
プレ男母が、ここ数か月で階段を上るのがつらくなって、洗濯物を干すときも腕が上がりにくいって。まぶたも赤くはれぼったいんだ。

メル美年のせいの筋力低下にしては、まぶたの赤みが気になるね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、筋肉と皮膚に炎症が起こる「多発性筋炎・皮膚筋炎」の話です。難病情報センターの「皮膚筋炎/多発性筋炎」(令和6年11月更新、自己免疫疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 免疫が筋肉や皮膚を攻撃して、筋肉に炎症が起こり、力が入りにくい・疲れやすい・痛むといった症状が出る病気です。膠原病のなかまです
- 特徴的な皮膚の症状があるものを皮膚筋炎と呼びます。筋肉の症状がほとんどなく、皮膚の症状だけの人もいます
- 生まれもった体質に、微生物の感染などが加わって発症すると考えられています。いわゆる遺伝病ではありません
どんな人に多い?
- 2021年度の解析では、患者さんは約2万5千人と推定され、1991年の調査(約6,000人)から急速に増えています
- 男女比は1対3で女性に多く、中年の発症が最も多いとされています(15歳以下3%、60歳以上25%)
症状
筋肉の症状(少しずつ現れる)
- 体に近い筋肉の力が落ちやすく、次のようなことがつらくなります
- 髪の手入れ、洗濯物を干す、高いところに物を上げる(腕)
- 階段を上る、座った姿勢から立ち上がる(太もも)
- 頭を枕から持ち上げる(首)
- のどの筋肉が弱ると、飲みこみにくい、むせる、話しにくくなり、肺炎をくり返すこともあります
皮膚の症状(皮膚筋炎)
- ヘリオトロープ疹:まぶたの、むくみをともなう赤い発疹
- ゴットロン丘疹:手指の関節の上の、がさがさした盛り上がった赤い発疹。ひじ・ひざの外側にも似た赤い発疹(ゴットロン徴候)
- 首から胸、肩から背中の赤い発疹も。かゆみをともなうことが多く、初めはかゆみだけのことも。鼻の横や頭皮の赤みが脂漏性皮膚炎とまちがわれることもあります

プレ男階段がつらい、腕が上がりにくい、まぶたの赤いはれ…母の症状に当てはまるところが多いんだ。
とくに注意したい合併症
- 間質性肺炎:のどの痛みやたんがないのにしつこいせき、動いたときの息切れ。筋肉の症状が少なく皮膚の症状が強い皮膚筋炎では、急に進むことがあり、できるだけ早く治療しなければなりません
- 悪性腫瘍(がん):とくに皮膚筋炎で合併しやすく、治療を始めたあとに見つかることもあるため、治療開始時とその後2年間はがんの有無をよく調べる必要があります
- ほかに関節痛、レイノー現象(寒いと指が白く冷たくなる)、まれに心臓の筋肉の障害なども
治療
- 治療は薬が中心で、主にステロイドを使います。効果があれば数か月かけて少しずつ減らします。急に減らすと再び悪くなることがあります
- ステロイドが効かない、減らすと悪くなる、副作用が問題になるときは、免疫抑制薬を併用します
- 治療の初めは安静が必要ですが、回復してきたらリハビリも必要です。筋炎がおさまってきたら、疲れない程度に体を動かすのがよいようです
- 皮膚の症状があるときは、紫外線にできるだけ当たらないようにします
- 一般に、発病から早く、筋力の低下が強くないうちに治療を始めた人ほど、筋力の回復はよいとされています

多発性筋炎・皮膚筋炎で特に注意が必要な合併症は、間質性肺炎と悪性腫瘍です。治療を始めるときとその後2年間は、がんの有無をよく調べる必要があります。
- SLEは全身性エリテマトーデス、全身性強皮症は全身性強皮症の記事もどうぞ

メル美年のせいと決めつけずに、まぶたの赤みも合わせて、早めに病院で相談してもらおうね。
まとめ
- 免疫が筋肉や皮膚を攻撃する病気。全国に約2万5千人、女性に多い
- 体に近い筋肉が弱る:髪の手入れ・洗濯物干し・階段・立ち上がりがつらい
- 皮膚筋炎はまぶたの赤いむくみ、指の関節のがさがさした赤い発疹
- 間質性肺炎とがんに注意。治療開始時とその後2年間はがんの検査を
- 治療はステロイド+免疫抑制薬。回復してきたらリハビリ
参考文献
- 難病情報センター. 皮膚筋炎/多発性筋炎(指定難病50)(情報更新日:令和6年11月、自己免疫疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/4079 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。