肛門がんとHPV:肛門がんの多くはHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因。まれながんだが、症状は痔や切れ痔とまぎらわしい。HPVワクチンが予防のいちばんの方法
肛門がんは、まれながんですが、英国NHSによると、その多くはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因です。HPVは性器の皮膚どうしの接触や、腟・肛門・口のセックス、セックストイの共用でうつります。アナルセックスをする人、喫煙、HIVなどで免疫が弱っている人、子宮頸がんなどにかかったことがある人で起こりやすく、出血、かゆみ、痛み、しこりなど、痔とまぎらわしい症状が出ます。予防のいちばんの方法はHPVワクチンです。

プレ男HPVって、子宮頸がんの原因でしょ?男には関係ないと思ってた。

メル美肛門のがんやのどのがんの原因にもなるって聞いたよ。男女どちらにも関係あるんだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、肛門がんとHPVの話です。英国NHSの資料をもとにまとめました。HPVは、子宮頸がんだけでなく、肛門がんやのどのがんの原因にもなります。
肛門がんとは
NHSによると、
- 肛門がんは、肛門(腸が体の外につながるところ)にできる、まれながんです
- 多くはHPVの感染が原因です
- HPVワクチンで予防できます
HPVのうつり方
NHSによると、HPVは次のようにうつります。
- 性器の皮膚どうしの接触
- 腟・肛門・口のセックス
- セックストイの共用
HPVに感染しても、ほとんどの人はがんになりません。

プレ男セックストイの共用でもうつることがあるんだ。
なりやすい人
NHSは、次のような人は肛門がんになりやすいとしています。
- アナルセックスをする
- 75歳以上
- たばこを吸う
- 子宮頸がん、腟がん、外陰がんにかかったことがある
- HIVや臓器移植などで免疫が弱っている
ただし、NHSは、だれでも肛門がんになりうるとしています。
症状:痔とまぎらわしい
NHSによると、肛門がんの症状には次のものがあります。
- おしりからの出血
- 肛門のまわりのかゆみや痛み(おしりのかゆみ)
- おしりのまわりや中の小さなしこり
- おしりから粘液が出る
- 便がもれる、がまんできない
- 便の回数が増え、ゆるくなる
症状がないこともあり、痔や切れ痔などのよくある病気と症状が似ています。こうした症状はとても多く、肛門がんとは限りませんが、早く見つけるほど治療がうまくいきやすいので、受診しましょう。
肛門のまわりのイボは、HPVの別の型による尖圭コンジローマのこともあります。

肛門がんの多くはHPVが原因で、HPVワクチンで予防できます。出血やしこりなど痔に似た症状が続くときは、自己判断せずに受診を。
予防:HPVワクチンがいちばんの方法
- NHSは、HPVワクチンが、肛門がんを防ぐいちばんの方法のひとつだとしています。英国では、12〜13歳の子どもに加えて、45歳以下の男性と性行為をする男性、セックスワーカー、HIVの人などにもすすめています
- 日本の接種の対象や、男性の接種については、HPVワクチンの記事を見てください
- そのほか、NHSは次のことをすすめています
- コンドームを使って、HPVにかかる機会を減らす(コンドーム)
- セックストイは清潔に保ち、共用しない
- たばこをやめる
HPVは、男性の陰茎がんの原因になることもあります。
HIVのある人とHPVについては、HIVとHPV(ヒトパピローマウイルス)にまとめています。
まとめ
- 肛門がんはまれだが、多くはHPVが原因
- HPVは、性器の皮膚の接触、腟・肛門・口のセックス、セックストイの共用でうつる
- アナルセックス、喫煙、HIVなどで免疫が弱っている人で起こりやすい
- 症状は出血・かゆみ・痛み・しこりなど、痔とまぎらわしい。続くときは受診
- 予防はHPVワクチン、コンドーム、禁煙
参考文献
- NHS. Anal cancer(What is anal cancer? / Symptoms / Causes). https://www.nhs.uk/conditions/anal-cancer/ (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
