WHOがドキシPEPを初めて推奨(2026年5月):男性同士で性行為をする人とトランスジェンダー女性で、梅毒・クラミジアを減らす。最近・くり返し性感染症にかかった人、とくに梅毒を優先。耐性菌の監視も条件
世界保健機関(WHO)は2026年5月28日、性行為のあとに抗菌薬のドキシサイクリンを飲む予防法「ドキシPEP」について、初めての推奨を出しました。WHOによると、対象は男性同士で性行為をする人(MSM)とトランスジェンダー女性で、梅毒とクラミジアのリスクを減らし、地域によっては淋菌も減らす可能性があるという根拠にもとづいています。WHOは、ドキシPEPを包括的な性の健康の取り組みの一部として行い、最近またはくり返し性感染症(とくに梅毒)にかかった人を優先し、地域に合った薬剤耐性の監視を行うことを強調しています。

プレ男WHOがドキシPEPをすすめるようになったって聞いたけど、ヨーロッパは慎重だったよね。どうちがうんだろう。

メル美誰にすすめているのかが大事そうだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、WHOが初めて出したドキシPEPの推奨の話です。世界保健機関(WHO)の発表「WHO issues first recommendation on doxycycline post-exposure prophylaxis to help prevent sexually transmitted infections」(2026年5月28日)をもとにまとめました。ドキシPEPの基本と日本の手引きについては、Doxy-PEP(ドキシペップ)とは?を見てください。
WHOの推奨
WHOによると、
- WHOは、男性同士で性行為をする人(MSM)とトランスジェンダー女性を対象に、細菌の性感染症を防ぐためのドキシPEPについて、初めての推奨を出しました
- 性行為のあとにドキシサイクリンを飲むことで、梅毒とクラミジアのリスクが下がり、地域によっては淋菌も減らす可能性があるという根拠がふえていることを反映したものです
- 多くの地域で性感染症がふえつづけていて、MSMやトランスジェンダー女性が大きな影響を受けていることが背景にあります
条件:優先する人と、耐性菌の監視
WHOは、ドキシPEPを行うときには、
- 包括的な性の健康の取り組みの一部として行うこと
- 最近、またはくり返し性感染症にかかった人、とくに梅毒にかかった人を優先すること
- 地域に合った薬剤耐性の監視を行うこと
を強調しています。各国の性感染症対策の担当者などには、ドキシPEPを導入する前にWHOに相談するようにとしています。

WHOは、ドキシPEPを、男性同士で性行為をする人やトランスジェンダー女性で、とくに最近梅毒などにかかった人を優先して、性の健康の取り組みの一部として行うことをすすめています。使うかどうかは、医師と相談してください。

プレ男WHOもヨーロッパも、「最近梅毒になった人など、リスクの高い人を中心に」「耐性菌に気をつけて」という点は同じなんだね。
ヨーロッパとのちがい
ヨーロッパの疾病予防管理センター(ECDC)は2026年1月に、ドキシPEPを集団全体にはすすめず、医師が一人ひとり判断し、使うならおもに梅毒の予防に、という考え方を示しています。くわしくはヨーロッパのドキシPEPの考え方(ECDC、2026年1月)を見てください。
(更新)WHOは2026年7月14日に、指針「Guideline on doxycycline post-exposure prophylaxis for sexually transmitted infections among men who have sex with men and transgender women」(18ページ)を公開しました。公開ページの概要では、対象は男性同士で性行為をする人とトランスジェンダー女性で、ドキシPEPを「包括的な性の健康のサービスの一部として提供してよい」とし、導入にあたっては薬剤耐性の監視が大切だとしています。指針には、飲むタイミング、リスクの高い人の優先のしかた、性の健康のサービスへの組みこみ方などの実際的な案内がふくまれるとされていますが、本文(PDF)の具体的な飲み方は、この記事では確認していません。
男性同士で性行為をする人の性の健康については、男性同士のセックスと性の健康を見てください。
まとめ
- WHOは2026年5月、ドキシPEPについて初めて推奨
- 対象はMSMとトランスジェンダー女性。梅毒・クラミジアを減らす
- 最近・くり返し性感染症(とくに梅毒)にかかった人を優先
- 包括的な性の健康の取り組みの一部として、耐性菌の監視とともに
- 使うかどうかは、医師と相談
参考文献
- World Health Organization. WHO issues first recommendation on doxycycline post-exposure prophylaxis to help prevent sexually transmitted infections(News, 28 May 2026). https://www.who.int/news/item/28-05-2026-who-issues-first-recommendation-on-doxycycline-post-exposure-prophylaxis-to-help-prevent-sexually-transmitted-infections (閲覧日:2026年10月12日)
- World Health Organization. Guideline on doxycycline post-exposure prophylaxis for sexually transmitted infections among men who have sex with men and transgender women(14 July 2026). https://www.who.int/publications/i/item/9789240124110 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
