒い角が1本。生きたままつかまえることはできない、とされていました。
まとめ
- プリニウスの一角獣モノケロスは、頭はシカ・足はゾウ・しっぽはイノシシ、ほかは馬に似ている
- 額のまん中に2キュビットの黒い角。低い声でうなり、生きたままつかまえることはできないとされた
- プリニウスは、インドのロバやオリュクスも1本角だと書いた
- 白い一角獣の名作は、1495〜1505年ごろの「一角獣のタペストリー」(メトロポリタン美術館)
- 同じプリニウスの幻獣はバジリスク、翼のある幻獣はペガサス、グリフォンもどうぞ
参考文献
- Pliny the Elder. The Natural History(英訳:John Bostock、H.T. Riley、1855年). 8.31, 11.106. Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.02.0137:book=8:chapter=31 (閲覧日:2026年10月4日)
- メトロポリタン美術館. The Unicorn Rests in a Garden (from the Unicorn Tapestries), 1495–1505(37.80.6、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/467642 (閲覧日:2026年10月4日)
- メトロポリタン美術館. Collection API(一角獣のタペストリー 37.80.1〜6、38.51.1〜2 の題名・年代). https://collectionapi.metmuseum.org/public/collection/v1/objects/467637 (閲覧日:2026年10月4日)
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