
プレ男糖尿病の父さんが、「靴ずれしてたのに全然気づかなかった」って言うんだ。痛くなかったんだって。

メル美痛くないのに、けがしてるの?それってこわいね…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、糖尿病の人の足のケア(フットケア)の話です。国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センターの「フットケア」「糖尿病足病変」(2023年7月作成)をもとにまとめました。親が糖尿病という人にも読んでほしい内容です。
なぜ、糖尿病だと足があぶないの?
血糖の高い状態が長く続くと、次の3つが重なって、足のトラブルが起こりやすくなります。
- 神経障害:糖尿病の3大合併症のひとつ。足の感覚が鈍くなり、けがややけどをしても痛みを感じにくいため、気づかずに放っておきがちです。足や指の変形で、タコや靴ずれもできやすくなります
- 血流障害:動脈硬化などで足の血流が悪くなると、傷を治すための血液や酸素が届かず、傷が治りにくくなります
- 抵抗力の低下:細菌に感染しやすく、傷がうみやすくなります
さらに、糖尿病網膜症などで視力が落ちると、足の傷に気づきにくくなります。こうして、足潰瘍(かいよう)や、足の組織が死んでしまう足壊疽(えそ)まで進むことがあります。これらをまとめて糖尿病足病変といいます。糖尿病そのものについては糖尿病の基本の記事もどうぞ。

プレ男痛みを感じにくいから、気づいたときには進んでいることがあるんだ。
とくに注意したい人
糖尿病情報センターによると、糖尿病の人で次のどれかひとつでもあてはまれば、リスクが高いので注意が必要です。
- 血糖のコントロールが悪い
- 以前に足の潰瘍や壊疽になったことがある
- 糖尿病による神経障害がある
- 足の血管が狭く細くなっている(末梢動脈疾患)
また、水虫や細菌に感染しているかもしれない、足に傷がある、足が赤くはれているときは、放っておかずに、主治医に相談したり、皮膚科を受診したりしましょう。
フットケアのポイント
1. 毎日、足を観察する
- 潰瘍や壊疽を防ぐには「早期発見・早期治療」がとても大切で、毎日足をよく観察することがいちばん大事とされています
- 足のすみずみまで見て、さわって確かめます。見えないところは鏡を使ったり、家族に手伝ってもらったり
- 長く歩いたあとや運動のあとは、とくに念入りに
2. 足を清潔に
- 石けんをよく泡立て、やわらかいタオルやスポンジでやさしく洗う。指の間も忘れずに
- 洗ったら、こすらずに押さえるようにして、水気をよくふき取る
- 乾燥していたら保湿クリームを。ただし指の間には塗らない(湿って水虫の原因になることがあります)
3. 爪は切りすぎない
- 深爪に注意し、爪の角を深く切り落とさない
- 巻き爪の人は、長めにまっすぐ切る
4. 自分の足に合った靴を
- つま先に1cmほど余裕があり、足の形に合った靴を
- 革や内張りがやわらかく、中に硬い縫い目がない靴を
- クッション性がよく、靴底が安定しているものを
- 運動や散歩のときは、ひもやマジックテープで足首が固定される運動靴を(糖尿病と運動)
- 神経障害のある人は、はく前に靴の中に異物がないか確かめる
5. はだしを避け、靴下で守る
- 靴下は水虫の予防と足の保護になります
- 吸湿性のよい綿の靴下を。内側の縫い目がゴツゴツしていない、きつすぎないもの
- 重ねばきは血のめぐりを妨げることがあるので避ける
- 水虫の予防には5本指靴下もおすすめとされています。水虫そのものは水虫(足白癬)の記事もどうぞ
6. やけどに注意
- 湯たんぽ・電気あんかの低温やけどに注意。使うときは、寝る前にスイッチを切る、温度を最低に、厚手のタオルで包む
- 使い捨てカイロは、肌に直接つけない
- バスや電車の温風の吹き出し口にも注意
- 夏は、はだしで砂浜やプールサイドを歩くとやけどすることがあります

メル美電車の暖房の吹き出し口まで!感覚が鈍いと、熱さにも気づきにくいんだね。
7. タコ・ウオノメ・傷を自分で処置しない
- タコやウオノメを自分で削ったり、市販薬を使ったりするのは危険です。専門の医師に相談しましょう
- 傷ができたら、流水できれいに洗い、清潔なガーゼや絆創膏で保護して、毎日観察
- 傷のまわりが赤い、熱をもつ、はれる、うみが出るときは、すぐに医療機関へ

糖尿病の人は、足の感覚が鈍くなって、けがや感染に気づきにくくなります。毎日足をよく見て、赤み・はれ・うみがあれば、すぐに受診しましょう。
治療と「フットケア外来」
- 水虫や細菌の感染には、抗真菌薬や抗菌薬で治療します。傷や潰瘍のところには体重をかけないようにし、死んでしまった組織を取り除く(デブリドマン)こともあります
- 血糖のコントロールが悪いと、感染が長引き、傷も治りにくくなるため、血糖の管理が欠かせません
- 壊疽が広い範囲に広がり、治る見こみがないほど重いときは、命を守るために足を切断しなければならないこともあります
- 糖尿病の人を対象に、フットケア外来を開いている医療機関もあります。看護師が、その人に合ったお手入れの方法を一緒に考えてくれます

プレ男今度帰ったら、父さんの足を一緒に見てみる。フットケア外来のことも聞いてみるよ。
まとめ
- 糖尿病では、神経障害・血流障害・抵抗力の低下で、足の傷や感染に気づきにくく、治りにくい
- 放っておくと潰瘍・壊疽に。ひどいと切断が必要になることも
- いちばん大事なのは、毎日足を見て、さわって観察すること
- 指の間はよくふいて保湿は塗らない、深爪しない、つま先1cmの靴、綿の靴下
- 低温やけどに注意。タコ・ウオノメは自分で削らない
- 赤み・熱・はれ・うみは、すぐ受診
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター. フットケア(フットケアはなぜ大切なの?). https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/070/11.html (閲覧日:2026年10月4日)
- 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター. 糖尿病足病変(2023年7月作成). https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/060/040/01.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。