予防2026年10月10日

男性同士のセックスと性の健康:性器だけの検査では、淋菌・クラミジアの約7割を見のがすことも。のど・おしりの検査、年1回以上(人によっては3〜6か月ごと)の検査、A型・B型肝炎とHPVのワクチン、PrEPなど、できる予防はたくさんある

男性と性交する男性(MSM)の性の健康についてまとめました。日本では、新しく報告されたHIVの感染経路の61.0%が同性間の性的接触です(2025年)。米国CDCのガイドライン(2021年)によると、のどやおしり(直腸)の淋菌・クラミジアは症状がないことが多く、性器だけを検査すると約7割を見のがすおそれがあります。HIV・梅毒・淋菌・クラミジアの検査を少なくとも年1回、リスクが続く人は3〜6か月ごとに。A型・B型肝炎のワクチン、26歳までのHPVワクチン、PrEPなど、予防の手段もたくさんあります。

目次
  1. 「MSM」とは
  2. 日本のデータ
  3. のど・おしりの検査が大切
  4. どれくらいの頻度で検査する?
  5. ワクチンで防げるもの
  6. そのほかの予防
  7. 気をつけたい症状
  8. まとめ

プレ男ゲイの友だちが、「検査は尿だけじゃなくて、のどやおしりも受けたほうがいいって聞いた」って言ってたんだ。どういうこと?

メル美セックスのしかたによって、どこを検査するかが変わるんだね。知っておくと、自分に合った検査が選べそう。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、男性同士のセックスと性の健康の話です。米国CDCの「性感染症治療ガイドライン2021」の「男性と性交する男性(MSM)」の章などをもとにまとめました。

「MSM」とは

CDCのガイドラインによると、

性感染症は、誰と、どんなセックスをするかによって、うつりやすさや検査する場所が変わります。この記事は、特定の人たちを責めるためのものではなく、自分に合った検査と予防を選ぶためのものです。

日本のデータ

のど・おしりの検査が大切

CDCのガイドラインによると、

検査のときは、どこで性的な接触があったか(口・おしり・性器)を伝えてください。それによって、どこを検査するかが決まります。医療者は責めるために聞くのではありません。

どれくらいの頻度で検査する?

CDCのガイドラインによると、

検査の頻度については、性感染症の検査、どれくらいの頻度で受ける?も見てください。

ワクチンで防げるもの

CDCのガイドラインによると、

(更新)国立健康危機管理研究機構の「日本で接種可能なワクチンの種類」(2026年4月現在)では、A型肝炎ワクチン、HPVワクチン(2価・4価)、エムポックス(曝露リスクの高い方)のワクチンは任意接種です。B型肝炎ワクチンとHPVワクチン(9価)は定期接種に分類されていますが、定期接種は対象年齢が政令で決まっていて、対象年齢以外で受ける場合は任意接種になります(HPVワクチンの定期接種は女性が対象で、男性は2026年7月の審議会の時点で定期接種になっていません。HPVが原因のがんは、世界で年69万件(WHO)の(更新)を参照)。費用や自治体の助成は確認していません。

そのほかの予防

気をつけたい症状

CDCのガイドラインは、医師がたずねるべき症状として、尿道から膿が出る、排尿時の痛み、潰瘍、発疹、リンパ節の腫れのほか、おしりの症状(分泌物、出血、排便時の痛み、アナルセックスのときの痛み)をあげています。おしりの症状については、直腸炎を見てください。

まとめ


参考文献

  1. Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021(Men Who Have Sex with Men). MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1–187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 厚生労働省エイズ動向委員会. 令和7(2025)年エイズ発生動向 ―分析結果―(PDF). https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/data/2025/nenpo/bunseki.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  3. 日本性感染症学会. A型肝炎に関する医療機関向け臨時セミナーのお知らせ(2026年10月8日、PDF). https://jssti.jp/pdf/n20261008.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  4. 国立健康危機管理研究機構. 日本で接種可能なワクチンの種類(2026年4月現在). https://id-info.jihs.go.jp/immunization/basics/vaccine-list-in-japan/index.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。